発達心理学から見る青年期(13~22歳頃)の発達の仕方や支援の方法

悩む女子学生

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前回はエリクソン・ハヴィガーストの発達段階の児童期・学童期(6~13歳)について書いていきました。

エリクソン・ハヴィガーストのライフサイクル論やその違いとは

前前回の冒頭やその中でご説明しています。

今回はその「青年期」という部分に着目して書いていけたらいいなと思います。

発達心理学から学ぶ青年期の支援方法

画像引用:【キャリコン】 ハヴィガーストの発達段階【6つの成長段階を解説】

ハヴィガーストの発達段階では10個の発達課題が提唱されています。

学年から言えば、大体中学校に入学したあたりから高校や大学を卒業する頃の期間になります。

青年期は人間の心身にとって大きな変化をもたらす時期です。

身長や体重が急激に増加する「青年期スパート」が起こります。「第二次性徴」とともに成長・変化していきますが、心の面でも自分自身に目をむけ親離れを起こすようになります。

参考:【ベネッセ】心と体の発育 第二次性徴は大人への第一歩

この時期の子供は、表面上は自発的な爆発が見られ、矛先が親や教師になりこれが親や教師などの挑発行為になります。

情緒面で不安定が目立ち始める時期なので、周囲の大人は挑発に乗らず冷静に子供と対話するよう心がけましょう。情緒は周囲からサポートすることは難しく、時には忍耐や我慢を強いられることもあるでしょう。

またアルバイトを始めたり、青年期後半からは社会への参加が始まります。これが自分自身の力で稼げることでの自信につながったりします。また職業の選択や準備など自分自身の道を決める機会が多くなり、その間の悩みや問題「モラトリアム」が出てきます。

参考:【マイナビジョブ20’s】モラトリアムの意味とは?脱却を検討中の方へおすすめの第一歩

画像引用:【看護roo】エリクソンのライフサイクル漸成的発達理論

エリクソンのライフサイクル理論では、「自我同一性(アイデンティティ)」が心理的課題となり、それに対する心理的危機が「役割の混乱」となります。

青年期では、抽象的、論理的思考や感情を支配する脳の領域が発達するため、より思考が複雑になり自己認識が強くなります。

様々の多くの場面で「自分とは何者なのか」「自分は心から何になりたいのか」と悩み考え込むことが増えるる時期です。この状態で悩み迷うことが「役割の拡散」という危機になります。

そしてその乗り越えるべき課題こそが「自我同一性(アイデンティティ)」という課題になるのです。

参考:【ヒューライツ大阪】アイデンティティとは

身体的な変化とともに「女性はこうする必要がある」「男性はこうした方がいい」といった成人の役割に馴染む必要が出てくるため、性同一性の問題や自身がその求められる役割と対照的だった場合、問題や悩みが浮き彫りになってきます。

この場合親や養育者の助言や親の受け入れる姿勢によって、当事者の情緒につながります。いじめや脅迫の被害者にもなりかねますし、親だけでなく教師や友人の支えが最も重要になります。

この「自我同一性(アイデンティティ)」は生涯を通じて何度も遭遇したりするので人生の中で最も重要なポイントとも言えます。

またこの時期はチャム・グループという仲間、仲良しな友達グループがよく見られ、特に女子の間で形成されます。発達障害持ちや「女性らしい」ことが苦手な女子はここで苦難を強いられるでしょう。「カモフラージュ」という発達特性や本当の自分を隠すことによって自らの立場を保ったり、グループ内での「自分というキャラクター」を保とうとします。自ら本心を隠すため周囲からは見えづらく、発達障害の診断が遅れる場合もあります。

参考:【サイエンス.com】チャム・グループとは? 

【「こころ」のための専門メディア】カモフラージュとは 気づかれにくい女性の発達障害

これは私の体験談でもあるのですが、環境や心身が変わる中、親子共に学校で過ごされる場面で少しでも「おかしいな」と感じたり違和感を覚えたのなら学校のカウンセラーや教師に相談することを勧めます。カモフラージュや相談しに行ってない影響で「発達障害」の近年の診断数の増加とともに数年後、数十年後に「発達障害」と診断されるケースも近年増えていると思われ、日本では10人に1人、という多くの割合で発達障害が診断されている結果もあり、「自分の子供だから大丈夫」と安心するのではなく、少しでも疑問を感じれば早めの相談をすることが肝心ではないのかと思います。

参考:【障害者.com】日本では10人に1人が発達障害の可能性?〜なぜ急増しているのか

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