選挙でのネット投票を望む若者や海外の有権者と、政府との温度差。

ネット投票

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

2022年7月、参院選が終わりました。選挙について調べていると、多くの人が様々な理由で選挙の『ネット投票』を希望しているのがわかりました。

ネット社会と言われている中、なぜネット投票は実現しないのか?それには、政府が“不正の懸念”と、“システムの安全性や安定性の問題がある”としている為です。

ネット投票に関しては政府は、2000年からは《在外投票制度》が、衆院選から比例選に限って導入され、2007年参院選からは選挙区選にも拡大。国内の最終住所地の市区町村選挙管理委員会に申請し、在外選挙人名簿に登録されると、在外公館か郵便などで投票できる、実証実験を行なっています。

今回はそんなネット投票の問題について、様々な視点から考えます。

若い世代は、選挙はネット投票希望

参院選を控え調査した、WEBアンケート「選挙どうする?」。有権者の若者の大半が投票に前向きな捉え方を見せた反面、若い世代ほど1票で今の政治を変化させたいとの割合は少なく、政治との距離感がありました。フリーな時間にサッと出来るネット投票を希望する声は多く寄せられ、選挙候補者に親しみを感じられる取り組みや政治の中身を解説したWEBサイトなどを求める意見も寄せられました。

18・19歳の新成人が「必ず投票する」「投票に行く予定だ」と答えた理由は、「国民の平等に与えられた義務だと思う」を選択した人が43%、20、30代でも支持を集めました。その反面、「今の政治を変化させたいから」と選択したのは18・19歳の新成人では9%、20代で14%、30代で23%と低調でした。40代以上で選択した人は27%でした。データの詳細は下記から見れます。

参照:下野新聞(2022)選挙どうする?

「投票しない」「未定だ」と回答した人が自由記述で選挙に導入を要望する声が高まったのが、ネット投票です。ネット投票は、「公平な選挙運営のためシステムを安定的に稼働させられるか」などの課題が、実現に向けて大きな壁だと言われています。

それでもアンケート結果では「会場を投票所を設置するのではなくネット上で投票も可能にする。そうなると若い世代の投票率も伸びるはず」「投票所に行かなくてもネット投票できる選択肢」「住民票が県外であっても(簡単に)投票可能な制度」「大学の授業での一環でネット投票」などの記述が届きました。

参考:若者が望むのは「ネット投票」「政治身近に感じる情報」 下野新聞(2022年)

その一方で、選挙の投票のやり方などを、分かりやすく理解出来る仕組みを取り入れて欲しいという回答も多く寄せられました。「選挙候補者にもっと親しみを感じられる仕組み」「今の政治について理解出来る様に解説してくれるWEBサイトの開設」など、有権者が選挙候補者を判断する時、参考になるようなツールを希望する人も多くいました。

今年2022年の参院選、どれ位の人が投票に行ったか?アンケート

LINE株式会社が保有する、スマートフォン専用のリサーチプラットフォーム「LINEリサーチ」を使い、日本全国の男女を対象に、今年の参院選前と後の投票行動について調査した結果が下記になります。

また、投票した人と投票しなかった人をグループで分類し、どんな取り組みや制度があったら投票したいか、「利便」「お得・楽しみ」「ガイド」などの選挙で投票したくなる施策案を募集しています。

どのグループでも「ネット投票ができたら」がダントツで1位でした。2位3位には、「投票できる場所が増えたら」もしくは「投票するともらえるお得なクーポン/割引などがあれば」が続きました。

特に、投票前の時点で「投票予定はわからない」としていたB・Dグループ、結果として事前の予定と違う行動をとったCグループには、利便性を上げる「ネット投票」はより効果的という結果です。

画像・引用:【LINEリサーチ】今年の参院選に投票した・しなかった人の選挙前の予定を3つにグルーピング 「予定通り参加したグループ」の4割が60代以上という結果に PR TIMES(2022年)

海外の有権者から、ネット投票を求める声が多数集まる

海外で生活する有権者が国政選挙に参加する在外投票制度の一部に、オンライン投票を導入されました。同在外投票制度は手続きが複雑で、有権者の利用が停滞していたことが課題でした。ですが、実際に有権者が投票出来る手段は郵便配達など昔の風習のままで、海外の有権者からは「ネット投票」の必然を要望する声も高まっています。

