現代社会の悩み、後頭神経痛とは ~あなたは違いますか?~

後頭神経痛

この記事は約 8 分で読むことができます。

初めての痛み方、この頭痛の正体は…

わたしは、頭痛持ちです。
以前も頭痛についての記事を書いたとき、片頭痛の治療をしていることをお話ししました。
長年困っていましたが、専門外来で診察してもらい、今は月8回程に減って、落ち着いています。
そんな、いざ頭痛に襲われたときも、何とか対処できるようになったのですが、ある日初めての痛みを感じました。

あれ…?頭頂部が、痛い…?

そう、いつもの片頭痛ではないのです。
片頭痛は、こめかみが脈打つように、ズッキンズッキンと痛むのですが、今回の痛み方は何か違う…。
頭頂部が、ズキンと痛いのです。脈打つ感じではなく、ズキンと痛くなって、時間を少し置いてまたズキンと痛む感じです。
うまく表現できないのですが、初めての痛み方。
あれ?これって、脳梗塞とかくも膜下出血とかの痛みじゃないよね…?と、一抹の不安を感じました。
一体、この頭痛はなんなのでしょう。

この頭痛は、『後頭神経痛』というらしいです。

後頭神経痛とは、その名の通り『神経痛』の一種です。
神経の中での放電現象によって生じるビリッとするような電撃的な痛みのことなのです。

神経痛では、ビリッとした次の瞬間には痛みは止る特徴があって、痛みの持続時間は実際のところ通常、数秒間であり、だらだらと持続的に痛みが続くことはありません。そして痛みと痛みの間には痛みの止まっている時期が必ずみられます。

神経の痛みは、主に皮膚に近いところに感じるという特徴があります。
頭の皮膚には、もちろん皮膚の感覚を司さどる神経が広がっています。
後頭神経

青色の線が後頭部から頭頂部にかけて広がる大後頭神経です。
緑色の線が側頭部に広がる小後頭神経です。
赤色の線が耳の後の付近の皮膚に広がる大耳介神経です。

 

 

神経の分布図(引用:https://ameblo.jp/koshikotuban/entry-12017033782.html

これらの神経痛をあわせて後頭神経痛と呼びます。この後頭神経に神経痛が起こると、後頭部や側頭部から頭頂部にかけピリッ、ピリッもしくはビリッ、ビリッとした痛みが間欠的に走るようになります。

他の頭痛とどう違うの?

頭痛は、タイプ別で症状が変わっています。

①緊張型頭痛(筋肉性)

ドーンとした痛み方が特徴。痛みの程度は比較的軽く、我慢すれば何とか仕事や勉強は可能です。よく「頭が締め付けられるような」「帽子をかぶったような」と表現されます。夕方になるにつれて悪化することが多く、入浴などで温めたり、運動をすると改善します。逆にパソコンを使ったり、読書をした後に悪化することが多いです。

②片頭痛(血管性)

ズキンズキンとした痛みが特徴。人によっては、頭痛の前に光がチカチカした症状が起こります。その後片方、もしくは両方のこめかみに強烈な痛みが起こります。涙や鼻水も伴うことが多く、大体は仕事や勉強は不可能で、眠ってしまうこともあります。筋肉性の緊張型頭痛と違って、冷たいタオルを痛む部分に当てると、血管が収縮して、痛みが軽減します。市販の鎮痛剤は効果がないことがほとんどです。

③後頭神経痛(神経系)

一瞬の、ビキーンとした痛みが特徴。痛みのレベルでは、三種類の中で一番強いです。神経自体の痛みですから相当痛いのですが、幸い一瞬で終わります。この痛みは皮膚に近い表在性の一瞬の激烈なものです。痛いと思っていた瞬間には終わっていますから、痛み止めは全く間に合いません。頻度が増えた場合は、頭痛自体の頻度を減らすための予防薬で対処します。

それぞれの頭痛を合併することもあります。
たとえ命に別状のある頭痛ではないにしろ、日常生活に支障をきたすようであれば、治療が必要です。

 

過去の頭痛についての記事はこちらです

後頭神経痛が起こる原因

後頭神経痛は、首の周辺の筋肉から皮膚表面に広がっているため、筋肉による圧迫を受けやすいです。そのため、姿勢の悪さ、頸椎の変化、同じ姿勢を取り続けることによる肩こりが原因となることが多いようです。

