障害者が選挙で感じる壁とその対策。〜視覚障害、聴覚障害、全ての障害者を平等へと祈り〜  

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

2022年7月10日の参院選を前に、テレビで党首の討論会や政見放送、地方への演説など、今選挙関係の内容を観ない日がない毎日ですね。

そんな参院選に向けて、点字版や音声版の選挙公報が届かない、手話や字幕の付いた政見放送が観れない、郵便投票が自分は対象ではないなど、障害者が選挙の投票に行くまでのハードルはいつも高いのです。

今回は障害を抱える人が投票するまでに困っている事、代理投票の事などについて皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

選挙に投票する前の障害者の壁

2022年7月10日投開票の参院選に向け、障害を抱える人が投票しやすい環境づくりを求める声が沢山寄せられています。点字や音声付きの選挙公報が届かなかったり、政見放送に手話通訳や字幕がない事例もあり、障害を抱える人が候補者の中から投票先を考える時の「障壁」になっているからです。障害を抱える当事者団体は「一票の権利は重い」として政府に投票での法改正や運用改善を指摘します。

認定NPO法人「日本障害者協議会( JD)」は障害を抱える人が投票時に思った不平等さの実態を把握するため、心身に障害を抱えた人や家族らを対象にオンライン調査を実施しました。200件余りの回答が届き、2022年5月末に実態調査の結果を発表しました。

参議院候補者の経歴や政見放送などを選挙管理委員会が1つにまとめた選挙公報については「点字版や音声版も希望します」「弱視者向けの文字の拡大版も欲しいです」などの要望が寄せられました。公職選挙法上、重度の身体に障害を抱える人達に限定されている郵便投票の障害を抱える人の対象を拡大するよう要望する意見も出ました。公職選挙法は選挙公報を有権者がいる世帯に対して投票日の2日前までに配布する様に市町村選挙管理委員会に義務付けていますが、点字版や音声版、文字拡大版を想定した決まりはないのです。

現在は、各都道府県が障害を抱える当事者団体の協力もあって点字や音声に置き換えた選挙公報も用意しています。しかし公共施設に設置しているだけの自治体もあって、確実に障害を抱える人に行き届く仕組みにまではなっていません。政府は選挙公報の点字化に関して、候補者に関する情報が膨大で、短期間で下準備することが困難なことなどを理由に挙げ消極的な構えです。

自身も視覚障害があるJDの代表は「選挙公報は、活字版と一緒に点字版などを公職選挙法に紐づけるべきだ」と法改正を提言しました。

政党の党首や候補者がテレビで公約などを訴える政見放送に関しても、出演された候補者が自主的に手話や字幕を付ける傾向が定着しつつあります。ですが公職選挙法に決まりはなく、出演者の裁量に任されています。また政府は政見放送に手話を付けることに対して「選挙運動への介入に繋がる可能性がある」(総務省選挙部)と好意的ではありません。

参考:障害がある人も投票しやすい環境を 点字がない公報、字幕がない政見放送…進まない法改正 東京新聞(2022年)

JDの調査には、投票所の環境改善に関する意見も届きました。自筆が困難なため職員に投票用紙への代筆を頼んだところ「周囲に聞こえる声で候補者名を確認された」といいます。投票所に足を運んだのに、知的障害者が「投票する意思があるのか」と問われるなど、差別的な対応を受けたという訴えも複数ありました。

点字投票用紙を要望

NPO法人視覚障害者支援ネット・チームまなざしは2022年6月、視覚に障害を抱える人の点字投票率の効率化を目指し、京都府福知山市選挙管理委員会に要望書を提出しました。

福知山市役所を訪問したのは、点字投票用の用紙を使用して毎回投票をする福知山市民2人を含む視覚に障害を抱える同NPO法人視覚障害者支援ネット・チームまなざしの会員5人です。その後舞鶴市の理事長と夜久野町直見の監事が、福知山市選管事務局の局長に同NPO法人視覚障害者支援ネット•チームまなざしから提出された要望書を渡しました。

同NPO法人視覚障害者支援ネット・チームまなざしは京都府の福知山、綾部、舞鶴3市の視覚に障害を抱える人とその支援者約50人で構成され、2021年に発足。視覚に障害を抱える人が生活しやすい地域の発展を目標に活動を続けています。提出された要望書では、点字投票をする有権者が投票所に向かうまでに困惑しないように、対応事務を職員間で視覚に障害を抱える人の把握徹底を呼びかけることなどが書かれています。

参考:点字投票をしやすくと要望書 視覚障害者ら市選管訪れ 両丹日日新聞(2022年)

市選管事務局職員3人と対話した同NPO法人視覚障害者支援ネット・チームまなざしの会員は「視覚障害者が期日前投票に行こうと思っても交通手段がない。何らかの方法がないものか」との悩みも打ち明けました。

知的障害者の為の投票の手引き書

7月10日投開票の参院選を前に、知的障害があって自分で書くことが難しい人でも投票できることを知ってもらおうと、投票所の職員が代筆する「代理投票」について説明した手引を市民団体が作成した。当事者や家族、福祉施設などに無料で配布している。

手引は「知的障害者・家族・支援者のための選挙のしおり」という名称で、A5判12ページ。有識者や障害者団体職員らでつくる「障害をもつ人の参政権保障連絡会」(東京)が作った。

引用:知的障害者向け選挙の手引を作成 市民団体、代理投票を説明 東京新聞(2022年)

実は私、

選挙の投票に行った事が一度もないんです。20歳になる前に障害が分かって、通院以外基本的に外出しない生活が10年続いて、働き出してからも投票にも行きませんでした。

よく「自分が投票に行っても変わらない」という意見がある様に、私の場合は「障害者の私が投票に行っても何一つ変わらない」とずっと思っていました。

しかし2022年成人年齢が引き下げられ、18歳の若者が「投票に行きましょう」と呼びかける時代。一度も行った事がない自分を恥じました。

なので今度の参議院選挙の投票に行きたいと思います。投票用紙も今まで書いた事がないので、本当に初めての体験。立候補する議員さんの公約も読んでおかなきゃいけないですね。30代になってから、初めて体験する事の方が少ないかと思いますし、初心者マークで行って来ます。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。