この記事は約 8 分で読むことができます。
こんにちは、翼祈(たすき)です。
突発性発疹とは、突然高熱が出て、熱が落ち着く前後の発疹が現れることが大きな特徴で、特に治療しなくても完治するウイルス性の感染症の1つです。
お子さん全てが同様の経過に至ることはありませんが、38°C以上の発熱が3〜4日間ほど続いた後で、解熱する直前または熱が下がり始めてから、小さくてピンクの発疹が身体を中心に顔や背中、お腹、手足に2〜3日間現われます。この発疹はかゆみや痛みは伴いません。
突発性発疹に感染するのは、その60〜80%で20〜40%の人は不顕性感染(ふけんせいかんせん)という、その突発性発疹のウイルスに感染しても症状が出ないまま終わってしまうケースが20〜40%あると報告されています。
生後4ヵ月~2歳くらいのお子さんに多い感染症で、大半の人が突発性発疹を経験するとされています。赤ちゃんの突発性発疹は90%の発症率ともされています。突発性発疹はこのヒトヘルペスウイルス6か7の片方の感染で、お子さんが初めて感染する病気としても有名です。
この感染症は季節に関係なくどの時期でも感染する恐れがあります。一度突発性発疹に感染したら二度と、突発性発疹に感染することはありません。ですが原因となるウイルスの型が2つあることから、たまに2回感染するお子さんがいます。
また、ヘルペス系ウイルスは一度感染すると、身体内に潜伏し続ける特性がありますが、潜伏していても感染者のその後に変化は見受けられません。
今回は、突発性発疹の症状・原因・合併症などについて発信していきます。
▽症状
発熱、小さくてピンクの発疹以外には、下痢、まぶたの腫れ、便が少しゆるい、大泉門(※赤ちゃんは頭の骨が完全にくっついていないパーツがあることで、その1つを大泉門と呼ばれています)が腫れ、最初大泉門は髄膜炎を疑われる場合があります。
また、ぐったりしている、リンパ節が腫れる、食欲低下などの症状が現れることもありますが、症状のほとんどは発熱と小さくてピンクの発疹のみで経過を辿ります。
咳や鼻水は少なく、発熱のわりには比較的機嫌が良い場合が多いです。また、熱が落ち着いた後に小さくてピンクの発疹が現れると、不機嫌になることから別名「不機嫌病」とも言われています。
▽原因、かかりやすい年齢
ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)……1回目
ヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)……2回目
1回目:2歳以下※ピークの年齢は生後6ヵ月1歳。生後6ヵ月では、お母さんからの「移行抗体」があることで、ほとんど発症する場合は無いです。
2回目:2歳~4歳
それ以外にもエンテロウイルス、パラインフルエンザウイルス1型、アデノウイルスが突発性発疹に感染する原因です。
▽合併症
発熱した初期におよそ10%に熱性けいれんが合併する場合があります。一般的には、熱性けいれんを引き起こしても解熱すれば症状は改善し、神経障害などの後遺症が残ることもありません。重篤な経過をたどる場合はありませんが、ごく稀に脳炎・脳症、片麻痺、劇症肝炎、血小板減少性紫斑病など命に関わる重篤な合併症を発症するケースもあります。
▽感染経路
突発性発疹のほとんどは、親御さんの唾液から食器の共用や顔などへの接触や飛沫で感染します。3歳以上のお子さんのほとんどは突発性発疹の原因のウイルスのヒトヘルペスウイルス6と7に感染していて、それが身体内に潜んでいます。そして唾液から少量の原因のウイルスをずっと排出しています。
生後から6ヵ月位までは、お母さんからの、お母さんの免疫を司る「移行抗体」があることから、唾液に含まれる少量の原因となるウイルスが赤ちゃんの身体内に入っても、「移行抗体」が突発性発疹の原因となるウイルスを退治して発症することはほとんどないです。
