『子どもの瞳をみつめて』。フィリピンの最貧困の中で暮らす子ども達を撮影した映画。 

子どもの瞳をみつめて

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

フィリピンは7,641に及ぶ島から成る東南アジアの島国です。国土は日本の約8割程度となり、約1億900万人生活しています。

フィリピン政府統計局によりますと、2018年時点のフィリピンの貧困率は16.6%で、2015年時点の23.3%から約3割減りました。貧困率に当てはまるのは1ヵ月の収入が約2万4千円を下回る世帯です。子ども達に焦点を当てると、2015年には31.4%の子ども達が貧困世帯で、貧しい生活をしています。

台風、地震、火山活動など頻発する自然災害や、貧困の問題は根強くあります。地域格差がとても大きく、貧困率が高めな地域では、栄養不良での子ども達の発育への影響も社会問題となっています。地域落差の大きいフィリピンですが、その最貧困層の子ども達を追った映画が、2023年4月に公開されます。

ドキュメンタリー映画『子どもの瞳をみつめて』が、2023年4月29日(土)より劇場公開されることが決定しました。ポスタービジュアルと予告編が解禁されました。

今回はこの映画についてと、フィリピンの貧困の状況についてお話しします。

あらすじ

本作は、第2のスモーキーマウンテンと呼ばれる、フィリピンの最貧困エリアにあるゴミ集積所パヤタス地区で8年以上の歳月をかけて撮影されたドキュメンタリー。過酷な環境に置かれた子どもたちの生活に密着して記録した様々なエピソードが、静かに祈るように展開する。

フィリピンに暮らす最貧困エリアの子どもたちとその過酷な不法労働を記録した作品だが、声高に告発するのではなく、ストイックな映像で静かに祈るように子どもたちの姿を捉えている。

画像・引用:フィリピンに暮らす最貧困エリアの子どもたちを映したドキュメンタリー『子どもの瞳をみつめて』、予告&ポスター公開 クランクイン!(2023年)

予告編も公開中

 

ここからは過酷な状況下にいるフィリピンの子ども達とその支援についてお知らせします。

最貧困層のフィリピンの人の食事と仕事

NPO法人DAREDEMO HEROはフィリピン、セブ島で貧困問題の根本的解決のために取り組むNPO団体です。貧困層の子ども達への教育支援を主に活動し、やる気と志のある子ども達に教育のチャンスを提供し、将来この国の貧困問題を解決するリーダーとなれる様に教育しています。

そして、地域支援にも力を注ぎ、女性の権利向上、金銭管理、栄養衛生セミナー、農業技術などを定期的に催し、貧困地区の地域力向上に励んでいます。

教育支援をメーンに活動するDAREDEMO HEROですが、現在、貧困層の栄養改善事業への活動もしています。その転機となったのは支援地区の1つであるゴミ山で生活する人々の【パグパグ(アライス)】と呼ばれる食事でした。炎天下であっても1日中ゴミの中で働く人々。ですが、このゴミの中で働く仕事では家族がその日食べる食事すら購入できず、ゴミの中から集めた残飯を再調理して食事を取ります。

DAREDEMO HEROのサポートする子ども達の中には、小さい頃からアライスを食べ続けて育った子ども達もいます。その子ども達にとってアライスは、日常の食事です。子ども達にはアライスを食べる他に選択肢がありません。アライスを食べ続けて育った子ども達は、栄養のバランスが悪いことで体力が低く、感染症などの病気に罹患する恐れも高いです。どんなに、夢に向かって頑張って勉強しても、身体が頑張れません。

「アライスなど子ども達に食べさせずに、バランスの均等に取れる食事を食べさせて下さい!」と、親御さんに話したところで、親御さんも好きでアライスを子ども達に食べさせていません。子ども達が飢餓しないためには、アライスを食べさせるしか選択肢がないといいます。

その家族にバランスの取れた食事を提供することも大切なことですが、サポート団体が食事の提供を一生維持していくことはできません。現状を安易に否定せず、SDGsの理想を押し付けるのではなく、現状に適したSDGsな改善策を、現地の人々と一緒に見出していく方法しかないのです。

 

また、DAREDEMO HEROのサポート地区の1つである、イナヤワン最終処理場には、ゴミの中から売買できるものを見つけて生活する「スカベンジャー」と呼ばれる人々が暮らしています。彼らの一月の収入は1週間で500ペソ(約1,200円)程度ですが、それでもイナヤワン最終処理場でゴミを漁る以外に収入を得る方法がなく、ここから離れることはできません。

この少ない収入で大家族の生活を支えなければならず、このことで、小さい子ども達までも、ショベルカーが行きかう中でゴミ山でゴミを漁り、その上でトラックに飛び乗って、まだ売買できるものを見つけないといけないといいます。

画像・動画引用・参考:フィリピン経済成長の陰に取り残された貧困層の実態 PR TIMES(2022年)

フィリピンの食事事情をNPOが調査

フィリピン統計庁は、2022年第1四半期の実質GDP成長率を2021年同期比で8.3%とし、コロナ禍前の成長率に戻ったと公表しました。その反面、経済成長から取り残された貧困層の現状もあります。

フィリピンの最貧困層の中には、1日100円以下で暮らす「極度の貧困層」がいます。彼らは十分な食事もできず、栄養的・衛生的にも非常に劣悪な環境で暮らしています。そんな彼らの栄養面を改善しようと、NPO法人DAREDEMO HEROは「実態調査をベースとしたコミュニティー主体の栄養改善事業実施」に励んでいます。

上記の写真から食事の改善をアドバイスする場合、「野菜も摂取すべき」であることは、誰の目からも明らかです。ですが、限られた予算の中で空腹を満たすためには、野菜よりもお米を選択せざるを得ないといいます。フィリピンでは、お米は1キロ100円程度で買えますが、野菜は食材によっては日本よりも高価なものもあります。

安易に野菜を食べることを強いることで、貧困層を飢餓させる恐れもあります。

そのため「実態調査をベースとしたコミュニティー主体の栄養改善事業実施」では、日本とフィリピン両国の管理栄養士の指導の下で、300世帯を対象とする聞き取り調査と、3日間の食調査を実行し、サポート地区の現状に適したSDGsな改善策をアドバイスするための活動を行いました。

画像引用・参考:フィリピン貧困層の実態調査に基づくコミュニティー主体の栄養改善事業実施 PR TIMES(2022年)

余りに過酷な状況に涙

日本もコロナ禍で貧困の格差が酷くなりました。ご飯が食べられない方もいると聞きますが、日本ではこども食堂だったり、配給やフードバンクがあったりします。

フィリピンの子ども達はこの記事に出て来ますが、アライスというものを食べているそうです。その理由は餓死させない為に食べている。その言葉に涙が出ました。

労働も大きな怪我や障害が残るかもしれないのに、家族の為に過酷な状況下で小さな子ども達がお金を稼ぐ為に働いています。この年代の子は日本なら義務教育で学校に行っています。同じ年代の子で、こんなにも環境に差があることに呆然としました。

映画の予告編も観ていて、その過酷さは十分に伝わって来ました。フィリピンも日本と同じ様に災害の多い国です。今は先日のトルコの大地震にしかり、支援が必要な国が多いです。どうやったらみんなが幸せに暮らせるのだろうかー、と書きながら考えさせられました。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎、右手人差し指に汗疱、軽く両膝の軟骨すり減り、軽度に近いすべり症、坐骨神経痛などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。