書字障害と算数障害。〜発達障害の学習障害の中に分類される2つの障害〜 

書字障害 算数障害

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

発達障害にはASDとADHDとLDがあって、LDとは学習障害のことを指します。その学習障害にはさらに、発達性ディスレクシア(読字障害)、「発達性ディスグラフィア(書字障害)」、「発達性ディスカリキュリア(算数障害)」の3つに分けられるのをご存知ですか?

私もLDを持っていて、数学が学生の時に壊滅的だったので、LDの中では算数障害だったかと思います。

今回は以前取り上げた発達性ディスレクシア(読字障害)とは別に、「発達性ディスグラフィア(書字障害)」、「発達性ディスカリキュリア(算数障害)」の2つの学習障害について取り上げたいと思います。

「発達性ディスグラフィア(書字障害)」とは?

「文字が上手く書けない」「黒板に書いてある文字をそのまま写せない」などの書くことができない学習障害を書字障害といいます。文字は読めるけど、書けないケースでも書字障害に当てはまります。

知能面での遅れを持っておらず、視覚や聴覚にも障害を抱えていないのに、書字能力を得ることに困難がある状態です。つまり、話したり行動することは可能で、文字を読むことも可能なのに、文字が書けなかったり、苦手だったりします。

書字障害の人は、自分では文字を正確にそのまま書いていても鏡文字になってしまうといった、文字を書く行動が不得意です。原因は、脳内で身体に指示を出し手を動かすという伝達機能が上手く作動していないからだという説が1番有力だとされます。そのことで、文字が上手く書けなかったり、文字を書くことが遅くなってしまいます。

▽書字障害の特徴

  • バランスのとれた文字を書くことが難しい
  • 書く文字が判読できない
  • 文字の書分けが難しい
  • 書き文字の形や大きさがバラバラになったり、マスや行から大きくはみ出してしまう
  • 鏡文字や雰囲気で「勝手文字」を書く
  • 促音(「がっこう」の「っ」)や拗音(「とんでもない」の「ん」)、二重母音(「おかあさん」の「かあ」)を書き表すことができない
  • 文字を書く際に余分に線や点を書いてしまう
  • 誤字脱字や書き順の間違いが多い
  • 「わ」と「は」、「お」と「を」のように耳で聞くと同じ音(オン)の表記に誤りが多い
  • 話し言葉を書き言葉で表すことが難しい
  • 年相応の漢字を書くことができない
  • 黒板やプリントの字が書き写せない、時間がかかる
  • 間違った助詞を使ってしまう
  • 「め」と「ぬ」、「わ」と「ね」、「人」と「入」、「雷」と「雪」のように形態的に似ている文字の誤りが多い
  • 文法などがうまく使えない
  • 漢字が苦手で、覚えられない。漢字の意味が理解しづらい、画数の多い漢字に誤りが多い
  • 句読点などを忘れる
  • 考えた内容を書いて表現することが難しい              など

参考:「書くのが苦手」はディスグラフィア(書字障害)かも?症状、原因、困りごと、対処法まとめ【専門家監修】 LITALICO 発達ナビ(2016年)

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漢字が書けない…実は「書字障害」だった 大人になってわかった正体 withnews(2022年)

「発達性ディスカリキュリア(算数障害)」とは?

数字や数式の使い方や、考えて答えを導き出す推論ができない学習障害を算数障害と呼びます。知的発達に問題はなく、数字に関連する能力にのみ障害を抱えている人が多く、算数の学習が始まる小学校で発見されるケースがほとんどです。

算数障害の発症率は5~7%とされ、この数値は読字障害、書字障害と同程度の割合です。40人のクラスだと2~3人程度は算数障害だとされ、症状の現れ方には個人差があります。

「1」「2」「3」などの基本的な数字や、(+、-、×、÷)などの計算式で使う記号や規則性などを理解することに難しさを抱えています。算数障害の人は数字そのものの概念がなく、規則性や推論が必要となる図形の領域を理解することができません。また、視覚認知の機能が上手く働かず、数字を揃えながら書く、バランスを取りながら考える、文字間の距離感を空けることなどが不得意です。そのため、筆算を書く際に桁がずれるケースも多いといいます。

つまり、簡単な計算でもできないと感じてしまい、数の大小の認知もできないケースもあります。また学年が上がるにつれて繰り上がり計算や繰り下がり計算など算数の中身も難しくなるので、学年が上がるにつれて算数の理解度がさらに低下してしまいます。

