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こんにちは、金次郎です。
6月初旬に、年金機構より今年度の「年金振込通知書」が来ました。
両親は老齢年金で、私は障害年金です。
家族そろって、皆で「去年より、金額が減ってるぅ~」と言い合いました。
実はこの年金の中の厚生年金について、気になる変更が今年からあることをご存じでしょうか?
私たち障害者も、厚生年金保険料支払いの対象になる?
これは、今年6月初旬の新聞に載っていた記事ですが、厚生年金や健康保険に加入するには、現在は「週20時間以上の勤務」や「月収8万8000円以上」と言う要件に加え、企業規模と言う要件があります。
現在は従業員501人以上の企業のみ保険料支払い対象です。
しかし政府は、この従業員501人以上と言う企業規模要件を段階的に減らして行き、最終的には無くそうとしています。
今年22年10月から従業員101人以上に、24年10月からは従業員51人以上へと段階的に引き下げて行きます。そして2025年の法改正で企業規模の要件をなくすことを目指しており、企業規模要件が無くなれば、約125万人が新たに厚生年金に加入する見込みです。
もし、この企業規模要件が無くなると、現在私が勤務している就労継続支援A型事業所なども、厚生年金保険料の支払い義務が発生してしまう可能性があります。今のところ検討段階ですが、政府は早ければ秋の国会に厚生年金保険法の改正案を提出する予定です。
(朝日新聞)厚生年金の適用拡大を検討 企業規模要件を撤廃、飲食や理美容にも
※ 朝日新聞の記事は、会員登録しないと全文読めないので、年金機構の該当部分を下にリ
ンクを貼っています。
要件早見表
対象 | 要件 | 平成28年10月~ | 令和4年10月~(改正) | 令和6年10月~(改正) |
---|---|---|---|---|
事業所 | 事業所の規模 | 常時500人超 | 常時100人超 | 常時50人超 |
短時間労働者 | 労働時間 | 1週の所定労働時間が20時間以上 | 変更なし | 変更なし |
賃金 | 月額88,000円以上 | 変更なし | 変更なし | |
勤務期間 | 継続して1年以上使用される見込み | 継続して2カ月を超えて使用される見込み | 継続して2カ月を超えて使用される見込み | |
適用除外 | 学生ではないこと | 変更なし | 変更なし |
参照:(日本年金機構)
令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
年金の歴史
この国に年金と言う制度が出来てから、現在までの歴史を見てみましょう。
実は、現在の年金の1階部分である国民年金よりも、2階部分の厚生年金の方が、先に出来ていたりします。
厚生年金
昭和16年「労働者年金保険法」制定
昭和19年「厚生年金保険法」と改称し、男性のみ55歳から支給だったのを女性も加える
そして、第二次世界大戦後に厚生年金保険法の大改正を行います。
昭和29年「厚生年金保険法」全面改正 男性の支給開始年齢を55歳から60歳へ引き上げ
(なお、女性は55歳のままでした)
と言う具合です。
そうすると、主婦(夫)などの働いていない人への老後の生活資金が無いと言う事になりますので、昭和30年代に国民全員が年金保険に加入する「国民皆保険」制にして、国民年金制度がはじまります。
国民年金
昭和33年「国家公務員共済組合法」制定
昭和34年「国民年金法」制立
昭和36年「国民皆年金」スタート 国民年金はスタート時より支給開始年齢は65歳
昭和37年「地方公務員共済組合法」制定
更に、働く女性が増えた事や高齢化社会に対応する為に改革は続きます。
昭和60年 女性の年金権の確立
平成元年 年金額を物価によって変える「物価スライド制」導入
20歳以上の学生も国民年金制度へ強制加入
平成06年 男性の厚生年金の定額部分の支給開始年齢を65歳へ引き上げ
(女性は60歳のまま)
平成12年 男性の厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢も65歳へ引き上げると共に年金の
支給開始年齢を、男女とも65歳支給開始に統一する
平成16年 「物価スライド制」から「マクロ経済スライド制」へ
(年金額を、物価もしくは給与所得の増減のどちらかで変える)
絶対、破綻しない仕組みの年金制度とは?
