非配偶者間人工授精(AID)で問われる、「出自を知る権利」の在り方。 

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

非配偶者間人工授精(AID)とは、夫以外の第三者から提供を受けた精子を子宮内に入れて妊娠を計画する手段です。 日本の戸籍上で法的に婚姻していることが証明できる夫婦であり、原則として夫の精子が存在しないケース、「無精子症」の夫婦がAIDを希望することが可能となります。

日本では戦後始まり、男性不妊の夫婦に子どもを授ける手段として慶応大病院を中心に行われ、1948年に慶応大病院が初のAIDを行い、日本国内で累計1万~2万人が誕生したとされています。日本産科婦人科学会によれば、近年AIDは年間3000~4000件行われ、毎年80~130人ほど誕生しています。

今AIDでは「出自が分からない」、「提供してくれた男性がどんな感染症を持っているか分からない」などといった、様々な問題も潜んでいます。今回はAIDについて、様々な視点から分析していきたいと思います。

「自分の出自を知りたい」、と願う女性

生殖技術が更なる発展をする中で、誕生した子どもが遺伝上の両親を知る権利は現在も法律では保障されていません。超党派の議員連盟によると、子どもの「出自を知る権利」に関して、2022年中の法律の整備を掲げ、生殖補助医療のルール作成と一緒に協議しています。

用事が出来れば電話をし、一緒に外食に行くこともありますが、母親との溝は埋まっていないという東京都在住の女性は、自分の存在を肯定出来ずに20年、今日まで生きて来ました。「後ろめたい技術で私は生を受けたのかー」。

両親からではなく提供された精子で自分が誕生したと初めて知ったのは2002年。当時父親が罹患していた筋ジストロフィーが50%の確率で遺伝すると言われ、「遺伝するのではないか」と悩んでいた大学院1年目の夏のことでした。ある日の夜、「大事な話があるから」と母親に声をかけられ、普段は使用しない客間で向かい合い、独白されました。「お父さんとは血の繋がりがないから」。

両親は日本で初めてAIDを取り入れた慶応大病院で、第三者の精子を使用して女性を授かりました。父親の病気は自分と関係がないと知って一瞬、ホッとした反面、疑問や怒り、哀しみで心が砕かれました。「私の人生は母の嘘の上に成立していると思った。何が真実か、分からなくなりました」。

母親はAIDの詳細は話しません。女性が周りの知り合いにAIDを相談することを否定する母の態度に、さらに傷を負いました。どんなに泣き続けても涙が枯れず、翌月実家を離れました。研究に身が入らなくなって、その後大学院を中退しました。幼い頃から関係が薄かった父親は何も女性には語らないまま、2003年に帰らぬ人となりました。

日本の医療機関は第三者の精子の提供者に関しての情報を伏せ、誕生した子どもにも出生の事実を明かさないのが「家族みんなの幸せを守ること」と一般的にそう思われてきました。ですが、予想外のことで出自の秘密が明らかになるケースはあります

1980年代以降、ヨーロッパなどでは子どもが第三者の精子の提供者の情報の開示を求め、「出自を知る権利」の法制化が加速しました。日本でもAIDで誕生した当事者が声を上げ出し、女性が真実を理解した翌年の2003年、厚生労働省の専門部会においては「生まれた子のアイデンティティー確立などに最重要項目だ」と「出自を知る権利」を認める報告書を取りまとめました。

「精子の提供者に会いたい。『精子』ではなく『人』がいることで、自分が誕生したことを実感したいです」。AIDで誕生した女性らは第三者の提供者の情報の全面開示を訴えていますが、生殖補助医療そのものに議論が揺らぐ中、法律の整備は進行しないまま20年近くが経ちました。

参考:「私は後ろめたい存在」精子提供で生まれた女性 出自を知る権利、保障されず置き去りに 東京新聞(2022年)

医療機関は不妊治療しているご夫婦の影響を不安視しています。慶応大病院は現在も第三者の精子提供の情報は匿名性の方針としていますが、「出自を知る権利」の説明を始めた時から第三者の精子の提供者の確保が困難となり、2017年にはAIDの新規患者受け入れを停止処理を行いました。年間1500〜2000件行っていた慶應大学病院のAIDでの不妊治療は、現在300件ほどに激減しました。

