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こんにちは、翼祈(たすき)です。
残暑が厳しく、7月に大きな人の流れがある芸能界などでインフルエンザにかかる人がいたり、2023年は9月に入っても、「流行注意報」を発出する都道府県も出ていて、史上初めて流行期の第1週目から大流行するなど、まだまだ油断はできない様です。
そんな中、日本の製薬会社が、ある型のあらゆるインフルエンザウイルスに対応した、ワクチンを目下開発中という話題が入って来ました!!
次々と変異するA型のインフルエンザのウイルスに効果がある【万能ワクチン】を、大阪府大阪市にある製薬大手「住友ファーマ」と、東京都新宿区にある国立感染症研究所、大阪府茨木市にある国立研究開発法人「医薬基盤・健康・栄養研究所」などの共同チームが開発中と、2023年8月10日に発表しました。
2023年度中にもヨーロッパで臨床試験に向けた手続きを開始し、日本でも2020年代後半の薬事承認を取得し、実用化を目指しています。
今回はこの共同プロジェクトについてお知らせしたいと思います。
住友ファーマなどの共同チームが開発中のインフルエンザのワクチンとは?
インフルエンザのウイルスの表面にはトゲ状の構造をしているたんぱく質が存在し、このたんぱく質が鼻や喉の細胞にくっついて感染します。現在のワクチンは、病原性を失わせているインフルエンザのウイルスのトゲ状のたんぱく質を使用しています。
ワクチンを接種するとトゲ状のたんぱく質の先端に反応する抗体が合成され、インフルエンザのウイルスが身体内に侵入した時に、抗体がトゲ状のたんぱく質の先端にくっついてウイルスの増殖を阻止し、発症や重症化を予防します。
ですが、A型のインフルエンザウイルスは頻繁に変異が起こりやすい特徴を持ちます。遺伝子が変異するとインフルエンザのウイルスのトゲ状のたんぱく質の先端部分の形状もどんどん変化していきます。20世紀初期のスペイン風邪や2009年のパンデミックを発生させ、およそ130種類が確認されています。
インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型、D型があって、さらに多くの種類に分類されています。インフルエンザのワクチンの開発は国立感染症研究所が次に流行りそうだと予測するA型2種類、B型2種類をベースに毎年作り替えていきます。予測が外れた場合、効き目が著しく落ちることが大きな課題でした。
住友ファーマなどの共同チームは、インフルエンザのウイルスの遺伝子が変異しても、トゲ状の構造をしているたんぱく質の根元部分はほぼ変化しないことに着目しました。根元部分にくっつく抗体を合成する成分を開発しました。抗体の量を増量し、効き目をさらに上げる添加物の開発にも成功しました。
マウスの動物実験で複数のA型のインフルエンザのウイルスへの有効性を確認しました。複数の種類のA型インフルエンザのウイルスに対して、高い予防効果の確認が取れました。A型のインフルエンザのウイルス全てに対応できる可能性を秘めているといいます。
ヨーロッパで臨床試験を実施するのは、健康な治験者にインフルエンザのウイルスを感染させてワクチンの安全性や有効性を確認する「人チャレンジ試験」と言われている手法を用いるためでした。日本では前例はありませんが、コロナ禍ではWHOが倫理基準を定め、イギリスなどがこの「人チャレンジ試験」でワクチン開発を加速させました。
共同チームはヨーロッパでの臨床試験の結果を見定めた上、日本でも通常の臨床試験を実施し、2020年代後半での製造販売の承認を目標にしています。
参考:A型インフルエンザの「万能ワクチン」開発、あらゆる変異に対応…担当者「世界トップの技術」 読売新聞(2023年)
住友ファーマのワクチン事業担当シニアオフィサーの男性は「今回のインフルエンザのワクチン開発は、世界トップクラスの技術だと自負しています」と説明しています。
新しいインフルエンザのワクチンで、国内外合わせて年間1000億円以上の売上高を掲げています。
公衆衛生学が専門の大阪公立大学の教授は、「日本製のワクチンの開発に結び付く技術が確立できたことに大変意義があります。ワクチンの効果が2、3年持続する様な、インフルエンザのワクチンが完成することを期待したいと思います」と述べています。
確かに凄い技術ですが、
卵は使うのでしょうか?卵を使うのであれば、万能ワクチンといえども、卵アレルギーの人は接種できません。
私は2023年1月にこの万能ワクチンとは違う、mRNAワクチンというインフルエンザのワクチンを紹介しました。mRNAワクチンは卵を使わないワクチンですが、書いてから続報というものが入って来ません。
ワクチンの作り方は私には分かりませんが、卵を使わないとインフルエンザに関しては、開発がかなり難しいのかな?という気もしています。
最近コロナの日本製のワクチンが開発されましたが、最初に出て来た型にしか対応していないそうです。コロナが拡がり始めた当時なら大歓迎だったでしょうけど、接種できる人が限りなく限定され、全員が対象となるワクチン開発の難しさも感じました。
何はともあれ、A型全てのインフルエンザのウイルスに対応というのはかなり画期的な開発と言えるでしょう。後は臨床試験が無事成功し、日本でも薬事承認される、それからの話となりますね。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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