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はじめに
ただの「わがまま」や「神経質」と誤解されやすい感覚過敏の感じ方や悩み、対策方法、支援方法を当事者目線と子ども目線、感覚過敏の問題解決を目指す「感覚過敏研究所」の所長としての目線を織り混ぜながら綴った書籍『感覚過敏の僕が感じる世界』が2022年7月29日に日本実業出版社より発売されることになりました。
書籍の内容
加藤さんはこれまで、感覚過敏を理由に友だちづきあいや外出、食べること、おしゃれ、挑戦などをあきらめざるを得なかったそうです。
この書籍の序文は下記の様に締めくくられています。
言葉にできない感覚で悩んでいるすべての人に、体感できずに支援方法や接し方に悩んでいる家族や教育関係者の人に、この本で「感覚過敏」について僕が感じていること、知っていること、思っていることのすべてをお伝えできればと思っています。
加藤路瑛(じえい)さんとは?
2006年生まれの現在は、16歳になります。
株式会社クリスタルロード代表取締役社長でありながら、感覚過敏研究所所長でもあります。
幼い頃から、聴覚・嗅覚・味覚・触覚の感覚過敏の症状があり、小学生時代は給食が食べられなくなり、中学生になると教室の話し声や、騒がしさに悩まされ、中学2年生から不登校になってしまいます。
のちに、通信制高校へ進学し、子どもが挑戦しやすい社会を目指してわずか12歳で親子で起業します。
子どもの起業支援事業を経て13歳で「感覚過敏研究所」を設立する。
感覚過敏の啓発、対策商品の企画・生産・販売、感覚過敏の研究に力を注いでいます。
感覚過敏とは?
感覚過敏とは、周りの匂いや音などの刺激にとても敏感な状態のことです。
例えば電車に乗っているときに香水や柔軟剤の匂いで体調を崩す、人の話し声が気になって仕事に集中できないなど、感覚過敏によって日常生活や仕事で困っている方もいます。
嗅覚や聴覚だけでなく、視覚や触覚などにも過敏を感じることがあります。
靴の中の小石
加藤さんは、感覚過敏はどんな症状かと聞かれたら、「靴の中の小石」とたとえます。
靴の中の小石を不快に思っていても少しの間なら辛抱できますが、ずっとその状態が続くと耐えられなくなります。そのまま放置しておけば、足の不快感や痛さはどんどん増していきますよね。
それと同様に、感覚の刺激でつらいと感じても一瞬くらいであれば我慢できることは多いのですが、長い時間症状が続けばその分、つらさが大きくなってしまいます。
感覚過敏の困難さは「靴の中の小石」をイメージしてもらえると分かりやすいと思います。
感覚過敏研究所
五感にやさしい世界を、感覚の過敏さを通してくらしやすい社会を創造する。を掲げ、感覚過敏の問題解決のために、2020年1月に発足した、加藤さんの会社です。
感覚過敏の啓蒙活動、商品・サービスの企画・販売・開発、感覚過敏の研究を行っています。「感覚過敏課題解決型アパレルブランドKANKAKU FACTORY」なども運営しています。
感覚過敏課題解決型アパレルブランドKANKAKU FACTORY
服のタグや縫い目、生地の肌触りによって、痛みや不快感を感じやすい感覚過敏の課題解決のために、加藤さんが立ち上げたのが「感覚過敏課題解決型アパレルブランドKANKAKU FACTORY」です。
縫い目は外側に、タグなしをコンセプトに、肌が敏感な方や触覚の過敏性がある方だけではなく、あらゆる人にとって着心地の良い衣服をお届けするインクルーシブファッションブランドになっています。
詳しい内容は、AKARIで記事になっていますので、そちらをご覧ください。
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最後に
私には、少しだけ聴覚過敏があります。
ストレスを感じると、周りの音が不快に聞こえ、耐えられないものになるのです。そんな時は、ヘッドホンをしたり、対策はしていますが、視覚や触覚などの過敏症を抱えている人は、どれだけ大変な日常を送っているのだろうかと、考えることしかできません。
ぜひ、この本を多くの人に広めたいと思います。
参考サイト
給食は地獄だった…「感覚過敏」をもつ高校生が語る苦悩。大人にできることとは
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