水俣病とは何だったのか~映画『MINAMATA』から伝わるもの~

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水俣病が映画化

9月23日、映画『MINAMATA』がジョニーデップ主演で全国公開となりました。

水俣病を取材し続けた有名写真家の物語を実話を元に、映画化されています。

水俣病と聞いたとき、小学校の教科書で教わった程度で、水俣病とは何かと聞かれると答えられません。

私は、改めて水俣病とは何だったのかを知りたいと思いました。

水俣病とは?主な症状

水俣病(みなまたびょう)とは、メチル水銀化合物(有機水銀)による中毒性中枢神経系疾患のうち、化学工場などから環境に排出された同物質によって汚染された海産物をヒトが経口摂取したことにより集団発生した公害病である。

引用:水俣病 – Wikipedia

昭和31年(1956年)4月21日に原因不明の激しい脳症状を訴える5才の少女が新日本窒素肥料(株)(注:現JNC(株))水俣工場附属病院を受診し、同月23日に入院しました。同年5月1日同工場附属病院長が水俣保健所に脳症状を呈する患者の発生を報告し、この日が「水俣病公式確認の日」とされました。少女の2才の妹も水俣病と認定されています。

主な症状

水俣病は、中枢神経を中心に。神経系が障がいを受ける『中毒性疾患』です。

主要な症候(※)は、四肢末端の感覚障がい、小脳性運動失調、両側性求心性視野狭窄、中枢性眼球運動障がい、中枢性聴力障がい、中枢性の平衡機能障がい等です。また、母親が妊娠中にメチル水銀の曝露を受けたことにより、脳性小児マヒに似た症状をもって生まれる胎児性の水俣病もあります。

四肢末端の感覚障がい

1.両手両足の先にいく程、触れていることや痛みなどを認識する感覚が弱くなる。

2.小脳性運動失調歩行は不安定、動揺性で、ふらふらする。

3.両側性求心性視野狭窄物の見える範囲が狭くなる。

4.中枢性眼球運動障がい眼球が円滑に動かない。

5.中枢性聴力障がい耳が聞こえにくい。

6.中枢性の平衡機能障がい体の平衡が保ちにくくなる

参考:水俣病の発生・症候

水俣病の原因~メチル水銀~

水俣病の原因は一体何なのでしょうか?

私が学校で教わったのは、海沿いの工場から化学物質が海に流れて、それが蓄積した魚介類を人間が食べたことによって、神経系の病気になってしまったということです。

詳しい原因とは

その原因は、ビニール製造に必要な原料(アセトアルデヒド)をつくるときに発生したメチル水銀によるものでした。メチル水銀は工場廃水に混じって海に流れ、魚や貝によって人のカラダにとりこまれました。この魚や貝を食べた人たちに水俣病の症状が出たのです。この汚染はチッソという会社によって引きおこされました。水俣病の原因がわかったのが1968年。チッソがアセトアルデヒドを作り始めて36年後のことでした

参考:水俣病とは | 環境 | 学習 – Yahoo!きっず

終わらない水俣病

1968年5月厚生労働省は水俣病を『公害病』であると認定。

それから50年余りすぎた今でも、水俣病は終わってはいません。

2015年時点で、新たに水俣病と認定された患者が428人います。中には、水俣から離れた天草地区から鹿児島の方もいらっしゃいます。他人事だと思っていたと水俣病の症状がでた患者さんはおっしゃっています。

映画『MINAMATA』に込められた思い

9月23日から全国公開された映画『MINAMATA』の監督レヴィタス氏は、映画についてこのように語っています。

「患者の方々は皆さん、ほぼ同じことをおっしゃいました。『この映画をつくるのであれば、自分たちと同じような経験を、世界中の他の人々がしないためにも、私たちのストーリーを語ってください』と。なんてタフな言葉なんだろうと思いました。他の人の助けになるために、自分たちの物語を使ってくださいと、そう言われたんです。ものすごく利他的で、本当にすごいことだと思いませんか」

参考:水俣病患者との出会いで「人間の魂の証拠」を感じた。映画『MINAMATA』に監督が託した思い

最後に

私たちのように、実際にその時代を生きていなくても、この映画を見ることで、あの時代に何があったのか。

誰が、どんな思いでいたのかが分かるかもしれません。

水俣病慰霊碑
※水俣病慰霊碑

参考サイト

水俣病の発生・症候

水俣病を象徴する「あの写真」を撮った写真家の物語『MINAMATA─ミナマタ─』

水俣病 – Wikipedia

水俣病とは(症状・原因・治療など)|ドクターズ・ファイル

元気スペシャル 水俣病は終わっていない 新たに428人に症状認められる 水俣病大検診 フォトジャーナリスト・野田雅也 – 全日本民医連

水俣病患者との出会いで「人間の魂の証拠」を感じた。映画『MINAMATA』に監督が託した思い

 

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1 個のコメント

  • コメントありがとうございます。
    こちらの調査不足でした。ご指摘ありがとうございます。訂正させていただきます。今後とも、AKARIの記事をよろしくお願いいたします。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    TANOSHIKAライター。うつ病、AC(アダルトチルドレン)、機能不全家族育ち。現代詩を勉強中です。セクシャルマイノリティ当事者。読みやすい、わかりやすいをモットーに様々な記事を書いていきます。