あなたは大丈夫?災害時の避難で気を付けたいこと

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わたしは九州に住んでいるのですが、先日はひどい雨でした。
前線が停滞し、線状降水帯が居座ってしまい、広い地域で、中四国地方も被害が出た様子です。

他の地域より台風や大雨には強いと思われる九州ですが、ここ2~3年の大雨では、今まで以上に被害を被っている気がします。
筑後川なんて、わたしが生きてきた中で一番水位が上がってました。
わたしたちは、自然と共生するために、改めて災害というものに向き合う必要があるようです。

そんな中でまず行われたのが、避難に関する情報伝達です。

避難指示が改正されました、具体的には?

これまで、警戒レベル4は、「避難勧告」と「避難指示」の2つの情報で避難が呼びかけられていましたが、「避難勧告」を廃止し、「避難指示」に一本化されました。
また、警戒レベル5は、「災害発生情報」から「緊急安全確保」に変更され、直ちに安全な場所で命を守る行動をとるよう呼びかけが行われます。
ただし、警戒レベル5は既に災害が発生・切迫しており命の危険がある状態であるとともに、必ず発令される情報ではないことから、警戒レベル5を待つことなく、警戒レベル4までに避難することが必要です。



警戒レベル1→災害への心構えを高めましょう

警戒レベル2→避難に備え、ハザードマップ等により、自らの避難行動を確認しましよう

警戒レベル3→避難に時間を要する人(高齢者障がい者乳幼児等)とその支援者は危険な場所から避難しましよう。その他の人は避難の準備を整えましょう。

警戒レベル4→災害が発生する危険が高まっています。速やかに危険な場所から避難先へ避難しましょう。

警戒レベル5→既に災害が発生・切迫している状況です。命が危険ですので、直ちに身の安全を確保しましよう。

避難指示画像引用:内閣府 防災情報のページ
http://www.bousai.go.jp/oukyu/hinanjouhou/r3_hinanjouhou_guideline/

災害が起きた時のひとの心理①
「これくらいは普通だ」の心理

私たちは、少々変わったことが起きてもそれを異常だとは思わない傾向があります。
これくらいは普通の範囲内だと思いたいのです。
これを「正常性バイアス」(または「正常化の偏見」)と呼びます。

今、あなたが学校の教室にいるとして、突然、火災報知器が鳴り出したと仮定してください。
あなたはどうしますか?
すぐに避難のための行動を起こすでしょうか。
「何かの間違いでは」とか「検査でもしているのだろう」などと思い、避難という行動をとらない人が多いのではないでしょうか。
火災報知機が鳴ったという事実を非常事態ととらえずに、「ふだんの生活の範囲内での出来事だ」と、バイアスをかけてとらえる傾向があるのです

災害の場面では、この正常性バイアスが働いてしまい、警報や避難指示などの情報を軽視して、その結果、避難のための行動が遅れてしまうケースがしばしば生じます。

災害が起きた時のひとの心理②
「自分だけは大丈夫」の心理

私たちは自分自身の将来に楽観的なところがあります。
災害が降りかかってくる恐れがあるときにも、決して自分が被災するとは思わないのです。 
たとえ他の人や他の地域が被災したとしても、なぜか自分だけは大丈夫と思っているのです。
これを「楽観主義バイアス」と呼びます。

 被災後によく耳にするセリフがあります。
「まさか自分のところが被害にあうとは思わなかった」という言葉です。
これは楽観主義バイアスを典型的に表した言葉ですね。 

なお最近では、災害において被災するリスクを過小評価しがちな傾向の全般を、この楽観主義バイアスも含めて、広く「正常性バイアス」と呼ぶことが多くなってきました。

災害が起きた時のひとの心理③
「前回大丈夫だったから」の心理

いったん大丈夫だと思ってしまうと、私たちは自分の考えをサポートしてくれる証拠を探そうとします。
そして、自分の考えとは異なる証拠は無視しがちになります。
これは「確証バイアス」と呼ばれています。

たとえば、「前回、警報が出たけれど、たいしたことはなかった。だから今回も大丈夫に違いない」というように、自分の記憶の中で比較的新しいケースを思い出し、それを用いて判断しようとする場合があります。
このような、記憶の中で目立ちやすい情報を利用して判断する思考パターンは、「利用可能性ヒューリスティック」と呼ばれています。

