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こんにちは、翼祈(たすき)です。
今年2022年4月中旬、障害者が必要な情報を得られる様に、障害を持たない人との格差を無くそうという法案が可決されました。この法案が通過するまでには、自身が障害を抱える当事者の議員の方の存在や声が大きかったと言います。具体的には障害のある人、ない人が、どうやって情報格差を無くしていくのか?
今回はその法案内容についてと、企業がされている情報分野のバリアフリーについてご紹介します。
情報分野のバリアフリー化、可決。
障害者が日常生活や災害の時に大事な情報を十分に獲得出来るように、障害のない人との情報格差の分離を目指す法律案が2022年4月12日、参議院厚生労働委員会に出され、全会一致で認められました。参議院本会議で認められた後、衆議院での審議を通過したら今開かれている国会の間で成立する予定です。法律案は必要な情報が獲得出来ずに色々な困難に直面した障害を抱える人からの声を受けて議員立法で作成が始まり、関係者は「情報分野のバリアフリー化が進む」と関心を抱きました。
この法律案名は「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法案」。第1条で「全ての障害を抱える人が、社会の一員としてあらゆる活動に参入するためには、情報を十分に取得、利用し、円滑に意思疎通の確認を求めることが大変重要」と指摘。壁のない共生社会の実現を叶える為に、障害の種類や程度に関係なく、大切な情報を獲得しやすくする施策を国や自治体などに働きかけます。
国の責務として「施策を総合的に策定し実行に移す」と明記し、必要な法律や財源を完備するように要請。障害者の情報獲得に便利な周辺機器の開発支援や、防災・防犯情報をスピード感を持って伝える体制の潤沢なども希望しました。
法律案は与野党の支援者による超党派の議員連盟が、障害者で作る団体の意見を参考にして作成しました。障害を抱える当事者からは、災害時の政府の開く記者会見で手話、文字、音声の3種類の案内が整備せず、情報を手に入れられなかったり、DVの相談窓口が電話しかなく、聴覚障害者らが使用出来なかったりする問題点が目に留まりました。
参考:進む!情報バリアフリー 音の“見える化”と広がる手話通訳 #ろうなん9月号 ハートネットTV(2024年)
障害者と健常者の情報格差の解消を目指す法案の取りまとめに携わった当事者として、
ここからは国とは別に、既に情報分野でのバリアフリーを取り入れている民間の企業について、2点ご紹介致します。
トイレの混み具合をバリアフリー化。
株式会社バカン(本社:東京都千代田区、以下「バカン」)は、東京都と共同で都内のバリアフリートイレに、トイレ向け空き情報可視化IoTサービス「VACAN Throne(バカン スローン 以下、Throne)」の提供を開始しました。今回の取り組みにより、利用者はどこからでも手元のスマートフォンを通して、トイレのリアルタイムな空き情報を確認できるようになります。本取り組みでは「東京観光バリアフリー情報ガイド」に掲載されているトイレが対象となっています。旅行者や高齢者、障害者などを含め多様な利用者が安心かつ快適に過ごせるトイレ環境を整備することで、共生社会の実現を目指します。昨年4月から同様の取り組みを開始しており、今回の導入により「東京観光バリアフリー情報ガイド」に掲載されている、都内14施設のバリアフリートイレの混雑が可視化されます。
画像・引用:東京都と共同でバリアフリートイレの混雑を可視化し、高齢者や障害者などあらゆる利用者の利便性向上を目指す PR TIMES(2022年)
東京パラリンピック時に出来た、アプリでのバリアフリー。
東京パラリンピックの開催で、経団連などが母体の「オリンピック・パラリンピック等経済界協議会」は車椅子当事者がスマホなどで分かりやすくバリアフリー情報を獲得可能なサービスをスタートさせました。担当者は「東京パラリンピック閉会後も利用して役立てて欲しい」といいました。
このサービスを提供しているのはブラウザ上で見ることが可能なWebアプリ『ジャパンウォーク・ガイド』。協議会メンバーのNTTが開発事業を任されました。当初は観戦に行く車椅子当事者に使用してくれることを想定していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大で大会はほぼ無観客となり、東京パラリンピックを営むボランティアや競技団体関係者らの利用を見込んでいます。
最寄り駅から競技会場までのルートに段差や傾斜の有無を提示するほか、駅が混雑するかどうかを予想する機能が完備してます。会場周辺に車椅子当事者が使用可能なトイレがあるかどうかも判明します。英語音声にも整備しています。このアプリでは東京、千葉、埼玉、静岡にあるパラリンピック競技会場19カ所の情報を閲覧することが可能です。
参考:NTTなどバリアフリー情報 「東京パラ後も活用を」 日本経済新聞(2021年)
アプリの公開はパラリンピックが閉幕する2021年9月5日までですが、収集した情報はオープンデータとして提供を続ける方針です。
2023年3月、
2023年3月14日、国が閣議決定で、これから先の5年間で定義する新しい「障害者基本計画」が決定しました。
東京オリンピック・パラリンピックのレガシーを継承し、公共交通機関や多くの人々が利用する施設のバリアフリー化を加速させ、2024年4月以降、民間事業者に対しても、負担が重くなり過ぎない範囲で障害者への配慮が求められる「合理的配慮」を義務付ける、改正障害者差別解消法が2024年4月に施行されることを確認して、理解を推し進める活動を行います。
そして、新型コロナウイルスの感染拡大が弱い立場の人々に大きな影響を及ぼしたケースから、障害を抱える人が災害などの情報を手にしやすくするため、情報通信機器や人材育成、サービスの開発などを介し、障害を抱える人が意思疎通しやすいようサポートの充実を図ります。
具体例を挙げると公立小・中学校などの段差解消を促進するために、2025年度までに全部の学校にスロープなどを整備したり、障害を抱える人が情報通信機器に関して相談可能なサポートセンターを2024年度までに47都道府県全てに設置することなどを提唱します。
参考:「障害者基本計画」決定 公共交通機関バリアフリー化推進など NHK NEWS WEB(2023年)
情報分野のバリアフリー加速に期待。
私は昔から検索する事が大好きでしたので、ある程度情報収集には慣れていると思います。ですがアプリに関しては全然知らないので、私は障害者ですし、「そういう自分の障害などの状況が記録出来るアプリとかあればいいのになぁー」と思う時があります。私がそういうアプリを知らないだけかもしれませんが。
今回国会で可決された、情報分野のバリアフリー。れいわ新撰組の議員さんの、重度障害で意思疎通の壁があることを説明した上で「Q&A(質疑集)をホームページで公表するなどして、法の趣旨が具体的に見えるようにしてほしい」と情報提供の拡充を求めたことに対しては私も同意見です。
私は障害の特性で曖昧な表現や抽象的な表現では理解が出来ず、具体的にここを改善して欲しいと提示して頂けるとようやく理解出来ます。今回の法案の可決、障害を持つ当事者として私も期待しています。
noteでも書いています。よければ読んでください。