外務省によれば、在外選挙人名簿への登録に関して、在外公館から遠い地域で生活している人には経済的負担が大きくかかり、約100万人と言われている在外邦人の有権者のうち、登録者数は1割にも届きません。ただ、今年2022年4~5月の在外選挙人名簿の新規有権者数は2021年同期比2~3倍に達しました。担当者は「2022年4月から在外選挙人名簿の手続きをオンライン導入したことが反映に繋がっている」といいます。

2021年の衆院選において、在外邦人の有権者の中で、約2%の2万人弱しか投票が叶いませんでした。衆議院解散から選挙投票までの期間が現行憲法の元で1番短かったことや、コロナ禍で国際郵便の到着が遅延した影響もあり、同在外投票制度の課題が鮮明になりました。

在外邦人の間で期待が集まっているのが、ネット投票です。2022年1月、海外在住の有権者が、ネット投票の実現を要望する約2万6000人分の署名を集め、林外相へ提出されました。

ネット投票に向けた発起人の1人で、イタリア中部のペルージャ在住の翻訳業の女性は2021年の衆議院選挙で郵便投票にチャレンジしましたが、同在外投票制度の手続きに時間がかかり過ぎると痛感しました。Twitterで女性が問題提起すると、賛同者からは「郵便投票は国際郵便の到着が一度も間に合った事例がない在外公館投票の案内が選挙が終わった後に来た」などの声が多く届いたと話します。

女性の住むイタリア中部のペルージャから最寄りのローマの大使館までは電車で往復8時間超かかります。今回の参議院選挙は、旅行中だったのもあり、女性は旅行先から帰国後約1万2000円の交通費をかけ、ミラノの総領事館へ投票に行きました。「体力的にも経済的にもしんどいです。政府には、どうすれば在外法人の投票率を上げられるか今一度検討して頂きたい」と訴えます。

参考:最寄りの大使館まで電車で往復8時間、海外有権者から「ネット投票」実現求める声 読売新聞(2022年)

総務省によれば、政府から在外選挙人名簿に登録された有権者の同在外投票制度には、〈1〉在外公館で投票〈2〉郵便投票での受付〈3〉日本に一時帰国して投票、の3パターンの仕組みが導入されています。ですが、郵便投票に関しては、海外から日本の市区町村の選挙管理委員会に対して国際郵便で投票用紙を請求し、到着したら日本の市区町村へ国際投票用紙を返送するという1往復半の手続きが課題で、国際投票の簡略化を要望する有権者の声が相次ぎました。

投票するまでの壁。ネットを介した選挙運動、電子メールはまだダメ

7月10日に投開票を迎える参議院選挙を前に、有権者に与えられている選挙運動に対し、電子メールでの特定の選挙候補者への投票依頼を禁止している公職選挙法の定義に疑問の声が投げかけられています。

インターネットを介した選挙運動が解禁された後、SNS上で「投票に行きましょう!」を発信出来るようになっている経緯からです。同じ電子メール扱いでも、対立選挙候補者を指定して「落選させましょう!」と発信する事は出来、関係者から「なぜだ?」「改善の余地がある」との不満が高まっています。

インターネットを介した選挙運動は2013年の公職選挙法改正で解禁され、ブログなどの「WEBサイト等」と「電子メール」に分けられました。WEBサイト等には、無料通信アプリ「LINE」や「Facebook」などのSNS、動画投稿サイト「YouTube」などが入り、有権者によるある特定の選挙候補者への投票依頼が可能だとしています。

それに反し、電子メールでの選挙運動の使用は選挙政党や選挙候補者を外して禁止となりました。有権者が選挙候補者名を出して「あなたの清き一票を投票して下さい」と電子メールで他の有権者に発信されると、公職選挙法違反に問われる場合も生じます。違反が生じると2年以下の禁錮または50万円以下の罰金を課すという罰則もあり、場合によっては有権者1人ずつに与えられた選挙権と被選挙権も剥奪されます。

