IQ130台の「ギフテッド」を持つ-ろう者の女性 パート2

「ギフテッド」パート2

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皆さんこんにちは。Pinkです。今回は、前回書いたIQ130台の「ギフテッド」を持つ-ろう者の女性 パート1の続きとして、西日本在住の40代で「ろう者」の女性が教員になった理由などについて書きたいと思います。

アメリカ留学

IQ130を超え、かつ「ろう者」でもある女性が「障害があるのに何でも出来る」ことが原因で理不尽ないじめを受けた女性は、親からの重圧と周りからの目に翻弄され、心を病んでいくことになります。

地元の進学校を卒業し浪人した女性は、その後地方の国立大学に進み、他にも別の国立大学の大学院を出ました。教育や心理学を学んだのですが、「出来る人」と「出来ない人」のどちらにも嫉妬して、心がめちゃくちゃな状態だったそうです。

もっと安定でなくなった女性は、「自分はいるべき存在ではない」と「リストカット」などの自傷行為を繰り返して行きました。

ここまで女性を追い込んでしまったとは、どれ程の事だったのかと思うと、居た堪れない気持ちになります。

転機となったのは、アメリカへの留学です。語学を学んだ後、アメリカの「聴覚障害者」が多く通う大学院に入学し、留学4年目のある時、心の不調を申し出ると、学部長から「知能検査をしてみよう」と勧められたといいます。

知能検査の「WAI-IV」を受けた結果、四つの指標のうち、作業の速度を測る「処理速度」がIQ140と極めて高いスコアが出ました。また、目で見た情報から形を推理する「知覚推理」もIQ117と高い数字が出ました。

その一方で、言葉の理解力や推理力、思考力を示す「言語理解」はIQ98、「ワーキングメモリー」はIQ95と平均的だった。

びっくりした女性は学部長に伝えると、「驚かないよ」と言ってくれたそうです。

学部長からは「レポートが理路整然としていて深く考えていたから、普段から教授達の間で評価していたんだ」と伝えられ、「今まで出会った中で特別な生徒の一人だ」とたたえてくれ、障害」に関係なく、自分の能力だけを認めてくれたことが嬉しかったそうです。

ずっと「出来る」ことで嫌な思いをしてきた為、「出来る」ことの良さを自分で感じたい、人にも思われたかった女性にとっては、この出会いが大きかったとのことです。

私も、今までの人生の中で色々なことがありましたが、女性にとっての教授のような存在が居てくれたことで、とても励みとなった経験があります。この記事を読んでいる人達にも、そのような存在が居てくれることを願います。

教員を目指した理由

進学校の県立高校に進むと、親は喜び、厳しいことは言わなくなったところで、女性はようやく「出来る」自分を封印することが出来たとの事です。「出来ない人」は親しみやすいと思い、テストでわざと20点や30点をとってはクラスで笑いのネタにして楽しんだそうです。

お笑い番組を見ては、ものまねをしたり「どうウケるか」を考えて友達とはしゃいだりもしていると、いじめはなくなり友達も出来たとのことです。

しかし、「聞こえないのにすごいね」「聴覚障害があるのに、よく頑張っているね。」と言われる度に、女性は違和感を覚えます。

勉強が出来るのは、自分にとっては努力したことではなく、普通のことなのに、「障害」があるだけで「頑張っている」と見られるのが辛かったそうです。また、聞こえないことと、能力は関係ないはずだと思うからです。

女性が教員を目指したのは、その頃だと言います。アメリカのろう学校で、小中学生に将来の夢を聞く機会があった時に、子供達はなりたい職業よりも、「自分はバカだから」「周囲の大人がそうだから」といったイメージで将来を考えていたからです。

日本のろう学校で知り合った子供達も同じことを言っていたそうです。手話を使えば、子供達は豊かな表現をしたり、深く思案したりと、それぞれに才能が光るけれど、「聴覚障害」があるというだけで、自分の可能性を閉ざされる。

子供達の様子を見ていると、自分の経験が何か役に立てるのではと思った女性は、それぞれが「出来る」事を、親や先生、何をおいても子供達自身が考えて学ぶ力を育てたいと思ったそうです。

自分の経験が何か役に立てるのではと思った女性を、私は素晴らしいと思います。経験しているからこそ、分かることがあると思うからです。それは、教員をする上で、強みにもなると思います。

まとめ

女性は言います。「苦しかったけれど、大学院を出て、留学をし聴覚障害に関して専門的に学ぶ機会に恵まれたのは確かで、自分の「出来る事」がポジティブになるかもと思いました」と。

日本に戻ってから教員になり、やがて10年になるそうです。今もなお、社会には「ろう者」に対して「可哀想」「頭が悪い」「音楽に親しまない」といった偏見があると女性は感じています。

ろう者」の中にも、手話は出来るのに日本語が上手く読み書き出来ない事を理由に「勉強ができない」と思い込む子が多いとの事です。その子には、「手話」についてはばっちり、日本語に置き換えるのがまだ難しいね」と伝えているとの事です。

手話」と「日本語」を区別して評価すると、自信を持てる子供は多いからだそうです。聞こえない事を理由に、出来る出来ないを評価するのではなく、その子供自身の得意なことと苦手なことを見守り、一緒にどうするかを考えられる教員になりたいと思っているそうです。

女性も言っているように、それぞれが持つ能力を発揮出来る社会になればいいと、私も思います。

参考サイト:「ギフテッド」で「ろう」の女性が教員になろうと思った理由 米国 …

関連記事に、IQ130台の「ギフテッド」を持つ-ろう者の女性 パート1を挙げているので、併せて読んで頂けると嬉しく思います。

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IQ130台の「ギフテッド」を持つ-ろう者の女性 パート1

noteでも記事を書いているので、よかったら読んでみて下さい!

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2 件のコメント

  • 記事を読ませていただきました。聴覚障害でもIQを調べて高いとわかって夢を掴んだことに驚きました。また、記事を楽しみにしています。

    • パンダさん、今回もコメントありがとうございます。夢を掴むことは大変なことでもありますが、勇気をもらえました。私はこれからも頑張って記事を書いていきたいと思います。宜しくお願いします。

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