また、警報の空振りが続いていると警報に対する信頼性自体が落ちてしまって、その事実から「警報はあてにならないから大丈夫」と思ってしまうこともあるでしょう。
これは「オオカミ少年効果」と呼ばれています。

さらに、「昔からこの地域には津波は来ないと言われている」というような言い伝えを思い出したり、「あの防潮堤があるから」とか「ハザードマップによれば、この地域は浸水危険区域でないから」といった、自分以外のモノ(ハードウェアや情報)に頼りきってしまったりして、「大丈夫だ」という考えをさらに強める傾向が生じるのです。

災害が起きた時のひとの心理④「皆と一緒に」の心理

物事について判断する際に、自分ではどうすべきかわからないことがあります。
そんなとき、私たちはしばしば周囲にいる他人に合わせようとすることがあります。
自分自身で判断できないために、他人の様子を見て、それを自分が判断するうえでの基準として採り込み、結果的に他の人と合わせた行動をとるわけです。
周囲の人の数が多いとき、その傾向は強まります。
こうした現象は「集団同調性バイアス」と呼ばれています。

近所の人が避難しないから自分も避難しない」とか、避難所へ避難した後で「他の人が家に戻るなら自分も戻る」とか、人間は他者に合わせて行動したがります。
しかし、その判断や行動が悲劇を生むこともあるわけです。

避難する際の注意点・河川の氾濫

水害による避難には、注意すべきポイントも数多くあります。
ここでは水害で安全に避難するための注意点について、ご紹介します。

大雨で見通しが悪いなか、暗くなってからの避難は危険度を高めます。
できるだけ明るく見通しの良い時間帯のうちに、早めの避難を心がけましょう。
また、気になるからと言って川や側溝などの様子を見に行ってはいけません。
自治体や省庁などでライブカメラを設置しているため、それらの情報を参考にしましょう。

避難する際の注意点・土砂災害などの二次被害

水害においては、土砂崩れなどによる二次災害の可能性も高くなります。
近隣や周辺の地形を確認し、これらの被害が想定されるようであれば気象情報や雨量などを確認しましょう。
危険度の高い地域では自治体が土砂災害警戒情報を発令しますので、それに基づいて避難などの行動をとるようにしてください。
また建物の内部でも、土砂の流入を想定して2階以上や崖から離れた場所に滞在するなどの対策をとりましょう。

新型コロナウイルス感染症予防の観点から、今後は避難所などの収容人数を減らす方策も採られると考えられます。
在社・在宅で十分な備えができており、場所としても危険度が高くないようであれば「在社・在宅避難」の選択肢も想定しておきましょう。

障害別に準備するものや、災害が起きた時の備えは微妙に違うようです

災害の際によく耳にするのが、高齢者施設の孤立。
身体にハンデのある人の避難が困難な場合が多いようです。
これは、わたしたち障害を持つ人も同じです。

今回の水害で言うと、雨の量が多くなればなるほど、危険な状態になります。
河の氾濫や浸水だけでなく、雨がしみ込んだ土砂が崩れる危険もあります。

実際に災害が起きた時の対応も、障害ごとに変わってきます
例えば、聴覚障害の場合、テレビの文字放送やスマートフォンなど、目で見る情報が必要です。
逆に、視覚障害の場合、テレビやラジオの音声など、耳で聞く情報が必要です。
自分がどんな障害を持っているのか、周りに知らせることも必要になります。
避難する際に必要なものも違ってくるので、事前に準備しておかなければいけません。
共通して必要なものが、障害者手帳・介護保険被保険者証・お薬手帳です。
なくす心配がなければ、日ごろから持ち歩いておくのもいいのかもしれません。

災害時 障害者のためのサイト
http://www6.nhk.or.jp/heart-net/special/saigai/index.html

まとめ

避難情報が出ているにもかかわらず、避難行動を起こさない人に対して、「危機感が足りない」などと批判めいた声が上がることがあえります。
しかし、「避難しない=危機感の欠如」という単純なものではないようです。

災害はなくすことはできませんが、被害を減らすことは可能です。
人間の心構えによる減災も必要不可欠なのです。
そのためには、私たちひとりひとりが、自分の心のクセを知っておくことです。

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