総務省の担当者によれば電子メールを禁止する理由に関して「(電子メールは)誹謗中傷やなりすましに悪用されやすい」と説明していますが、落選させるための運動では利用できます。公職選挙法が想定する「特定の選挙候補者の当選を目標とした行動」に該当しないとの判断だからです。送信者のメールアドレスや氏名の表示させることが条件で「○○選挙候補者を落選させましょう!」とメール送信も可能です。

参考:「投票間に合わない」「早くネット投票を」 衆院選の在外投票、海外邦人ら不満の声 朝日新聞GLOBE +(2021年)

なぜネット投票解禁を政府が渋るのか、考えられる理由

ネット投票は今後、日本の選挙においても拡大が可能となるのでしょうか。ネット投票が取り入れられれば投票所や開票所の設置が不要となります。選挙費用も低コストとなり、結果がすぐにハッキリと判明します。

さらに、ネット投票では効率性に合わせ、ネットが昔から近くに存在した若い世代だけでなく高齢者も選挙の投票率の向上が期待されるとしています。投票率は年齢が高いほど高確率になるデータもありますが、80歳以上になると投票率も下がります。健康上の問題で投票所に赴くのもキツい高齢者が増加するからです。

ただ、政府はネット投票を取り入れることに関しては後ろ向きです。

①ネット投票のシステムを安全かつ安定的に稼働することが可能なのか?
②公平・公正な選挙を維持出来るのか?という問題が生じるからです。

①については、サイバー攻撃が大きな一因です。
全国規模の国政選挙の投票では1億人超の有権者のデータをまとめることが必要となりますが、サイバー攻撃への心配は拭えません。デジタル環境の発達した海外でもネット投票の参入が加速しないのも同様の理由です。

②については、有権者が投票立会人が立ち会わない場所で、他人に強制や買収などされず、自分の意思で投票可能かというのが重要な課題です。公平・公正な選挙という目線から考えると、ネット投票は地域を問わないので自由な気持ちで投票可能の様に思えますが、人の目の及ばないところで何が起きているのか分からないというのも懸念材料です。

参考:インターネット投票は実現するか NHK解説委員室(2022年)

ネット投票が専門の明治大学の教授の男性は「この公平性を問う世界共通の認識の課題で、なかなか解決策が出ません。そのため、ネット投票を導入している国はほとんどありません。導入したエストニアは期日前のネット投票に限り、自由意思による投票をキープするために、何度でも投票を繰り返される様にしている」といい、日本では「向かない」という議論も起こっています。

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ネット投票なぜできないの? 不正の懸念は世界共通の課題 神戸新聞NEXT(2021年)

2022年参院選の投票にちゃんと行きました。

以前障害者の選挙の投票についての記事を書かせて頂きました。まず「障害者の私が投票に行っても、意味がない」と言っていた私が選挙に行くのか?という話題の返答ですが、今18歳の成人の子も「選挙に行きましょう」と言っている中で、私は「その子達より少し長く生きていてだいぶ前から有権者であるのに、30代にもなって投票に行った事ないとか人として駄目じゃないか」と考えたので、行きました。

本当に投票は分からないことだらけでした。入場券に、期日前投票に行く時に、仕事があるとかの理由で、早く行っても良い理由を書くこと、投票も入場券渡した後、鉛筆を持ったまま投票したい人の個人名と比例代表を書き、それでようやく投票と、意外と投票までの工程多いんだなと思いました。本当に手と足が一緒に出る、そんなふわふわした気持ちで行った投票でした。

ネット投票は確かに、ですよね。今インターネット社会で、書類がなくても、スマホ1つで登録出来る時代だからですね。スマホを持つ年代が若くなっている中で、世の中の流れには逆行しているかもしれません。でもこの記事を書いて、色々課題もはらんでいることに気付かされました。

スマホ1つで投票は選挙に行ったことなかった私でもやりやすい投票だと思うので、私もネット投票に向けて、課題が1つずつクリアされ、導入されることを望みます。

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初めての国政選挙と向き合った若者が投票した理由、しなかった理由 参院選2022福井選挙区の声 福井新聞ON LINE(2022年)

ネット投票なぜ実現できない? 海外では導入事例も、国内では不正防止対策に高い壁 限定的な活用を期待 参院選18~29歳アンケート 南日本新聞(2022年)

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎、右手人差し指に汗疱、軽く両膝の軟骨すり減り、軽度に近いすべり症、坐骨神経痛などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。