心不全の症状や原因。遺伝子、AI遠隔医療、『低温サウナ治療』の治療法について。 

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

心不全とは、心臓の機能が低下することで、心臓から血液を全身に十分に輸送できない状態に陥ることです。

心不全は症状が急激に悪化した場合や突然発症した場合を“急性心不全”、心臓の機能が低下した状態が持続し、状態や症状が安定している場合を“慢性心不全”といいます。心不全を発症すると命を失う危険性が高く、急性心不全で入院した人のおよそ6%が入院中に亡くなり、およそ22%が1年以内に亡くなります。また、およそ16%の人が心不全で再入院するとされています。これは治療が困難ながんに匹敵します。

心不全は、狭心症や心筋梗塞などの心臓の病気や、塩分の摂り過ぎや動脈硬化など高血圧、拍動のリズムが異常な動きになる不整脈、心臓の部屋を分けている逆流防止弁に障害が起こる弁膜症、先天的心疾患、心臓の筋肉に異常が発生する心筋症など、色々な原因で引き起こされます。

心不全は心臓のポンプ機能低下で引き起こされるものです。症状としては、急な激しい呼吸困難として出て来ることが多いです。そのため、身体が横になれない・血液を送り出せず、疲れやすい・手足が冷たくなる等の初期症状が出ます。手足が冷たいことで、夏の季節でも暖房をつけるほどの患者さんもいます。そこから症状が進行すると、呼吸困難・息切れといった症状が現れます。

日本人の亡くなる原因で、心疾患による死亡はがんの次に多く、その中でも心不全が最多です。

今回は心不全の治療法、①遺伝子、②AIでの遠隔医療、③『低温サウナ治療』について迫ります。

心不全の治療法①遺伝子の発見

筑波大学などの研究グループは心臓の働きが悪くなったマウスで特定の遺伝子を発現させる臨床実験を実施したところ、心臓の筋肉が回復し働きが回復したと明らかにしました。

慢性心不全となっているマウスの心臓の細胞で、心臓を形成するのに必要な4つの遺伝子が働く様にした結果、薬剤を使用して線維芽細胞だけで発現させると、線維芽細胞から心筋細胞が再生され血管の詰まった部分の「梗塞巣」が半分に縮小し、2ヵ月後には心臓のポンプの機能が回復していることが確認できました。

慢性心不全は、一般的な治療は心臓移植しかありませんが、心臓のドナー不足などが大きな課題です。心機能を回復させることに成功し、有効な治療法が確立していない「慢性心不全」を回復させる再生医療の開発に結び付く可能性があるを秘めているといいます。

この臨床試験を実施したのは、筑波大学の家田真樹教授と慶應大学の福田恵一教授などで構成された研究グループです。研究データは、2022年12月12日付の米医学専門誌[サーキュレーション]に掲載されました。

筑波大学などの研究グループはまた、心臓のポンプの機能が回復していること以外にも、心筋細胞が壊死した範囲は約半分になっていたとしています。筑波大学の家田教授は「心臓のポンプの機能がなくなる『心臓の線維化』は、元の状態に戻らないと想定されているので、新しい治療法を開拓する可能性を秘めています。心不全の患者さんが急増する中で、マウスを使用した臨床実験ではありますが、新しい治療法を開発できたことは大きな前進です」と説明しています。

参考:マウス実験で心臓機能が回復 慢性心不全の改善につながるか 茨城 NEWS WEB(2022年)

心不全の治療法②AIでの遠隔医療

高齢化で増加している心不全について、徳島大学(徳島市)や国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)などがAI(人工知能)を使った遠隔医療システムを開発する。心不全は症状急変などリスクが高く、新システムでは地方の専門医不在に対応しつつ医師の負担軽減を目指す。2026年度中に完成させる計画だ。

引用:増える心不全の遠隔医療に、徳島大のAI活用へ 専門医不足にも対応 毎日新聞(2022年)

心不全の治療法③『低温サウナ治療』

日本で昔から導入されているサウナ。身体を温めることで、疲労回復や怪我が期待できるツールとして愛されています。実は現在、体を温める「温活」の健康への相乗効果が科学的に証明されてきました。世界から注目が注がれている慢性心不全を改善させる『低温サウナ治療』を紹介します。

2021年10月、栃木県にある獨協医科大学病院に慢性心不全で緊急入院した男性Aさん。初めは、慢性心不全が徐々に悪化し、呼吸も満足に取れない容体でした。そんな男性Aさんが励んだのが、「和温(わおん)療法」と言われる『低温サウナ治療』でした。2週間、60度に設定された個室サウナにほぼ毎日通い、「温活」の治療を実施すると、溜まっていた肺の水が減りました。心不全の重症度を表す数値などが、大幅に改善されました。

それから、男性Aさんは、退院できるまでに回復しました。獨協医科大学 心臓・血管内科教授の男性Bさんによりますと、「『低温サウナ治療』は、慢性心不全の患者さんにとって身体的な負担が軽く、とても有益な治療ツール」だとします。2020年に『低温サウナ治療』は保険適用され、大学病院をメーンに導入が浸透しています。

どうして、低温のサウナに入るだけで心不全の症状が回復するのでしょうか?『低温サウナ治療』の創始者である循環器専門医・鄭忠和さんによりますと、「低温のサウナでソフトに体を温めることで身体中の毛細血管を拡張し、血流が改善できること」が大きなポイントだとします。血管を拡張させることで、心不全の患者さんの機能が低下した心臓でも、身体中に円滑に血液を行き渡らせることが可能で、心不全で起こる色んな症状も改善されます。

実は、健康な人だと、入浴で『低温サウナ治療』と同じ様な効果を獲得することが可能です。ですが、心不全の患者さんは、水圧によって心臓に負荷がかかることにより、入浴することができません。そんな状況を30年前に目撃していた鄭さんは、長い年月を要して試行錯誤しながら、心不全の患者さんでも心臓の負荷が少なく身体中の血流を改善可能な『低温サウナ治療』の開発に成功しました。

参考:心不全を改善!低温サウナ治療とは? 健康ch(2022年)

私の親族の話

私の親族は入院する前に色んな病院で他に悪いところがないかチェックする為に検査したのですが、内科に行った時にレントゲンで、「心臓の弁が1枚足りない」と言われたそうです。

通常1枚弁が足りないというと、具合が悪くなり検査すると実は、というパターンが多いそうですが、親族の場合は今まで心臓での体調不良はなく、診断を受けるまで全く想像もしていなかったそうです。

それ以来親族は、「心臓の弁が1枚足りないなら、きっと心不全で死ぬんだろうな」と悲観する様になりました。

それまでパワフルな生き方をしていた親族、先天的なことで心臓の弁が1枚足りませんが、悲観せずに逞しく生きていって欲しいです。

noteでも書いています。よければ読んでください。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎、右手人差し指に汗疱、軽く両膝の軟骨すり減り、軽度に近いすべり症、坐骨神経痛などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。