ですが、その「移行抗体」は生後6ヵ月を過ぎると赤ちゃんの身体内から無くなってしまいます。「移行抗体」が消えた後に、身体内に原因となるヒトヘルペスウイルス6と7が入ってきて、10日程度の潜伏期間を経て、突発性発疹に感染します。
そして、突発性発疹の原因となるウイルスが付着したタオル、ドアノブ、食器、手すりなどを触ると、突発性発疹の原因となるウイルスの付いた食品からの接触感染でも感染する時もあります。
2回目の突発性発疹では典型的症状が出ない場合も多いことから、突発性発疹だと知らない人も多くいます。
▽診断基準
突発性発疹には、有効となる迅速検査はないです。
突発性発疹の診断基準は、鼻水や咳という風邪の症状がほとんどなく、熱だけが現われているという場合と月齢、年齢という特徴を考え総合的に判断を下します。小さくてピンクの発疹の出現から最終的に突発性発疹の診断をします。
口の中の所見では、喉の奥の両側にブチブチが見受けられる、永山斑(ながやまはん)と呼ばれている粘膜疹を発見することで、小さくてピンクの発疹が現れる前の発熱で予測可能なケースもありますが、発熱の後に発疹が現れる場合もあって診断することもあります。永山斑は、小さくてピンクの発疹が現れている前の感染者の72%に現われるとされています。発熱の症状だけでは診断を突発性発疹と確定することは極めて困難です。
また、病気の経過観察してから突発性発疹を診断することになります。
▽治療法
突発性発疹は自然に完治する感染症なので、特別な治療や処置を行うことは必要ではありません。
高熱が出ていて元気がなかったり下痢をしている時は、対症療法で解熱剤や下痢止めなどの内服薬を医師が処方することはありますが、基本的には重症化することはほとんどない感染症なので、高い熱を出ている時でも、熱性けいれんを引き起こしていないかどうかを注意して経過観察をしていて大丈夫なケースがほとんどです。
もし、免疫抑制状態(AIDS、移植患者など)を抱えていれば、抗ウイルス薬の使用を医師が検討するケースもあります。
▽予防策
ミルク・離乳食は普段通りに食べさせても大丈夫です。離乳食はおかゆ、みそ汁の上ずみ、うどん、野菜スープなどの消化の良い物を食べさせて下さい。
高い熱が出て不機嫌だったり食欲がない場合もあるため、脱水症状を引き起こさない様にしっかりと水分補給を行うことが大事になります。
母乳・ミルクの飲みが悪い時は、お茶、イオン水、果汁などでも大丈夫です。
水分補給をする時には、少量ずつ回数を分けてこまめに飲ませることが重要です。 水分補給ができているか、おしっこの濃くなっていないかなどの色や回数に変化はないかも注視して下さい。
高熱・下痢をしている・元気がないなどの場合や、長時間の入浴は避けて下さい。熱が下がって小さくてピンクの発疹が出た時は、入浴して大丈夫です。
衣服は、厚着を避けて下さい。
▽登園・登校の目安
突発性発疹は、インフルエンザなどとは異なり、法律上出席停止となる感染症として定義されていません。
突発性発疹では、小さくてピンクの発疹が出現した頃には周囲への感染性はありません。
小さくてピンクの発疹はかゆみや痛みを伴うことがほとんどなく、自然に消えます。熱が下がっていて、食欲・元気が戻ってくれば登園・登校も可能です。
参考サイト
突発性発疹(とっぱつせいほっしん)とは?原因・症状・治療方法について解説|【医師監修】 新宿ホームクリニック
突発性発疹(とっぱつせいほっしん)-解説 東京都こども医療ガイド
再診の目安は?
・全身状態が良くないとき
・けいれんしたり、ぐったりしているとき
・尿の色が濃くなったり量が減っているとき
・哺乳する状態が悪いとき
・呼吸が息苦しそうなとき
・呼びかけても反応があまりないなど、意識状態が悪く、異常にぼんやりしているとき
・ぐずって泣き止まないとき
・首が硬直して曲げづらいとき
・耳を酷く痛がるとき
などだそうです。子供の時に最初にかかる感染症らしいので、私も多分かかったかもしれませんね。引き続き、感染症には気を付けていかないといけないですね。
noteでも書いています。よければ読んでください。
コメントを残す