▽算数障害の特徴

  • 簡単な計算問題が解けない
  • 簡単な数字や記号が理解できていない(例:『さん』と聴覚的にきいて、数字の【3】を連想できていない)
  • 九九が覚えられない
  • 高学年になっても計算が遅い
  • 文章問題で何を問われているのか分からない
  • 簡単な足し算・引き算の暗算が苦手
  • 暗算はできるのに筆算ができない
  • 繰り上げ、繰り下げができない
  • 自分で計算式を立てられない
  • いつまでも指を折って数をかぞえている
  • 数の大小や順番がよく分からない
  • 図形やグラフが苦手、理解できない
  • 時計が読めない                         など

参考:算数障害とは?算数が苦手な原因かもしれません 個別指導 WAM(2022年)

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私は診断を受けていませんが、

典型的な算数障害だと思います。私は計算ができません。よく桁を間違えて計算することも多いです。

私は中学1年の時の最初の数学のテストで、99.5点と後僅かで100点とはなりませんでした。ここがピークで、成績は下がる一方でした。本当に図形やグラフ、文章問題は全く理解できませんでした。

高校生になるとさらに数学は難しくなります。それで確か高校では高1の1割位しか数学は理解していなかったと思います。学年が上がるにつれて、テストも最初の方しか正解しません。どんどんテストの点数は悪くなっていきます。

高2から高3までの先生がかなり厳しくて、私はテスト前には必ず先生に対策で聞きに行ってたものの、全く話が理解できず、テストの返却の時、先生は私の名前を呼ぶと顔を真っ赤にし、拳を握りしめながら怒りで震えていました。私は恐る恐る答案を受け取って、毎回その場から逃げ去っていました。

私が高校生の時は発達障害という言葉は私自身も知らなかったですし、全く浸透しておらず、先生の間でも「努力していないからできない」「勉強しなかったからテストが全くできない」という認識だったでしょう。

体育も全くできませんでしたが、多分先生の同情で体育の通知表は中立の数字でした。しかし数学は「勉強が足りない」という認識で、通知表は下から2番目に低い数字でした。

「何であんなに数学ができなかったんだろう?」と思っていましたが、記事を書くのに当たりまとめたら、当てはまることだらけで納得しました。余りにできなかったので否定され続けた数学でしたが、何故そうなのか理解できたので、腑に落ちました。

発達障害は生まれつきの脳の特性です。私の様に学習障害を感じたら、早めのうちに手を打っておくと、私より勉強が理解できるかもしれません。学習障害があっても私の様に30代で人生が変わる人もいるので、1人で抱え込まないで下さいね。

noteでも書いています。よければ読んでください。

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2 件のコメント

  • 発達障害と診断を受けたわけではありませんが、私個人、勉強が苦手で特に国語、算数が苦手でした。
    国語は高校生頃になって初めて少し理解して来ました。
    話すのは大好きなのですが、国語の読解力は難しく。
    良く友人から変な人と思われています。
    算数は簡単な➕➖✖︎➗しか出来なくて、大人になってからも
    変わりません。
    普段から数字が並んでる公式なのど見ると、ストレスがたまります。
    どうしたから、算数が理解出来るようになるのでしょうか?

    • のぐちみほ様。
      コメントありがとうございます。昨日が公休でしたので、コメントが遅くなりました。

      私は当時の国語は読解力というより、暗記が得意だったこともあって、それで成立していた気もします。今はライターとして結構難しい内容も記事で書く様になったので、参考文献を読み込むのは好きですし、国語的な面では困らなかったのかもしれません。

      算数は私も壊滅的に分かりません。学校の評価も高校では下から2番目でしたし。現在は私は本を買うことが多いのですが、よく金額を間違えます。ものを買う時に計算を電卓でするのですが、毎回違う金額が出ます。「多分これで大丈夫だ」と同じ金額だったからと思い、購入するとレジで高めに表示されて、また金額を間違っていたりだとか。

      私も今でも数学が苦手ですが、苦手なまま大人になった私の経験からすると、得意なところは自分でして、不得意なところは家族とか、周りの誰かか補って貰う、ことがこれからの人生では大事なのかなと思います。

      私は一緒に住む両親が計算が得意なので、大きな金額のものの時には両親にも金額の確認をして貰います。

      人は支え合いながら生きていくので、自分ができないことは周りから支えて貰い、自分ができることはそれをできない人にしてあげる、それだけで十分だと思いますよ。

      計算が苦手な気持ちは私も該当者なので、凄く分かります。大変だと思いますが、周りの力を上手に借りながら頑張って下さいね。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。