『Anything’s possible』。〜トランスジェンダーの女の子に恋をした、男の子の青春を描く映画〜 

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

Z世代のはつらつとした青春ストーリーを描いた本作は、これまでのラブストーリーとは一味も二味も違う、それ以上に青春時代に経験を重ねる恋愛の優しさ、楽しさ、そしてほろ苦さを感じられる『Anything’s possible』(原題)が、Amazon Prime Videoにて、2022年7月22日(金)より独占配信中です。

主演のケルサを演じるのは本作で映画初主演となり、俳優以外にもコラムニストとしても活躍中で、[them]というLGBTQのカテゴリーの観点からポップカルチャーや話題のニュースなど色んなコンテンツに関しての記事などを掲載するWEBサイトで寄稿しているエヴァ・レインさん。共演に、アブバクル・アリさんら。

今回はこの映画についてと、明治大学応援団指導班で初の女性班長となった方のジェンダー平等と、それに伴う葛藤についてお話しします。

あらすじ

ケルサはトランスジェンダーでありながら自信に満ち溢れた高校3年生。ある日、同じクラスのカルがケルサに恋心を持っていることが分かる。カルは周りの目を気にしながらも勇気を出して、ケルサに告白するが…。

画像・引用:トランス女子高生の青春ロマンス描く、ビリー・ポーター初監督作『Anything’s possible』7月配信 cinemacafe.net(2022年)

ここからは明治大学応援団指導班の初の女性班長の方について、お話しします。

初の明治大学応援団指導班長となった女性のジェンダー平等と葛藤

学ランを着用し、猛々しい声援や手ぶりを用いて観衆を奮い立たせます。吹奏楽、チアリーディングと一緒に明治大学応援団を統括する応援指導班。その応援指導班のトップに初の女性が就きました。1921年創団の長い歴史を持つ応援団。「応援したい気持ちにこれまでの先輩方と何らs相違はありません。そこにジェンダーはありません」との思いを強くします。

2022年5月23日、東京六大学野球の春季リーグが東京・神宮球場で開催されました。明治大学の優勝が決定し、応援指導班の班長の女性は一塁内野席のリーダー台に姿を現しました。観客や他の団員を目の前に身長158cmの体を思うがままに動かし、優勝した時だけ歌唱する「神宮勝歌」を先導。女性初の班長として初の観衆が沢山いるステージとなった東京六大学野球を大いに盛り上げ、最高のカタチで大舞台を締めました。

班長の女性は女子高時代は文科系の吹奏楽部に入っていました。「吹奏楽部では燃え尽きまして、違うやりたいことを模索していました」。大学に入学してから新入生歓迎会で勧誘ブースを見て回り、目に留まったのが応援団でした。

「女性禁止ではありませんでした」だったので、体験練習に参加してみました。そこでは青天の霹靂でした。所作どれをとっても常に全身全力。声を大きくし、手指の先まで神経を尖らせます。ピンとした緊張感の中で、班員の勇ましい動作や迫力ある声援に「体感して来なかった文化でした。こんな真面目で、胸が熱くなるサークルがあったんだと感じました」。高校時代には体験出来なかった世界に胸が躍り、応援団への入団を決意しました。応援指導班で初めての女性の入団でした。

ベースは男性班員と同じ練習量をこなし、慣れない体力作りでの走り込みは「キツ過ぎて記憶に残っていない」と言います。応援に外せない拍手の習得も苦労が絶えませんでした。大歓声にも匹敵する「乾いた音」をお腹から出すにはパワーだけではなく、拍手の叩き方にコツが要ります。拍手の練習をした後、帰り道で手を叩きながら、「おかしな人と周りからきっと思われてたと思います」。力強さが磨きがかかり、手の皮に赤切れで血が出たときは、痛みを感じるより一人前の応援指導班に近づいた幸せの方が上回ったといいます。

その反面、女性特有の特例も設けられました。毎年恒例の合宿でおそろいのジャージーを着用する時、肌着を身に付けず袖を通すのが伝統でした。「でも、それは私には無理です」。その悩みを先輩に相談しに行くと、「必要な物を身に付けていいからねと了解をして頂けた」と、女性が活動しやすい応援団の環境を整えて頂けました。

参考:明大応援指導班初の女性班長・中山美優さん「応援したい気持ちに性差はない」 伝統継承とジェンダー平等両立に挑む 東京新聞(2022年)

1年生で応援団指導班のデビューを果たしたのは明治大学が優勝を決めた東京六大学野球の春季リーグの時でした。「似合ってるね」「応援してるよ」。観客の声援は温かいものでした。「温かく受け入れて下さって、私への批判の声はありませんでした」。応援団としてこれからも果たしていける自信がみなぎりました。

1年生の時以来の優勝を決めた2022年春、後輩の育成にあたり大きな重責のある立場に変わりました。現在20人ほどの応援指導班員の中で2年生に1人、1年生に3人の女性が入団しています。応援指導班の班長の女性自身の応援を目にして入団を決めた後輩もいて、「気軽に入団してみようかなという環境に変わったのかな」と歓迎し、後輩の指導にも熱が入ります。 

その半面、応援団指導班の班長の女性には懸念材料があるのも事実です。女性班員に配慮を取ることで、班長の女性が入団を決めた時に感じた武骨な雰囲気が損なわれつつあって、寂しさもあります。応援団指導班の班長の女性は「男性女性関係なく班員になってくれたら嬉しいですが、時代を理由に何でも変換させていいとは思わない。文化を継承していきたい」。応援団指導はんの班長の女性が応援団に女性が入団という門を拓きつつ、先輩たちが築き上げた伝統をどう後輩に継承していくかー。班長になったからこそ、もがきながら挑戦をし続けています。

応援団は格好良い。

私は子どもの頃から文化祭というものに憧れの強い人間でしたが、通学したところはどの学校の体育祭しかなく、その夢は叶うことはありませんでした。

その体育祭で、同級生が上級生に混じって、学ランと赤や白などのハチマキをしていたことを、この記事を書いていて思い出しました。応援旗も盛大に振って、体育祭では特に応援合戦が1番盛り上がっていましたね。女である私から見ても、同級生の女の子の応援団は格好良かったのを覚えています。

この明治大学の応援団はサークルなので、体育祭の時の様な一過性ではなく、サークルに入っている間は継続するものですね。学校で行われる小さな集落ではなく、春季リーグなどでの応援団ですから、規模の大きさは比較にはならない程大きいものだと思います。

今はジェンダー平等となりつつありますが、その中でも伝統文化まで無くしたくない、難しい選択肢だなと感じました。両立するのは大変かと思いますが、この女性が班長になったことで、新しい風が吹いているのは間違いないので、この新しい風を絶やさないで欲しいなと思います。

noteでも書いています。よければ読んでください。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。