C型肝炎ウイルス等の治療薬の医療実験に使われたチンパンジー。その余生を見つめてー。 

チンパンジー C型肝炎

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

人間に近いとされるチンパンジーは、2000年代前まで盛んに、C型肝炎ウイルスなどの治療薬開発のために、医療実験が繰り返されて来ました

現在は他の研究や動物に置き換えられるので、チンパンジーの医療実験は禁止されましたが、それでも実験に使われたチンパンジーは、通常より10年余り寿命が短いと言います。

日本でも熊本県宇城市の高台には、「聖域」と言われている、医療が進歩する為に医療実験に使用されたチンパンジー達が安らかに余生を過ごしています。ここで生きているチンパンジーの大半が以前、製薬会社や大学の研究室で行われた医療実験に用いられて来たからでした。

今回はそんな医療実験に使われたチンパンジーのことを、年数順に振り返りながら、皆さんと考えていきたいと思います。

2022年、医療実験に使われたチンパンジーの現在(いま)は、

かつて人間の肝炎医療の進歩・発展のために医療実験に用いられ、意図的に肝炎ウイルス感染させられたチンパンジーは余生を今どう生きているのか―。

京都大野生動物研究センターが日本国内の肝炎研究で使用されたチンパンジーの飼育記録を分析した結果、C型肝炎ウイルスに感染したチンパンジーは、医療実験に使用されなかったチンパンジーより平均寿命が約10年短くなっていたことが明らかとなりました。

チンパンジーを使用した肝炎研究は日本や欧米で長く継続されて来ましたが、チンパンジーの医療への多大な貢献度だけではなく、絶滅危惧種のチンパンジーを使う実験には、倫理面からも否定的な意見が飛び交っています

医療実験の影響の追跡調査を行いましたが、報告した例は今までに届いておらず、研究者は「医療実験に使用されたチンパンジーが余生を穏やかに生活出来る様に、国際的議論が必要となる」と警鐘を鳴らしています。

京都大野生動物研究センターによれば、チンパンジーは生理的に人間と近く、マウスや猿と異なり、人間の肝炎ウイルスに感染します。こうした生物的な大きな類似特徴から1970年代以降は、チンパンジーを使用した肝炎での医療実験が世界各国で盛んに実施されて来ました。

ここからは、そんな医療実験の歴史について、時系列で振り返ります。

C型肝炎ウイルスの治療薬開発で、初めて成果が出る。

2000年代初頭、C肝炎ウイルスの医療実験に成果が出始めます。

C型肝炎の治療薬の開発に向けて、チンパンジーの血液中にあるC型肝炎ウイルスの複製を抑制出来たと明らかとなり、人の慢性C型肝炎にも有効性のある可能性が高いとの論文が、2009年12月3日の米科学誌サイエンス電子版[Science Express]にて掲載されました。

SPC3649」と命名されたこの新たなC型肝炎の治療法は、C型肝炎ウイルスの複製を手伝う分子を抑制可能とし、C型肝炎の治療法が初めて臨床段階まで加速しました。

参考:C型肝炎の新治療法、チンパンジーで有効性確認 臨床段階へ AFP BB News(2009年)

2010年代、チンパンジーを使った医療実験、制限をかける

2011年12月15日、米国立衛生研究所(NIH)によると、「チンパンジーを使用した医療実験を厳しく制限すべきだ」と警告する米国医学研究所(IOM)の勧告を了承し、政府が資金援助した全ての医学実験を早急に見直すべきだとの声明を出しました。

IOMはこの度の報告書で、「チンパンジーにはC型肝炎ワクチンの開発や比較ゲノム研究、精神衛生などのジャンルで揺るがない必要なケースもある」と懸念する反面、「現在チンパンジーを使用する医療実験の大半が行う必要がないものです」と疑問を投げかけました。

人間に近い遺伝子を持ち、マウスや他のサルでは感染しない人間のウイルスへの感染が成立したからでした。チンパンジーは人間に近く、絶滅危惧種に分類された点から医学実験に使用することは倫理的に不適切だと言われ出し、2000年代に入り、日本を含め世界的に、チンパンジーを使用した医学実験は行われなくなりました

EUの場合、チンパンジーを使用した医療実験は1999年以来実施されず、2010年にはチンパンジー、ゴリラ、オランウータンなど類人猿を実験に用いることが正式に禁止が発表されております。

参考:チンパンジーを使った動物実験を制限へ、米国 AFP BB News(2011年)

