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こんにちは、翼祈(たすき)です。
私は2023年から多くのパーキンソン病の記事を書いて来ました。
この記事はその中で、1番最初に取り上げた、パーキンソン病の続報の記事となります。
詳細は下記をご覧下さい。↓
パーキンソン病などの患者の脳に蓄積する異常なたんぱく質「αシヌクレイン」を、生きている患者の脳内で世界初となる撮影に成功したと、量子科学技術研究開発機構(QST)などの研究チームが明らかにしました。
アルツハイマー病の様に、病気の診断や原因物質、進行の度合いを標的とした治療法の開発に結び付く研究成果だと期待が持たれています。
研究成果は2024年6月6日、アメリカの科学誌[ニューロン]にて発表されました。
今回はパーキンソン病患者の脳内に蓄積される、「αシヌクレイン」の撮影に成功した研究成果について、お知らせします。
世界で初めてとなる、パーキンソン病に関わるたんぱく質「αシヌクレイン」の撮影成功の凄さ
パーキンソン病や、「レビー小体型」と言われている認知症の患者さんの脳には「αシヌクレイン」という異常なたんぱく質が蓄積することが理解されていますが、生きている患者の脳内で凝集した、たんぱく質「αシヌクレイン」を測定する技術がなかったことで、患者さんが亡くなった後に脳組織を解析する必要がありました。
現在の主流の診断基準は、医師は症状や所見などを踏まえて、パーキンソン病だと患者さんに伝えています。パーキンソン病患者の脳内に蓄積するたんぱく質「αシヌクレイン」は比較的少なく、それ以外のたんぱく質と構造が似ているなどの理由もあることで、画像診断装置で測定するのが困難でした。
量子科学技術研究開発機構(QST)の遠藤浩信主任研究員などの研究チームはこの凝集した異常なたんぱく質「αシヌクレイン」に強く結合し、微弱な放射線を出す特殊な薬剤を開発し、パーキンソン病と「レビー小体型認知症」の患者さん10人にこの薬剤を投与して、この薬剤を使用して陽電子放射断層撮影装置(PET)検査で、異常なたんぱく質「αシヌクレイン」を画像化できる様に行いました。
患者さんの脳内を生きたまま異常なたんぱく質「αシヌクレイン」を測定できる技術の開発は世界初といいます。
すると、脳の一部「中脳」の、黒質と呼ばれる部分にたんぱく質「αシヌクレイン」が蓄積している状態が画像として確認できました。
また、運動障害の症状の重症度が高い患者ほど、異常なたんぱく質「αシヌクレイン」が蓄積している量が多いことも判明しました。
参考:パーキンソン病 異常なたんぱく質 患者の脳内で撮影成功と発表 NHK NEWS WEB(2024年)
研究チームは、たんぱく質「αシヌクレイン」が同様に関わっている「レビー小体型認知症」のメカニズムの解明にも役立てられると想定しています。
量子科学技術研究開発機構(QST)の遠藤主任研究員は、「この技術を使用すると、たんぱく質『αシヌクレイン』が脳に蓄積している人を発見し、パーキンソン病の治療の効果を確認したり、治験を行ったりできる様になります。
病気のメカニズムの解明にも結び付く研究です。治験に参加する適切な患者さんの選定ができる以外にも、新しい治療薬候補の効果の検証に役立てられます」と説明しました。
また1つ謎が解けました。
2023年に初めてパーキンソン病の記事を書いた時には、初めてだったこともあって、書くのが難しくて、「αシヌクレイン」?という感じだったのですが、その後何本かパーキンソン病の記事を書いていくと、発症の原因物質であることで、「αシヌクレイン」という言葉は、どの記事にも出てきました。
パーキンソン病は、日本は人口10万人当たり100〜180人が発症していると推定され、現在も根本的な治療法の開発には至っていません。
陽電子放射断層撮影装置(PET)検査も、医療系の記事を書くと、時々登場する最新の検査だと言えます。
「αシヌクレイン」を撮影できたことで、どんな薬が効くのか、はっきりと分かる日が、そう遠くないかもしれないー。そんな希望と期待に満ちた素晴らしい研究成果でした。
実はnoteにも1つパーキンソン病の記事を書いています。
巻末の関連記事としてリンクを貼っておきますので、読んで下さると嬉しいです。
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noteでも書いています。よければ読んでください。
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