この記事は約 4 分で読むことができます。
春だけではない「秋花粉」
春に多いイメージがある花粉症ですが、実は「秋」も花粉症の季節になるのをご存知ですか?
秋花粉に多いのは、
・ブタクサ
・ヨモギ
・カナムグラ など
特徴としては、秋の花粉症の原因であるキク科のブタクサやヨモギは、河原や公園、空き地など市街地にも多く生息しています。秋の花粉症であることを自覚しないまま、ジョギングや散歩の際に吸い込んでしまい、症状を悪化させる例もあります。
春の花粉は、鼻水やくしゃみが主な症状ですが、秋花粉は花粉の粒子が細かいため、気管支に入りやすく、喘息などの症状を引き起こしやすいです。
スギ花粉症などのアレルギー性鼻炎(花粉やハウスダストなど)の方は、秋の花粉症にもかかりやすいので、このような場所の近くを避けて歩くなど、適切に対処することが大切です。
秋花粉と口腔アレルギー
私自身も、秋花粉に気を付けながら過ごしているのですが、最近になって、バナナを食べると喉がイガイガするようになって、かゆみを感じるようになりました。原因を調べてみると、「口腔アレルギー」であり、なんと秋花粉とも関連が深かったのです。
花粉症患者が、野菜や果物を生で食べた時に唇・口・喉などにイガイガ感やかゆみ・腫れなどアレルギー症状を引き起こす、口腔アレルギー症候群(Oral allergy syndorome-OAS)を「花粉-食物アレルギー症候群」(Pollen-Food Allergy Syndrome-PFAS)と呼んでいます。PFASは、花粉症の原因物質と似た物質が果物等の食物に含まれているから起こると言われています。PFASは生の果物で症状が出ることがありますが、加熱で加工されると(ジャムやコンポート等)、症状が出なくなるのも特徴です。
アレルギーのおこりやすい食物
花粉とPFASを生じる主な果物や野菜の例
シラカンバ、ハンノキ
リンゴ、西洋梨、さくらんぼ、杏、アーモンド、じゃが芋、キウイ、マンゴー等
スギ
トマト等
オオアワガエリ
メロン、スイカ、トマト、じゃが芋、キウイ、オレンジ、ピーナッツ等
ヨモギ
セロリ、ニンジン、マンゴー等
ブタクサ
メロン、スイカ、きゅうり、ズッキーニ、バナナ等
プラタナス
ヘーゼルナッツ、リンゴ、レタス、とうもろこし、ピーナッツ、ひよこ豆等
※ラテックス(ゴム手袋やゴム風船に含有する成分)のアレルギーがある人・・・キウイ、バナナ、アボカド、マンゴー等に注意が必要。
なぜ、このような現象が起こるのでしょうか?
原因は、はっきりとはわかっていませんが、果物や野菜には、花粉症のアレルゲン(アレルギーの原因となるたんぱく質)と似た構造のたんぱく質を含むものがあり、花粉症患者がこれを食べると症状が出る場合があるということです。ただし、花粉症になって数年後に果物によるアレルギーを発症するケースが多いが、遅れる理由ははっきりしません。
参考:果物アレルギー ご注意を | 医療法人社団 杉本クリニック
大人の食物アレルギー ∼花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)∼とは?|栄養管理科コラム|新百合ヶ丘総合病院
対処法
口腔アレルギー症候群の対策としては、原因食物の摂取を控えることが基本となります。
症状が頻繁に出る時期には、これに加えて、アレルギー反応が起きるのを抑える薬(抗アレルギー薬)をしばらく定期的に服用することが必要になります。
他にも気を付けないといけないアレルギー
秋花粉や、口腔アレルギーにも気を付けてほしい季節ですが、そのほかにも「寒暖差アレルギー」にも気を付けてほしい時期になります。
【寒暖差アレルギーについてはこちらをご覧ください】
参考サイト
大人の食物アレルギー ∼花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)∼とは?|栄養管理科コラム|新百合ヶ丘総合病院
おすすめ記事の紹介
→HOME
コメントを残す