産婦人科の教授の男性によりますと「生まれて来る子どもの20年先の将来を想像しなければならず、第三者の精子の提供者探しは困難な問題。法律も時代で変更される可能性が示唆する」と話し、国は「出自を知る権利」とセットで精子提供の確保の体制を整備すべきだと懸念します。

ここでAIDで生まれた子へのリスクを2つ紹介致します。

AIDによる生まれた子へのリスク

①感染症のこと

AID治療では、精子を一度凍結保存してエイズなどの感染症を調べるが、個人間取引ではほぼ不可能だ。提供時に性行為を執拗しつように求めるドナーもいるという。

引用:【独自】SNSで精子取引が急増…不妊夫婦ら利用、規制なく無法状態 読売新聞(2022年)

②虚偽の情報

精子を提供した男性が経歴を偽り、トラブルになるケースも。提供者が国籍や学歴などを偽ったとして、損害賠償を求めて東京地裁に提訴した女性は、提供者にとっては性交渉が目的だったと訴えている。

引用:広がる個人間の精子提供、手軽さの裏にリスク 連絡断つ女性も「何人生まれたか分からない」… 東京新聞(2022年)

AIDでの親の悩み

無精子症と診断を受けた夫婦で構成された自助グループ「すまいる親の会においては、精子提供を検討したいと考えているカップルを対象で希望する人の情報提供行ったり、AIDをした当事者同士の交流の居場所を整えています。

事務局の女性によりますと、無精子症と診断を受けた夫婦で構成された自助グループ「すまいる親の会」の設立したばかりの頃は、会に参加した人達は第三者による精子提供で自分の子どもが生まれて来たという真実の独白を子どもに行うという認識がほとんど持っていませんでした。

第三者による精子提供で誕生した人の気持ちを傾聴する勉強会などを介して独白の大切さを理解し、「きちんと事実を子どもに伝えても親子関係を壊すことにはあってはならない」「嘘で固めるのではなく、独白して正直な親子関係の構築に注力した方が良いと思う」といった意識が浸透していったからでした。

その反面で、日本国内での第三者による精子提供が原則匿名性で行われて来たことで「提供者情報が明らかに出来ないのなら、親が独白してもかえって子どもを苦しめてしまうのでは?」と感じることや、「年を重ねた親や田舎によってはAIDは受け入れられない」と不安を抱くケースも起こりうります。

無精子症と診断を受けた夫婦で構成された自助グループ「すまいる親の会」の事務局の女性はこの件に関して、「親が告白しやすい様に親とお子さんを支援する仕組みや、生まれてきた子どもがAIDに関して希望した時に提供者情報を獲得しやすい環境が必要となります」と説明しました。

参考:精子提供で生まれた子、知れぬ出自に葛藤「自分は何者なのか」既往歴に不安も【2022年 上半期回顧】 ハフポスト(2022年)

私も「もしかして…」と疑いたくなる時もあった。

私も両親とそんなに顔が凄く似てるかと言えばそうでもないですし、器用さとか運動面で言えば、父は家電をすぐ取り付けられ、穴が空いたものだったりとかの修繕がとても上手いです。家に続く道もカラフルな石も色々組み合わせて作りました。

母は封書を開ける時に、ハサミで切っていない様に、さも開いてないかと見せかける様にして切るのが得意で、家計簿もレシートを1mmもずらさず、均一に貼る事が出来ます。

運動面で言えば、父は運動会でリレーの選手になったりと、運動神経は抜群。

母も人並みに運動も出来て、登り棒も2本を両手で掴んで、軽々とくるりと1回転できていたそうです。

私には両親みたいな器用さも、運動面でも出来ません。私は結婚しても何年もなかなか子供が出来ず、数年後に生まれた子だと聞きました。色んな面で両親の良さが引き継がれておらず、「本当に2人の子かな…」と思う時があります。

1番似てるのは性格。考えている事は結構同じです。

そこで、「両親の子だな」とホッとします。

私はAIDについては記事にするまでよく知らなかったのですが、調べていくととても複雑だと思いました。両親にとっては待望の子ども、生まれて来た子どもにとっては「出自」が分からない事がこれからも一生抱えていく悩み。どちらの立場に立っても、一言で解決したとは勿論言えません。

まだ法整備がされていないAIDだそうですが、知る権利は誰にでも平等に与えられています。どちらの立場に立とうとも、両者が納得出来る様な社会になって欲しいですね。

noteでも書いています。よければ読んでください。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。