医療実験に使われたチンパンジーへ引退勧告

医薬品開発などを目的とした実験用チンパンジーの利用を中止する動きが全米で加速している。米国立衛生研究所(NIH)の作業部会は1月にまとめた報告書で、米政府の助成で飼育されている実験用チンパンジーの大半を「引退」させ、保護区で余生を送らせるよう勧告した。

引用:実験用チンパンジーに「引退勧告」 利用中止の動き加速 米 CNN.co.up(2013年)

熊本サンクチュアリでの様子

有明海に近い高台に、日本全国の大学や研究機関でかつて医療実験に使用されたチンパンジー達が穏やかに暮らしている、国内で唯一の施設「熊本サンクチュアリ」が熊本県宇城市の山中にあります。

この研究室でも、効率的に実験を加速させるため、狭い箱の中でチンパンジーが肩を固定され、注射を打たれる事案も起こりました。このため最初チンパンジーは人間に不信感を持ち、注射を嫌がるチンパンジーが多く、細い針を使いながらゆっくり注射を打って少しずつ医療実験に慣れてもらいました。

研究が終わっても、肝炎ウイルスの感染の影響はチンパンジーの体内に残ります。感染の医療実験が多く行われたB型肝炎ウイルスに関しては、時間が経つとチンパンジーの体内から消滅しますが、C型肝炎ウイルスに関しては、3~4割の個体でチンパンジーの体内にウイルスが残り続ける持続感染の状態(キャリア)に陥るということです。「熊本サンクチュアリ」では現在、35~49歳の8匹が持続感染のキャリアのまま余生を送っています。血が固まりにくいなどといった健康上の問題が起こり、薬を与えるなどの緩和ケアを施しています。

同「熊本サンクチュアリ」の前身は製薬会社の飼育施設で、他の研究施設で実験動物としての役割を終えたチンパンジーも引き取って来ました。

この製薬会社で実験にも関わった特任研究員の男性は、「当時は、実験以外でチンパンジーの負担をどうしたら持たせないかが仕事と感じていました」と言います。

医療実験が廃止されると聞いた時、心から嬉しく感じたそうです。長い期間を要してチンパンジーたちと信頼関係を構築し、京大に移管されてからも同「熊本サンクチュアリ」に残る道を選択しました。「今は、愛情を一杯かけられます」と喜ばれています。

参考:肝炎ウイルスに感染のチンパンジー、平均寿命短く 京大分析「安らかな余生を」 京都新聞(2022年)

C型肝炎はその昔「不治の病」と言われておりましたが、最近、人間では有効性が非常に高い薬が開発され、飲み薬だけで完治する様になりました。薬の効果が現れる仕組みなどで、人間と同じ薬でもチンパンジーにも効果的だと言われていますが、治療薬がとても高価なため肝炎ウイルスを罹患するチンパンジーには与えられていません。

何か犠牲を払わないといけないのか。

私はチンパンジーの辛い気持ちに寄り添える気がします。

私は23歳の時に、ジプレキサというお薬を飲んで、糖尿病を発症しました。

当時の主治医の誤った判断、私も「発達障害の症状が安定したら…」と思って、1年以上飲み続けた結果、重症の糖尿病を発症しました。

発症する前は、「生活習慣病だから大変だろうな」と思っていて、いざ自分自身が発症した時はまだ20代前半。「私の人生がもう終わった…」と思いました。

私が糖尿病を発症したことで、学会でジプレキサの副作用のことが発表されて、使用に当たり注意書きが記載される様になりました。それでも凄く悔しかったですし、治らない病、一生付き合っていかないとと思うと、絶望しました。

20代は1番キラキラしていると言いますが、当時は引きこもり、発症してから長いこと4週間に1回内科の通院だったので、時間も医療費も多くを支払って来ました。

20代の頃は現実を受け止めきれず、本当に自暴自棄となり、暴飲暴食も酷かったです。好きな事もやってはいましたが、それでも虚しさは埋まらなかったですね。母も私の20代を暗黒期と呼び、母は希望がその先に見出される様な本をよく買って読んでました。

30代に入ってから、「自分をもっと大事にしなきゃ」と思って、 身体に良いものを積極的に摂取し、食生活の改善を始めました。

この記事に出て来るチンパンジーの犠牲もあり、今は治療薬があるとは思いますが、いたたまれません。医療実験にされたチンパンジーもとても辛いと思いますが、私も逞しく生きようとしているので、チンパンジーにも逞しく生きていって欲しいです。

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島に置き去り…実験用チンパンジー ボランティアが世話 リベリア AFP BB News(2022年)

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。