人口減少社会を支える交通インフラのあり方と町のあり方

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過疎地域の交通手段

近年豪雨災害により被災し、収入の見込めない過疎地域ではなかなか復興できない現実があり、一部区間で不通が続くJR日田彦山線ではBRT(バス ラピッド トランジット)の導入が決まりました。簡単に言うと、不通になった鉄道のレーンにバス専用道路を整備し、そこに鉄道の代わりのバスを走らせるという方法です。(この区間では一部一般車道を走るようです)メリットとしては導入した気仙沼では鉄道の時より便数が増えたことや、維持費などが少ないこと。デメリットは鉄道の時より時間がかかることです。

今回は過疎地域の交通のあり方や、将来こうなるんじゃないかという事例をいくつか挙げていきたいと思います。

参考:ローカル線「BRT転換」のメリットとデメリットhttps://trafficnews.jp/post/81531

21世紀型交通MaaSとは

MaaS(マース)という言葉をご存じですか?

「MaaS(Mobility as a Service)」とは、地域住民や旅行者一人一人のトリップ単位での移動ニーズに対応して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括で行うサービスです。

従来の交通サービスの利用方法では、利用者が出発地から目的地までの道順を検索し、鉄道、バス、タクシー、カーシェア、シェアサイクルなど様々な交通サービスから、どれを使うのかを選び、それぞれの交通機関ごとに個別に予約をしたり、料金を支払ったりします。

一方、MaaSによるサービスでは、スマートフォンのアプリを立ち上げれば、出発地から目的地までの交通手段の検索から予約・支払いまでができ、さらには、観光案内、飲食店やホテルの予約・支払い、または病院や行政サービスなどの予約・支払いも一括して行うことが可能となります。

引用:政府広報オンライン「移動」の概念が変わる?新たな移動サービス「MaaS(マース)」 https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201912/1.html

かつて日本の多くの地域は、鉄道とともに発展してきた。人が住む重点地域同士を結ぶ傍ら、住宅地に適した土地に駅を作り、計画的に新たな都市化を図ってきたのだ。当時は右肩上がりの経済が前提だったため、今では疲弊し過疎化している地域もあるが、交通の要衝となる地域は周辺地域に比べ元気なまちが多い。交通の利便性がまちの住みやすさを決定づける重要なファクターとなっているのだ。

時代を経て、一定の交通インフラが完成した現代においては、都市部を除き鉄道やバス路線などの廃止が目立つようになってきた。いわゆるクルマ社会と人口減少が主な要因だが、クルマ社会は住民を大きく二つに分けた。マイカー所有者と非所有者だ。

マイカー所有者の増加に伴い郊外型の店も増加し、商業地などが分散する一方、マイカー非所有者は足がないため、公共交通に頼った生活をしなければならない。バスをはじめとした公共交通は需要の総数が減る一方、マイカー非所有者の足を確保しなければならない責務から赤字運営となり、自治体からの財政支出に支えられている路線も少なくない。

地方においては負の連鎖が続きそうな状況だが、これを断ち切る可能性を持つのがMaaSだ。基幹となる鉄道やバス路線を軸に、デマンドバスやタクシーなどを効率的かつ利用しやすい形で提供することで新たな需要を喚起し、顧客減に歯止めをかけながらコスト削減に努めることで事業の継続性を確保していくことができる。マイカー非所有者も、やや遠方のスーパーや病院に安心して出かけることが可能になるのだ。

地域の各移動サービスを一つの交通サービスとして捉え、地域の課題解決に結び付けることこそ地方版MaaSの本質と言えるだろう。

引用:自動運転LAB「MaaSの3種類「都市版」「地方版」「観光型」それぞれのメリットは」https://jidounten-lab.com/u_maas-live-ranking

コンパクトシティのメリット、成功した街

この章ではコンパクトシティについて触れたいと思います。コンパクトシティとは都市的土地利用の郊外への拡大を抑制すると同時に中心市街地の活性化が図られた、生活に必要な諸機能が近接した効率的で持続可能な都市、もしくはそれを目指した都市政策のことです。

富山市では以前、絵に描いたようなドーナツ化現象が起きていました。通勤する人のほとんどがマイカーを使っており、公共交通機関がかなり衰退していたのです。まさに車がないとやっていけない、という環境です。

このままではダメだとして打ち出した対策が街を「串と団子」の構造にすること。日常生活を営む生活圏を団子、それらをつなぐ公共交通機関を串にたとえています。

まずは廃線になる予定だったJR線を利用して路面電車を作りました。これにより車がなくても生活できる環境が整えられ、公共交通機関の利用者数は次第に増えていきます。続いてバスの路線を充実させるなどの改善も続けていき、自動車を利用する人の数が減っていきました。実際富山市はCO2排出量が減ったことで環境モデル都市にも指定されています。

引用:久留米工業大学「コンパクトシティとは?新しい街づくりから見るコンパクトシティのメリット」https://www.kurume-it.ac.jp/future/compact-city

