ペアレント・メンター。発達障害を抱える子どもを育てた保護者で構成された、地域密着の専門職。 

ペアレント・メンター 発達障害

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

ペアレント・メンターとは、親御さん自身も発達障害を抱えるお子さんの子育てを経て、かつ相談支援に関連した専門のトレーニングを受講した親御さんを表す言葉です。その中でメンターは、同じく発達障害を抱えるお子さんのいる親御さんへ、共感的な支援を担い、地域資源に根付いた情報を提供します。高い共感性に定められたメンターからの支援の仕方は、専門家からの支援とは異なる効果があることが認められ、厚生労働省も効果のある家族支援の取り組みだと推奨します。

ペアレント・メンターにおいては、地域で行われている養成研修に修了し活動をスタートします。また、地域社会で円滑にメンター活動が出来る為にペアレントメンター・コーディネーターが間に入ります。

今回はペアレント・メンターについて、様々な角度から考えていきたいと思います。

なり方

最初に、発達障害を抱えるお子さんを育てた経験がある親御さんであることが、条件となると思います。

ペアレント・メンターを目指すために資格は特に必要ありません。専門家の資格を持っていなくても養成研修を受講することが可能です。メンター活動の一環としては、「専門家ではない」という親御さんのサポート活動であることに高い効果があります。

ですが、専門家ではない親御さんが他の親御さんのサポートをするためには、相談者の人権を重んじ、個人情報などの守る義務を保持したりといった倫理が定義されています。またサポートに関する知識や技を向上させることも必要です。その上で、養成研修が実施され、その研修を修了した方のみが日本全国でメンターとして名乗れ、励んでいます。

画像引用・参照:日本ペアレント・メンター研究会

講習

画像・引用:日本ペアレント・メンター研究会

サポート活動

複数のメンターで構成されたグループ形式でのサポート活動がメーンです。集まった人数でも進行の仕方が色々ありますが、5~10名の方のメンターによるサポートを希望する親御さんが参加して、全員で子育てをする上での悩みごとを共有します。

発達障害者支援センターの支援者などの専門家とメンターが一緒にサポートをする地域もありますし、カフェスタイルやお茶会など心落ち着ける雰囲気でサポートをする地域もあります。地域差で、もっと数を限定的にしたり個別でサポートする居場所もあります。個人情報やサポート内容の守秘には最大限の配慮をします。

支部の地方では、電話でのサポート活動もしています。現在まだ、独自の電話回線を持っているエリアは限られており、電話サポートをしていない地域が沢山あるのが現状となっています。

参照:日本ペアレント・メンター研究会

啓発活動

画像・引用:日本ペアレント・メンター研究会

やりがい、メリット

メンターとは「信頼し合える仲間」という意味を表します。発達障害を抱えるお子さんの成長を見守った親御さんが、その育児経験を活用して、同じ親御さんの立場に立ち、子育てで共通の悩みを持つ親御さんなどへグループでのサポートやお子さんの発達障害の特性などを聞き取ってサポートブックの作成、情報提供などをします。

メンターの取り組みは、ボランティアのケースもあることで、安定的な収入が入る仕事ではないのです。日常の暮らしや子育てと両立させ、活動を継続するのは大変だと思いますが、その中で沢山の人が養成研修を受講し、メンターとしてサポートをします。

そのパワーの源として、自らの経験上、今、同じ想いを抱えている親御さんをサポートしたいという気持ちや、これまで支えてくれた沢山の人への恩返しを挙げる人もいらっしゃいます。

また、メンターとして活動することで、沢山のメンター仲間を作れ、困っている親御さんの悩みを支えることで今までの自分の感情やお子さんとの関係を客観的に構築し直すことが可能となります。そうしたことをメリットだと言うメンターもいます。

その上で、メンターに相談した親御さんがサポート活動や啓発活動を介して、メンターに「参加して本当に良かった」と言われたりすることも大きな励みとなります。

参照:日本ペアレント・メンター研究会

全国的な傾向では、ペアレント・メンターのサポートは発達障害を抱えるお子さんを持つ親御さんへのサポートがメーンですが、ここ数年、メンターのサポートは発達障害以外の障害にも浸透しつつあります。実際に、少数の地域では、発達障害を持っていないお子さんの親御さんもメンターとしてサポートしています。

そして、発達障害以外の障害を抱えるお子さんを持つ親御さんがサポートを求めても、メンターが出来る範囲でサポートに対応する地域もあります。

ペアレント・メンターの支援

ペアレントプログラム

発達障害を抱える自分のお子さんやメンター自身について「行動」で理解することで、サポートを必要とする親御さんの認知的な枠組みを修正へと導くことを目的にした難しくない仕組みです。「行動して理解する」「(怒って対応せず、当てはまる行動が出来たことを)伸ばしてサポートする」「子育てで孤立している親御さんが仲間を作る」という大きく3つの目標に掲げてサポートします。

「障害」という言葉で片付けず、子育てサポートにも活かせます。

ペアレントトレーニング

発達障害を抱えるお子さんを持つ親御さんや養育している人向けに、行動理論を基本とし環境を整えることやお子さんへの肯定的な提案をロールプレイやホームワークを介して学習し、親御さんや養育している人の接し方や心理的なストレスの緩和、お子さんに見合った行動を促し、合わない行動の改善を目標とする家族サポートの働きかけの手段です。

お住まいの地域によっては、発達障害児向けの支援機関などで行われることも多いといいます。

参照:発達障害者支援施策の概要 厚生労働省

それだけ理解と支援が手厚くなった証

私が初めて「あなたは発達障害です」と診断を受けたのは二十歳。あの頃は、「発達障害って何?」という時代で、支援はおろか、その言葉すらまだ知らない方が当たり前な時代でした。

私はそういう別の地域までも行かなかったのですが、2000年代に発達障害と診断を受けた人は、自分の県に支援機関がないならば、他県に行く、そうでもしないと支援が受けられないそんな時代でした。あの当時は多くの人が「発達障害について、何か有力な情報はないか?専門家はいないか?」と、当事者は皆で情報交換して、手探りでした。

私も母も発達障害を知らず、診断を受けたばかりの頃は、私を連れて何度も支援機関や専門病院などを探して、よく「少しでも娘が良くなります様に」と探し回っていました。

そんな現代は検索すれば具体的な症例が出て、こういうサポートを周りがして下さいねとか、テレビで発達障害で特集コーナーとして成立する位、色んな情報や支援機関、専門家が溢れる時代になりました。今を生きやすい面ではありがたいですが、私が診断を受けた時には、まさかこんなに発達障害が世の中に浸透をするなんて想像も付かなかったです。

ペアレント・メンターについて知らないと思ったら、まだまだ全国的には数が少なく、福岡には支部もないみたいです。なので実際にペアレント・メンターをされている方にはお会いしたことがないのですが、発達障害当事者としてはどんな活動されているのだろうかー、と直接お話を聞きたいなと思いました。

noteでも書いています。よければ読んでください。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。