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こんにちは、翼祈(たすき)です。
生まれつき文字を上手く読むことができない、発達障害の学習障害の1つである「発達性ディスレクシア(読字障害)」をご存知ですか?著名人では、ハリウッドスターのトム・クルーズさんやスティーブン・スピルバーグ監督が、この障害であることを公表している障害です。この障害を持つ子の支援の1つで、苦手な長い文章を、スマートフォンの読み上げ機能を使い、読むより聞く方が理解しやすいという話もあります。
今回は「発達性ディスレクシア(読字障害)」の症例、学校の対応などについてご紹介します。
「発達性ディスレクシア(読字障害)」とは?
発達障害の学習障害(LD)の1つに分類されます。日常会話/話ことばの理解や表現は普通に可能で、知的にも標準域にあり、論理的思考にも問題は生じませんが、読むことに難しさがあります。後天性と区別するため、先天性の場合は「発達性」と名前が付きます。
脳損傷によることを除き、十分な教育のきっかけがあり、聴覚や視覚などの器官に感覚障害がなくても、また知的発達が正常であっても症状が現れ、文字がなかなか覚えられない障害です。つまり、読むことが厳しい症状です。
しかし、読むことは出来なくても読解は可能という症状でもあります。「発達性ディスレクシア(読字障害)」の人は日本には約8%いると言われています。脳の機能に何らかの原因があるとされていますが、薬や手術で完治するものではありません。
参考:読み書きできることが前提の社会で「発達性ディスレクシア」の当事者が抱える苦悩 ABEMA TIMES(2021年)
周りも本人も「発達生ディスレクシア(読字障害)」だと発見しにくいので、従来の多くが見落とされ、子ども達が「努力していない」と周りから責められたり、「自分は何で賢くないんだ」と自責して、幼少期から自尊心を喪失し、学習意欲が無くしたりと、深刻な問題に発展していました。
▽「発達性ディスレクシア(読字障害)」の特徴
- 形態の似た字である「め」と「ぬ」、「わ」と「ね」、「シ」と「ツ」、「雷」と「雪」などを理解できない
- 聴覚記憶ができない
- 幼児期には文字に興味がないし、覚えようとしない
- 文字が二重になったり、ぼやけて見えたり、にじんで見えたりします
- 自分で絵本などを読もうとしない
- 小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」「っ」や音を伸ばす「−」などが読めない
- 文字が曲がって見える
- 語あるいは文節の途中で区切ってしまう
- 文字がさかさになる
- 文字を一つ一つ拾って読む(逐次読み)
- 文字が左右逆に見える
- 文章を読んでいると、どこを読んでいるのかわからなくなる
- 文字と音の変換ができない
- 1つの文字を点で描いているように見える
- 読んでいるところを確認するように指で押さえながら読む
- 文字と音の変換ができない
- 初期には音読よりも黙読が苦手である
- ひらがなの音と文字との結びつけができない
- 読み飛ばしや、推測しながら不正確な読み方をしてしまうことが多い
- 文字間や行間を狭くするとさらに読みにくくなる
- 一度、音読して内容理解ができると2回目の読みは比較的スムーズになる
- 文章を読んでいるとすぐに疲れる(易疲労性)
- 画数の多い漢字に誤りが多い
- 文末などは適当に自分で変えて読んでしまう
- 単語のまとまりを認識できない
- 話すスピードと比較して、読むスピードが極端に遅い
- ページの読み始めに比べると終わりの読みは格段に誤りが増える(読むことに疲れてしまう)
- 音声にするなど耳から情報は理解しやすい場合が多い など
「発達性ディスレクシア(読字障害)」の症例
つくば市の協力を得て、小学1年生のときに発達性読み書き障害と診断された女の子が、当時、教科書を音読した際の映像を見せてもらいました。
女の子が読み上げたのは、「あしたはきっと元気になりますよ」という文章です。
「あした『は』」の「は」は、「わ」と発音するのではなく、文字通り「は」と読みました。また、「なり『ま』すよ」の「ま」は、「も」と読みました。形が似ていて判別するのが難しかったようです。
音で聞いた言葉を記憶する能力に長けているケースにおいては、苦手な文字を使用した物語を子どもと一緒に構築していきます。「へ」の文字が分からないケースには、「へ」が付く単語を子どもに答えさせます。