「年金の積立金が不足している」とか「年金制度が破綻する」と言う声を良く聞きます。
しかし、日本の年金制度は破綻しません。
何故、そう言い切れるかと言うと、受給権(年金をもらう権利)が発生したからといっても、公的年金は、今すぐに支払わなくてはならないものではないからです。
現在公的年金がもらえるのは、65歳から(早くもらいたい人は、目減りしますが60歳からでも申請すればもらえます)。年金の受給権が発生したとしても、65歳までもらうのを待たなくてはいけないので、国はその分をツケとして先送りできるからです。
後は、国民年金部分の半分は、税金からお金を出しています。
国民年金は満額で月約6万円ほどですが、半分の約3万円は皆が支払った年金保険料ではなく税金で賄っています。
ですから、破綻しそうになったら、この税金の額を3万円でなく全額の6万円にしてしまえば、破綻しません。
更に、「保険料を上げる」・「支給開始年齢を上げる」・「支払う年金額をカットする」など、さまざまな方法があるので、年金は破綻しないのです。
その支給開始年齢も前述した様に、55歳→60歳→65歳と徐々に引き上げられていますが、日本年金機構は、既に70歳支給開始も視野に検討を始めています。
終わりに
障害者手帳が交付された時、私は耳鼻科の先生に勧められて、障害年金の申請をしました。
しかし、障害者手帳も持っている「難聴」では、障害年金は却下されました。
それは、耳鼻科への初診日が不明と言うだけの理由でした。
一番初めに、パニック発作で入院した時に、父から「後々、年金申請やその他で必要になるかも知れないから、初診日や病院名などの記録は着けておけ」と言われましたので、通院記録だけでなく、転職する度に勤務先の記録まで付けていました。
しかし、聴力低下は年数をかけて徐々に進行して行きましたので、耳鼻科に行かず会社の保健婦さんに勧められてメガネ屋さんで聴力検査をしただけで、補聴器を着け始めましたので、耳鼻科に行き始めたのは難聴が酷くなってからです。
ですので、ちゃんとした初診日を記録していませんでした。
障害年金の申請が却下された事を、現在通院している精神科の先生に話すと「貴方は、精神でも手帳が取得可能なはずだから、今度は私が診断書を書くから再度精神で申請してごらん」と言われ、再申請したところ精神では、障害年金が受理されました。
しかし、届いた「年金決定通知書」を見ると「厚生年金保険の加入期間59ヶ月」となっており「えっ?新卒で入社した会社だけでも14年務めたから、ここだけで168ヶ月になるはずだけど??」と思いました。
「59ヶ月と言う事は、5年契約で勤めたこの会社か、こっちの会社分だけ認められたのかな?」と、疑問だらけでした。
でも、認められて年金が貰えるだけでも良しとするかと考える様にしています。
その年金も、後もう少しで老齢年金がもらえる歳になります。
去年、年金機構から「あなたが65歳になったらもらえる予定の年金額」と言う書類が届きました。
書類の中には「早やもらい(60歳で年金をもらう「繰上げ受給」)」の説明書も有りました。
それは、今年の4月1日から制度変更で「早やもらい減額率」が、誕生日が昭和37年4月1日以前(30%)が4月2日以降(24%)と誕生日で減額率が変わる様になりました。
私は4月2日以降生まれですので、減額率24%が適用されます。
それで24%減額で計算して見ても、今もらっている障害年金の2倍ほどもらえる計算になります。
上に書いた様に、年金の支給開始年齢が70歳に引き上げられる可能性が出て来ましたので、私が新入社員時代には60歳支給だった通り「60歳になったら「早やもらい」しようかな?」と色々模索している昨今です。
参考
(フィナンシャルフィールド.)年金受給年齢の変遷 昔は何歳から受給できた?
(テレ朝NEWS)年金支給額0.4%引き下げ 物価高騰の中 年1万円減も…専門家「経済に
悪影響」
(幻冬舎GOLDONLINE)年金制度は破綻しないが、もらえる年金は減るというカラクリ
(日本年金機構)年金の繰上げ受給
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記事を読ませていただきました。
これまでは払う必要のなかった厚生年金を収入の中から払うように動いていたのは、びっくりしましたし驚きました。
この記事を読んで、唖然とした人たちもいたのではないでしょうか?
これからも、ためになる記事を楽しみにしています。
カメレオンさん、コメントありがとうございます。
私も、この記事を新聞で読んだ時は唖然としましたよ。
それで、勤務しているA型事業所の責任者の方に聞いたら「未だ検討段階で決定事項では無いですが、多分皆さんも厚生年金保険料支払いの対象になってしまうでしょうね」と言われました。
「早やもらい」については、精神科の先生から「止めときなさい」と言われましたが、保険料支払いプラス支給開始年齢70歳引き上げも検討されているので「70歳まで働けとか、もう本当どうしよう?早く隠居生活させてよ」と思っています。