以前は、年配の人で、骨や筋肉が老化している状態が基盤にあり、急に力仕事や長時間の草取り作業などで神経痛が誘発されることが多かったのですが、最近は比較的若い年齢の人にも生じるようになっているようです。パソコンやスマホの長時間使用、肩周辺の運動不足、精神的なストレスなどが原因として重要になってきたのではないでしょうか。

後頭神経痛の診察過程

後頭神経痛の診断を行う場合、他の病気が隠れていないかを調べることが重要です。具体的には、画像検査(頭部CT検査や頭部MRI検査)や血液検査などが行われます。首や頭の画像検査で、脳腫瘍(後頭蓋下腫瘍)、くも膜下出血、椎骨動脈解離などによる痛みと区別します。

その後、国際頭痛分類という基準に当てはめて診断結果が出るそうなのですが、その診断基準をご紹介したかったのですが、これがなかなか、わたしも読みましたがややこしくて、上手く説明できそうにないので、こちらのHPを参考にしていただけるといいかもしれません。

後頭神経痛の基礎知識

https://medley.life/diseases/54f4696d6ef458803685cd9d/#:~:text=%E5%BE%8C%E9%A0%AD%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E7%97%9B%E3%81%AE%E8%A8%BA%E6%96%AD%E3%82%92,%E3%82%92%E5%8F%97%E8%A8%BA%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84%E3%80%82

どんな治療が行われるの?

後頭神経痛の治療は、三叉神経、肋間神経痛など、その他の神経痛などと同様に治療します。肩こりや首こりが背景にあることが多く、筋弛緩薬や血流改善なども適宜併用します。明らかに誘因となるストレス性の誘因があればそれを避けること、姿勢が悪ければ姿勢をよくすること、も重要です。

主な治療薬

・ロキソニンなどの消炎鎮痛薬。鎮痛作用とともに炎症を和らげる作用を期待して使います。胃が荒れるのを防ぐため胃薬と併用します。

・ビタミン剤。神経の調子や末梢循環を整えます。ビタミンB群、ビタミンEを使うことが多いです。劇的な効果がある訳ではないですが、特に副作用がなく安全です。

・葛根湯。風邪の初期に使う漢方というイメージかも知れませんが、主な作用は上半身の血流改善作用で、肩こりの改善にも有効です。

・筋弛緩剤。筋肉の過剰な緊張をほぐします。ただし、ふらつきや転倒に注意が必要です。

・抗不安薬。ストレス性の要因が強い場合は、不安、緊張を和らげる働きを期待して少量使うこともあります。代表されるデパスには筋弛緩作用もあります。だだし、依存性・耐性に注意が必要です。

・神経痛治療薬。痛みの神経の過剰な興奮を抑える薬です。ただし、眠気やふらつきに注意が必要です。

 

他にも、色々な漢方薬、神経の過剰な興奮を抑える作用を持つ抗うつ薬、抗てんかん薬、麻酔薬、医療用麻薬などを組み合わせて使うこともあります。難治性の場合には痛みの専門の診療科、ペインクリニックで治療することもあります。

後頭神経痛を予防しましよう。

一次性の神経痛の場合は肩こりや首こり、睡眠不足やストレスからくることが多いと言われています。どの病気にも言えることですが、しっかり食事・睡眠・運動をしましょう。後頚部や肩のマッサージや入浴で首までしっかり温めることも有効です。

スマホやパソコンを長時間使用することは、肩や首のこりに繋がります。定期的な休憩を挟むことも大事です。

睡眠をとる際にも同じ姿勢をとると、神経の圧迫に影響します。枕を変えるなどの工夫をしてみましょう。

また、精神的なストレスから逃れるために気分転換をすることをお勧めします。

最近増えてきている、後頭神経痛。現代社会における一種の慢性病なのかもしれません。

後頭神経痛も診察できる頭痛専門外来もあります。

他の種類の頭痛でも、日常生活に支障が出るようであれば、一度受診したほうがいいと思います。

 

後頭神経痛を診察してくれる病院

https://medley.life/institutions/disease_54f4696d6ef458803685cd9d/

 

頭痛に悩まされない日々を送れるよう、一緒に頑張りましょう!!

暮らしや健康に関する有益な情報を発信するWebライターichihimeのおすすめ記事

HOME

後頭神経痛

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。