パパゲーノ効果を知ってますか?~死にたいという気持ち~

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はじめに~自殺総合対策大綱~

政府の自殺対策の指針となる「自殺総合対策大綱」が新たに決定されました。

コロナ禍の影響などにより女性の自殺者が増加したことから女性に対する支援の強化が初めて重点施策に盛り込まれました。

「大綱」は15年前に初めて策定され、5年に1度見直しが行われています。

去年1年間に自殺した女性の数は7068人に上り、2年連続で増加したことが分かりました。

若い女性の自殺が増加していて、厚生労働省はコロナ禍における環境の変化などが影響した可能性があるとしています。

画像引用:自殺の統計:最新の状況/厚生労働省

そんな自殺を抑止するのに効果がある活動があるのをご存じでしょうか?

今回は【パパゲーノ効果】と呼ばれるその活動や、実際に活動している方について、自分の体験談と併せてお伝えします。

自殺抑止【パパゲーノ効果】を知っていますか?

「物語はいつか誰かの役に立つ」という歌があります。

この歌を歌う、渕崎紅さんは、20歳のころにうつ病やパニック障害などを発症したそうです。当時は、一日30錠以上の薬を飲み続け、体調を崩して仕事も退職に追い込まれました。

当時を振り返り、

「(当時は)生きていく意味が分からないと思っていて、なんかもう漠然と死んでしまいたいと。」と、毎日をどう過ごせばよいか分からず、自殺も考えたという渕崎さん。

そんな彼女が、うつ病から回復して思ったことは、同じように苦しむ人を救いたいとの思いでした。

そして、歌で自らの経験を伝える活動を始めました。

このように、渕崎さんのように「死にたい気持ちを抱えながら、その人なりの理由や考え方で“死ぬ以外”の選択をしている人」のことを「パパゲーノ」と呼びます。

パパゲーノとは?

「死にたい気持ちを抱えながら、その人なりの理由や考え方で“死ぬ以外”の選択をしている人」のことを表した言葉です。

オーストリアのメディア研究では、こうした経験を持つ人のストーリーを伝えることが、自殺を思いとどまる抑止力になることが示されており、モーツァルトのオペラ『魔笛』の登場人物になぞらえ「パパゲーノ効果」と呼ばれています。

参考:「パパゲーノ」という言葉を知っていますか?心あたたまる「死にたい自分を肯定する物語」 | ステラnet

私のパパゲーノ

実は、私は2回ほど自殺未遂をしたことがあります。どちらも、大量に薬を飲み、お酒を飲み、リストカットをしました。

理由は、その時によって違いました。1回目は親の介護や、仕事のこと、恋人のことが全てマイナスに働き、生きてること自体が辛すぎて、大量の薬を飲んでしまい、記憶が定かではないのですが、異変に気づいた友人に、病院に連れいかれ、なんとか命は助かりました。

その時から、精神科に通うようになり、薬を飲む生活になったのです。

2回目は、それから10年以上たった時でした。

両親を相次いで亡くし、自分自身の借金で首が回らなくなり、仕事も休みがちになり、何もかもがどん底になってしまった。そう感じていました。

その時は、薬とお酒を大量に飲み、意識が朦朧としている中、死にたくなかったのか、自ら救急車を呼び、病院に担ぎ込まれました。

それをきっかけに、仕事も辞め、自己破産という道を選びました。

それから2年は療養をしていました。

自殺を選んだ時は、もうそれしか方法がない。

と本気で思っていました。

普通だったら、残された家族やペットのことを考えるかもしれませんが、その時はまったく考えられなくなっていたのです。

とにかく辛い、苦しい、助けてほしい。

その思いで塗り固められていく感覚が今でも忘れられません。

今でも、不意に「死にたくなる」瞬間はあります。

けれど、私はその体験を記事にすることで消化しているのかもしれません。

これが、私の「パパゲーノ」です。

さいごに~今、死にたいと思う人へ~

自殺は「孤立の病」と呼ばれています。「死にたい」と嘆く人には、まずは「話を聞いてあげること」が大切だと言われています。

話をしていて、相手がどんなことで苦しんでいるのかを言ってくれたら、「大変だったね」と耳を傾けること。

傾聴といわれますが、話をじっくり聴いてあげることが効果的だと言われています。

私も、自殺未遂をして初めて周りに「助けて」と言えた記憶があります。

それまでは、自分でどうにかしないといけない。どうにもできない。と考えが凝り固まっていました。

「死にたい」と思っている人に言いたいことは、少しでもいい。話をしましょう。

なんで、死にたいのか、理由はいらないので、思っている気持ちを話すことからはじめて欲しいです。

 

【こころのでんわ】0570-064-556

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参考サイト

女性の自殺者が2年連続増加 女性へ支援を「重点施策」に 厚生労働省 | TBS NEWS DIG

「死にたい」を踏みとどまるきっかけに──専門家に聞く“パパゲーノ効果”の現在地(Yahoo!ニュース オリジナル 特集)

「パパゲーノ」という言葉を知っていますか?心あたたまる「死にたい自分を肯定する物語」 | ステラnet

【パパゲーノ効果】“自殺抑止”自らの経験を「歌」にする女性を取材(テレビ朝日系(ANN)) – Yahoo!ニュース

自殺総合対策大綱~誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して

 

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TANOSHIKAライター。うつ病、AC(アダルトチルドレン)、機能不全家族育ち。現代詩を勉強中です。セクシャルマイノリティ当事者。読みやすい、わかりやすいをモットーに様々な記事を書いていきます。