子どもが「へび」や「へいき」と答えると、担任は、「へびは怖いけどへいきだよ」という物語を構成し、へびのイラストを文字の「へ」に真似て描きました。
こうして、イラストのカタチから文字を想像させ、物語や歌にして、単語を覚えていく学習法を取ります。
「発達性ディスレクシア(読字障害)」に対しては、早期の対応が必要
生まれつき文字を読むのが困難な、発達障害の学習障害の1つである「発達性ディスレクシア(読字障害)」。日常会話や論理的思考は問題が生じないので、周りから理解されにくく、学校では指導や配慮がまだまだなされていません。
理解を拡大させるために、専門家もある支援団体は学校の関係者を対象に発達性ディスレクシア(読字障害)の講座を開講するなど地道な活動を重ねています。
「さくばんのうちににわにはつゆきがふった」。スクリーンに文章が発生しました。「読むのと同時にイメージが浮かび上がりますよね。ですが発達性ディスレクシア(読字障害)の子ども達は1文字ずつ読解していくので、それが困難なのです」。2021年9月に名古屋市で開講された、特別支援教育支援員を目指す人が対象の発達性ディスレクシア(読字障害)の講座。ディスレクシア協会名古屋の代表の女性がこう紹介されました。
特別支援教育支援員は、発達障害を抱えた子ども達に、学習面や生活面で配慮する職員を指します。特別な資格は必要ありませんが、専門的な知識を身に付けて頂きたいと、同ディスレクシア協会名古屋などが2010年から講座を開講し、開講当初から発達性ディスレクシア(読字障害)も発信されています。
「先天性なので、頑張って覚えてと言われてもどうしようもない。それを理解した上でサポートして欲しい」。タイピングを習得すればデジタル機器で文章が打つことが可能になることや、問題文などを支援員が先に読み上げれば理解可能な子どももいると、学校でのサポートの仕方も教えました。
元筑波大教授で、発達性ディスレクシア研究会の理事長の男性によれば、子どもの発達障害の状態の把握には「検査する方が効率がいい」と警鐘を鳴らします。
小学校に上がる前の5〜6歳児を対象の就学時健診で、30秒程度で終わる検査を実行し、読むことに不安が生じた子どもを把握し、サポートしながら授業を進めていきます。
7月は集団で平仮名を読むことの簡単な検査を実施し、夏休み中の個別面談と家庭学習の後、9月に再び集団で同じ平仮名を読むことの検査を行ないます。
その時点で読むことの覚え方に遅れが生じている子には、専門的な研修を履修した教員が、その子どもに適応した指導を行います。
個別練習の結果、読むことが難しい子どもも、基本となる平仮名を読むことが可能になったということです。この早期の対応の結果を重視し、名古屋市は全小中学校に拡大しようと、2020年度から専門的な指導が可能な教員の育成もスタートしました。
参考:試験問題にルビ? 学習障害に“合理的配慮”広がる NHK(2022年)
私の学習障害は、
私の場合は数学に特に学習障害が強く現れていました。本当に数学は小さい頃から苦手でした。私は国語は暗記するのが得意だったので、国語は特に日本史が好きだったのもあり、内容的にも古典で昔の文学に触れるのが1番好きでした。
音読みも、滅多に先生から指名されませんでしたが、私の場合読むのに「他の人がきちんと読んでいたから、読むのに緊張する」と、失敗を恐れた緊張から、声が裏返り、読み間違えというのはよくありました。
私も発達障害ですが、本当に発達障害は大きな3つの分類から更に細かく分類が分かれていて、発達障害当事者ですが、まだまだ知らないことが多い障害だなと、今回も改めて気付かされました。私は大人になって発達障害と分かったこともあり、大人になってからしか支援を受けられませんでしたが、今の子ども達の未来の可能性を広げるために、今後も支援がもっと広がって欲しいなと思いました。
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40人に3人は、字が書けないの? 「発達性読み書き障害」の息子を漫画にした母の思い ハフポスト(2017年)
生まれつき読み書き難しい「発達性ディスレクシア」 人により程度や特性にバラつき…第一歩は“障害を知る”こと FNNプライムオンライン(2022年)
参考サイト
noteでも書いています。よければ読んでください。
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