「絵本『ぼく』谷川俊太郎:作・合田里美:絵」の紹介

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皆さんこんにちは。Pinkです。今回は少し気持ちが重くなる内容なので、読み始めて無理だと思った方は、読むのを辞めて下さいね🌸

皆さん谷川俊太郎さんを知っていますか?

谷川さんは、詩人・翻訳家・絵本作家・脚本家で現在90歳になられます。

参考サイト:谷川俊太郎 Wikipedia

今回私が谷川さんについて書こうと思ったのは、昨年NHKのETV特集「ぼくは しんだじぶんで しんだ 谷川俊太郎と死の絵本」を見た事がきっかけとなります。

以前から気になっていた谷川俊太郎さんが出演されること、語りが石田ゆりこさんであったことから見始めたのですが…。

90歳になった谷川さんが、新たな絵本を出版しました。テーマは子供の自死約2年間、絵を担当される合田里美さんとのリモートでのやりとりを軸に番組が展開していきます。

「ぼくはしんだ じぶんでしんだ …」で始まる物語は読者をはっとさせるものがあります。実際私もそうでした。

コロナ禍で自死が増えているというニュースを見るたびに悲しい気持ちになり、それがまた子供となると余計に悲しく、辛い気持ちになります。

子供たちの感想

番組の中で、絵本ということもあり、実際に子供たちに読んでもらい、感想を聞くシーンがありました。そこで驚いたのは子供たちの反応です。「怖かった」「死んだらいけないと思った」といった感想が殆どですが、自死を冷静に捉えて考えているように見えました。

ネットに、谷川さんの推薦文と、本を読んだ感想があったので、本の画像と共に引用させて頂いています。

谷川俊太郎さんによる推薦文

死を重々しく考えたくない、かと言って軽々しく考えたくもない、というのが私の立場です。死をめぐる哲学的な言葉、死をめぐる宗教的な言葉、果ては死をめぐる商業的な言葉までが氾濫している現代日本の中で、死をめぐる文と絵による絵本はどんな形でなら成立するのか、この野心的な企画はそれ自体で、より深く 死を見つめることで、より良く生きる道を探る試みです。

みんなの声

Eテレの番組をみてから絵本を読んだ場合と、この絵本をなんの前情報もなく読んだ場合では、かなり感想が変わってくる思う。子供がなんとなく手に取って読んだら、どう感じるのか、その子の気持ちにどんな影響があるのか、非常に不安に感じる。図書館などで低年齢の子供の目につかないところに置くなどの配慮が必要だと思う。

50代・その他の方・神奈川県

自殺した少年の独白です。
作品中に登場する少年の詩「いきていて」が悲しすぎます。
自分は死んだのだと、言い聞かせているような独白です。
この絵本は、どのように受けとられるか心配です。
今に絶望している若者の、背中を押してしまったら、この絵本は悪本になってしまいます。
この絵本は、そうはならないことを願って作製されたはずなのに、引き込まれそうな絵本です。

70代以上・その他の方・千葉県

引用サイト:絵本ナビ ぼく

この絵本の中の「ぼく」はいじめられているとか、何が原因なのか分かりません。谷川さん自身、主人公の自死を読者がわかったつもりになることを拒否していました

絵を担当された合田さんも、普段は殆ど描き直しを指示されない谷川さんから、何度も描き直しを求められ、意図は何?と必死に探る中で、谷川さんの死への思案、子供たちへのメッセージを見つけていきます。

番組の中では、合田さんの作画をアニメ化し、絵本の誕生を追体験していく形になっているのですが、絵本の完成が近づくにつれて、谷川さんの主人公の自死を読者がわかったつもりになることを拒否していることが少し理解出来たように思います。

自死について、何故?と理由づけることで、私達はこの絵本の主人公の気持ちをわかったつもりになるのではないでしょうか?

谷川さんの絵本への想いとは

谷川さんは番組の中で次のように語っています。

「読者に対してすごく暗い深い現実に対抗できるような気持ちになってもらわないと絵本を出す意味はないだろうとっていたから」と。

とても難しい問題ですが、この絵本が自死を考えている人の歯止めとなることを願います。

 

noteでも記事を書いているので、よかったら読んでみて下さい!

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