『ゆめパのじかん』。〜子どもの「やってみたい事」が集まっている、川崎市子ども夢パーク〜  

ゆめパのじかん 映画

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

「子ども達みんな大事にされなければならない」。

その理念を元に川崎市の子ども達と周りの大人が一緒に考え、話し合いを重ねて「川崎市子どもの権利に関する条例」は制定されました。

そして2003年7月に、「川崎市子どもの権利に関する条例」をもとに作られた神奈川県川崎市高津区にある子ども達のための遊び場、「川崎市子ども夢パーク」を舞台にしたドキュメンタリー映画『ゆめパのじかん』が、2022年7月9日(土)より東京・ポレポレ東中野ほか全国にて順次公開されています。今回はそんな川崎市子ども夢パークに迫ります。

ゆめパとは?

2000年に制定された「川崎市子どもの権利に関する条例」をもとに市民参画で作られた川崎市子ども夢パーク。工場跡地を利用した約1万平米の広大な敷地にプレーパークエリア、音楽スタジオ、創作スペース、ゴロゴロ過ごせる部屋、学校に行っていない子供のための“フリースペースえん”が開設されており、“ゆめパ”と呼ばれている。家庭でも学校でもない第3の子供の居場所を公設民営で運営する先進的なモデルとして、全国の自治体から注目を集めているという。

画像・引用:約1万平米の子供のための遊び場、川崎“ゆめパ”に密着したドキュメンタリー公開 映画ナタリー(2022年)

予告編も紹介

映画『ゆめパのじかん』に出て来る子ども達

 

泥だらけになって遊ぶ子ども達でワイワイするプレーパーク、ゴロゴロ寝そべれる部屋。学校に行かない子ども達が集まれる「フリースペースえん」も併設されているゆめパ。

劇中では、虫や動物が大好きな小学生の男の子達が、アリが出入りする巣穴を覗いたり、必死に歩き回るアリ達をぽかーんと口を開けたまま見守っていたり、カマキリをつかんで、カメラに「捕まえた!」と笑顔を見せます。

また、厳しいスタッフの指示に真剣に耳を傾けながら、大好きな木工に熱中する女の子。

そして彼らを優しくそばで支える大人のスタッフたち。子どもの居場所を提供する多層的な空間を交え、毎日30~40人が元気に通います。

「(学校の)ノートに模写するだけの勉強が好きじゃない」

「(不登校の理由を問われ)なぜだろう。答えることが出来る人なんていないと思う」。

このように子ども達自身が不登校について、真剣な眼差しで話すシーンもあります。

「ゆめパ」の管理を委託されている、運営の認定NPO法人「フリースペースたまりば」の理事長の男性によれば、「大人が担うのではなく自分のしたいことに熱中できる時間が子どもの成長に繋がるとても大事なことだと、今回再認識した」と映画で新たな発見が出来たと語ります。

参考:子どもたちは守られているか 映画「ゆめパのじかん」が問うもの 朝日新聞デジタル(2022年)

日々ゆめパに通うことを楽しみにしている1人の男の子に話を聞くと、「ゆめパには様々なバックグラウンドを持つ人が来て、思考の違いも感じられるし、知識が沢山溢れていく。学びの選択肢が無限に集まれば、全員が豊さを感じ多幸感に包まれる。僕自身も今を幸せに感じて生きていますし、周りも幸せな気持ちで生きていることが僕の今の夢です」と言いました。

映画『ゆめパのじかん』を製作した監督の想い

子ども達の「やってみたい」との好奇心を重んじ、たき火や泥遊びなども可能な、神奈川県川崎市にある公設民営の遊びの広場「川崎市子ども夢パーク」(ゆめパ)をメインテーマに、3年間ゆめパで過ごす子ども達に密着取材した重江良樹監督は、優しい大人が見守りがある子どもの「居場所」が日本全国に拡充して貰いたい、との想いを映画に注ぎ込みました。「時間は関係なく、やってみたいことに夢中になれる姿を大切にして貰えたら」との願いから、映画の題名を『ゆめパのじかん』に決定しました。

重江監督は前作2016年公開の[さとにきたらええやん]で、大阪市西成区の児童施設に密着取材。映画公開後の感想には、同じ様な居場所がもっと近くにあればいいのに、と共感する声が多く寄せられました。そこで目星を付けたのが「子どもの権利条例を制定し、移民の税金を活用して完成した子ども達の居場所」だったゆめパでした。

当時所長を務めていた男性も「子ども達がしたいことにチャレンジし、育む姿を撮影して頂きたい」と快諾。重江監督は2019年春から3年間、大阪市から夜行バスで通い詰め、子ども達と信頼を得て撮影をしてきました。

映画では、子ども達がお店を開く一大イベント「こどもゆめ横丁」やどんど焼きといった季節のイベントを差し込みながら、学校に通学せず1日をゆめパで過ごす子ども達が、自分の興味を追求しながらも自主的に学習していくことの意味や未来を見据えて、感情が揺れ動く様子を優しいトーンで描き出しました。

重江監督は「他の地域でゆめパの様に大きな規模で作ることが厳しくても、頼れる大人の優しい見守りがある『居場所』というエキスを担っている場所が、必要だと感じる多くの子ども達の身近に存在する様な社会になって貰いたいです」と展望を伝えました。

参考:子どもがありのまま過ごせる居場所とは…重江監督がドキュメンタリー映画「ゆめパのじかん」に込めた思い 東京新聞(2022年)

2021年に初代所長を退任し、現在は総合アドバイザーとしてゆめパを支えている男性は「周りから評価して貰えないと落ち着かず、生きづらさを持った子ども達が今沢山いる。映画の中では、そのままの姿が大人から肯定されて懸命に毎日を生きている子ども達が、自分の興味のあるものと巡り合い、自分から率先して成長していく、映画のタイトルに入っている『じかん』がメインテーマとして一貫している」と語ります。

最初に感じた気持ちと、記事を書いた後で変わったゆめパへの気持ち

最初ゆめパに関する記事を観た時に、お母さんと小さいお子さんが一緒に遊んでいる写真がトップだったので、子育てする家族が親子で楽しめる施設だと思っていましたが、よくよく記事を書く時に読んでいくと、子ども達が自立して自分で考えて行動する、子ども目線で考えられる複合施設だという事が分かりました。なので、書く前に考えていた構成と、少し変わりました。

こういう子どもの意見を尊重して、「自分の思うままにやって」という、主体的な施設は日本でも類を見ない施設だと思います。この施設に触れることで、思考力が養われ、自分の考え方や意見に幅が出来て、子ども達の可能性も無限に広がるなと感じました。こういう自然の中にあって、既にあったもので遊ぶのではなく、時には自分で作り出して、新しいものを作る、本当に子ども達の想像力も豊かになりますし、ゆめパのある川崎市は羨ましいし、素直に凄いなと思いました。

参考サイト

関連サイト

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。