Wheelog!。〜車椅子の方でも利用可能な、2017年に作られたバリアフリー地図アプリ〜 

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

車椅子を使っている時、「あ、ここに段差があるんだ、動かすの困るなぁー」と思う時がありませんか?私も入院生活で車椅子を使っていた時があり、ほんの少しですが車椅子の便利さと不便さを知っています。

そんな車椅子を使っている方に向けて、『Wheelog!』という、街中のバリアフリーを紹介するアプリが2017年から運営されていて、今年で5周年を迎えました。

今回はそんな『Wheelog!』のアプリの事と、そのアプリのイベントなどについてご紹介致します。

Wheelog!とは?

難病や事故など様々な理由で車いす生活になります。車いすだと思うように動けずに消極的になってしまうこともあります。その状況を少しでも変えたいです。そしてWheeLog!を通して「車いすでもあきらめない世界」をみんなでつくりたいです。何が起こったとしても自分の持っている力を発揮し生き抜ける社会に!

 

動画・引用:Wheelog!

アプリに使い方に関しては、以前別のライターさんが書かれた記事から、ご覧になってください。

Wheelog!は2022年で5周年に突入。

私の「行けた」が他の人の「行きたい」に−。「みんなでつくる」を提唱したバリアフリーマップアプリ『Wheelog(ウィーログ)!』が2022年5月、アプリリリースから5周年を迎えました。アプリを開発した一般社団法人『Wheelog!』の織田友理子代表理事は、病気の進行でほぼ体は動かせないですが「車椅子生活になっても、ここにずっと住み続けたいという安心感を貰える情報を提供し続けたい」とPRします。

Wheelogというアプリ名は、英語で車輪を意味の「WHELL」と「LOG(記録)」を組み合わせた造語で、アプリは無料で使用可能です。Googleマップとも連携しており、ユーザーは自分が訪問した場所の情報をスマホなどから投稿でき、誰かが投稿した場所にもコメントを記入出来ます。車椅子で通過出来た道を記録する走行ログ機能もあり、誰かが通過出来た道が地図上に表示されます。

『Wheelog!』の織田友理子代表理事は20代前半で筋肉が徐々に痩せていき、身体が動かせなくなる難病・遠位型ミオパチーを発症し、現在は電動車椅子で生活しています。『Wheelog!』を思い付いたのは2015年。今も代表を務める難病患者会の活動で交流の出来た方達の協力もあり、社会問題を解決する発案に助成するGoogleのプログラムでグランプリの栄光に輝き、3年間で最大5000万円使用出来る助成金を獲得しました。

2017年の『Wheelog!』アプリのスタート後は、全国各地で街歩きイベントを開催しました。駅の何処にエレベーターがあるのか、車椅子用のトイレは何処が近いのか。車椅子ユーザーは現地で困惑することもとても多いといいます。「テレビで観たお店に実際に行けるのか。事前に車椅子で行けるか分かれば安心出来ます」と実感を口にします。

参考:車いすで街歩き「みんなでつくる」 バリアフリーマップ着々更新 東京新聞(2022年)

『Wheelog!』は、多くの人の投稿により一つのスポットに関して複数の情報が集まっていく、集合知を生かしたアプリです。開発時から携わる技術責任者の島根大助教は「今まで共有されず、共有にどんな意味があるか分からなかった各地域での個人の経験や知識を意義あるものにできた」と語ります。現在のユーザー数は約3万人います。

関連記事

車いすで利用できる“バリアフリー情報”地図アプリ リリース5周年 日テレNEWS(2022年)

wheelog!の主な受賞歴

『wheelog!』は、これまで数々のコンテストで受賞された実績もあります。下記は近年のものですが、地域課題の解決、SDGs、地方創生、バリアフリーにイノベーションと、いかに様々な分野にわたって評価されているかがよくわかります。リンクとともに紹介するので、気になるものがあればご覧になってください!

近年の受賞歴など

2019年

第三回社会課題の解決を支えるICTサービス大賞

2020年

STI for SDGsで文部科学大臣賞

2021年

オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構の勝手表彰で「貢献賞」

国土交通省バリアフリー化推進功労者大臣表彰

アジア健康長寿イノベーション賞 テクノロジー&イノベーション部門で準大賞

iF Social Impact Prize2021を受賞

Elevate Prizeのファイナリストに選出

2022年4月15日

日本福祉のまちづくり学会(第24回全国大会)にて最高賞となる大会優秀賞 他

参照:wheelog!

Wheelog!のイベントin兵庫県

バリアフリーマップを作るアプリ『Wheelog!』を使用しながら街を歩くイベントが、兵庫県三田市内で2022年4月に開催されました。車椅子ユーザーとその家族、学生らが参加しました。車椅子ユーザー目線で身近な施設を巡り、バリアフリーにする為の気付いた事をアプリに記録しました。

みんなが安心して気持ち良く出かけられる街づくりを考えようと、『Wheelog!』の代表の女性や、関西学院大学のボランティアサークル「エコハビタット」などで結成された「Wheelogさんだ」が発案しました。

今までは『Wheelog!』の参加メンバーのみで実行してきましたが、活動場を拡大しようと、三田市が拠点のさわかみ関西独立リーグ球団「兵庫ブレイバーズ」の選手達や、ひまわり特別支援学校の生徒、保護者らからも参加を募集しました。

参考:車いすでも安心して外出を アプリ手にバリアフリーの気づきをチェック 学生らが三田で街歩き 神戸新聞NEXT(2022年)

学生たちの感想を聞いたひまわり特別支援学校の保護者は「自分も(当事者である)子どもも、設備が不便な中で我慢して使うことが当たり前だと思っていたし、改善してほしいと言う勇気もなかった」「若い人たちが、不自由さに気付いてくれて、『(不便だと)周りに言ってもいいんだ』と教えてもらえた。これからも協力者でいてほしい」と思いを口にしました。

この記事を書いたきっかけ

この『Wheelog!』さんの事を知ったのも検索からですね。私は幾つか企業のアプリとか活動の記事も書いていて、今回も偶然目にして、「こういう便利なアプリを多くの方に知って頂きたい」という思いで書きました。

『Wheelog!』の運営資金は企業やサポーターからの寄付が頼りで、資金調達は課題。「一番届けたい人に届かなくなる」と、アプリの有料化はしていません。継続して『Wheelog!』を使って頂くため、ゲーム性も取り入れました。走行ログやスポットの投稿数に応じ「新入り」からランクアップしていくユーザーの称号は7段階あり、到達すると「殿堂入り」します。ゲーム感覚で楽しみ、車椅子ユーザーがどんどん外に出るようになる狙いもあります。

私は代表の女性の「障害の有無にかかわらず多くの人に活動に参加してもらい、自分のこととして考えるきっかけにしてほしい。その積み重ねで街が良くなり、社会が良くなる」の言葉が胸に響きました。一般企業が便利なアプリを開発してくれたりしますが、どうしても障害も抱える当事者目線にしか分からない事も多々あると思います。

今後もこの活動が広がってほしいですし、私もこれからもこういった素敵な企業の取り組みを紹介出来る様に、またどこかで知るきっかけを持てたらと思います。

関連記事

車いすでもスイスイ バリアフリー地図アプリ、段差や坂道などみんなで投稿 東京新聞(2020年)

札幌ってどんな街?車椅子目線で浮かび上がるバリアフリーの課題 毎日新聞(2022年)

noteでも書いています。よければ読んでください。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。