北海道の夕張市もコンパクトシティの成功例でしょう。人口減少や財政難から、いかに町の機能や居住地域を集めるかとても苦慮されたと思います。ちょっと前にテレビの特集で鈴木直道さんが取り上げられていて市長時代に住民の側に出向いて居住地域の集約の説明を根気強く行っていたのを思い出しました。

夕張市交通網の再編

現、北海道知事である鈴木直道さんは、夕張市長時代、攻めの廃線を行いました。JR北海道が夕張支線の存続困難を表明する前にJR北海道に夕張支線の廃止を逆提案しました。その際に廃線後の交通の確保の協力を大幅に得ました。

夕張支線と地元の夕鉄バス並行して走り、減り続ける乗客を奪い合っていました。JRが無くなっても地元のバスは存続します。一つの選択肢に絞れば運航頻度が上がるので利用客を増やせます。

夕張市でスクールバスのオンデマンド化、市内の中学校、高校を一校ずつに集約して遠方から通学する学生のために始めました。学校に設置した端末のほかスマートフォンからも予約ができるシステムを作ります。予約がない時に運行をしなくていいので経費削減にもつながっています。スクールバス以外にもデマンドバスは広がります。夕鉄バス、夕張市内線を軸としてデマンドバスやタクシーは拾いきれないところをフォローします。交通体系を再編し作り上げました。

参考:株式会社リコー「126年の歴史に終止符を打つJR夕張支線」http://blog.ricoh.co.jp/RISB/regional_revitalization/post_399.html

参考:真の利用者ニーズをつかまえ地方バスの隠れた需要を掘り起こすhttps://www.jt-tsushin.jp/interview/jt18_unitrand/2/

参考:市自ら選んだ「攻めの鉄道廃止」JR石勝線夕張支線、代替バスはどう「進化」したのかhttps://trafficnews.jp/post/85452/4

廃線になってしまっても魅力のある場所

鉄道には熱心なファンの方たちがいます。鉄道ファンには乗り鉄など様々な楽しみ方をしている方がいます。廃線になった場所を訪れる鉄道が好きな方もいるようです。独自の視点で書かれた記事を見つけました。

鉄道ファン以外でも楽しめる廃線観光施設

岐阜県飛騨市の「レールマウンテンバイク Gattan Go!!」は、旧神岡鉄道の廃線を利用したレジャー施設です。自転車を2台並べ、廃線のレール上を走行可能とした乗りものです。鉄道廃線跡は道路のような急勾配がなく、ローカル線の駅間は人里離れた風景が見れます。そこを自分の足を使って漕いで走ります。サイクリングと違ってハンドル操作が要らないため、走行中も景色を楽しめそうです。

宮崎県の「高千穂あまてらす鉄道」は、旧高千穂鉄道の線路を利用した遊覧鉄道です。軽トラックを改造したトロッコ車両で、かつて終着駅だった高千穂駅から高千穂橋りょうまでを30分で往復します。高千穂橋梁は国鉄時代から、東洋一高い鉄橋として知られています。水面からレールまでの高さが105メートル。レールの間から水面が見えるなどスリルも満点です。

ちょっと話は変わりますが、現在コロナ禍でも鬼滅の刃のコミックや映画「無限列車編」は日本の経済に力を与えてます。11月JR九州は鬼滅の刃とコラボして無限列車を走らせました。社会現象となっている鬼滅の刃はたくさんのファンの方がいます。鉄道ファンと相乗効果でたくさんの人が集まっているのをテレビで見ました。
今回使ったSLは大正時代に作られた蒸気機関車だそうです。このことから
鉄道ファンやさらにいろんなことをかけ合わせることでニーズを掘り起こせば魅力のある廃線をつくれるのではないでしょうか。実際に北海道陸別町では運転士の体験をできるところがあります。

参考記事:「観光列車の次のブームは廃線かもしれない」https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1702/10/news030.html

今回調べてみてわかったこと

コンパクトシティ同士をつないだり都市や鉄道につなぐ交通網をいかに作るか、これからの課題です。 観光資源のある場所だとMaaSがつかえるのでは、オンデマンド交通を利用するのもありだと思います。また人数が多い場合などタクシーではなくマイクロバスで乗り合わせするのもありだと思います。 昨今ななつ星などで旅行するのに価値を見出してきた、*いっそのこと観光資源のあるところをリゾート会社が買い取って、列車から見える景観に工夫を凝らして資源にしてはどうかという記述を見つけました。

実際に観光に特化した京都の嵯峨野観光鉄道というのが成功したモデルとしてあります。  (JR西日本の完全子会社)

人口減少社会パイの奪い合いでは競争力のない所はかなわない、今ある現在の人口をいかに減らさないかということが課題であり、いかにその場所の付加価値を見い出すかは良くも悪くも鉄道や鉄道の跡地をどう生かすかにかかっていると思います。

様々な角度からみてきましたがBRTや廃線になっても愛着のある場所でそこに住む人たちが交通に不便をかんじることなく自分らしく暮らせる町であってほしいなと思います。

JR九州もBRTに切り替えて終わりではなく住民の立場になっていろいろ模索してほしいなと思います。

*参考 JR北海道の経営危機を救う「5つの解決策」https://toyokeizai.net/articles/-/165687?page=3

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