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最近何かと話題になっている「ハラスメント」どこか遠い話だと思っていましたが、最近妹がパワハラに悩んでいるという話を聞きました。今年の4月に新しい職場へと移ったのですが、そこで同性の上司からパワハラを受けているみたいです。
妹だけがターゲットとなり、大声で叱りつけたり、「完璧にやれ」と言われたりするようです。集団でのパワハラではなく1対1なので、周りは何かと助けてくれてたりするのですが、帰宅時間がどんどん伸びていき、ついに夜中の12時まで帰ってきませんでした。「仕事を完璧にこなして何も言われなくする」と対抗心を持ってるので、心は折れていませんがそれでも体調や身心が心配です。
そんな時「なぜパワハラをするのだろう」という疑問が浮かびました。これだけ連日ニュースや、ネット記事などで言われているのは「出来事」だけで、どんな人がやってしまうなどの人物に対しての掘り下げがあまりにも少ないと思ったので、調べてみました。
1.パワーハラスメントの定義とは
企業のメンタル相談室として運営しているクオレ・シー・キューブという会社の代表取締役の岡田康子さんという方が「セクハラ以外にも職場には、さまざまなハラスメントがある」と調査をしたところ、上司からの嫌がらせを受けていると相談されたことから「パワーハラスメント」という和製英語、造語を生み出したのが始まりです。パワハラの定義も同時に提唱されています。
パワーハラスメントとは
対象は上司と部下という関係だけにとどまらず、社会的な勢力や組織の規範・習慣といった「パワー」を使って行われる場合にまで広く及びます。実際の職務とは関係ない、または適性な範囲を超えて嫌がらせの言動を繰り返し与えること。それがパワーハラスメントの定義です。
2.パワハラのバリエーション
パワハラには3つのバリエーションがあります。
1.上司
組織内での権力を武器に、立場の弱い人に対するパワハラです。
2.集団
部署全体でその人の存在を無視したり、不当な言いがかりをつけて責任を押し付けるという種類のパワハラです。
職場全体が体育会系の雰囲気だと、そういうテンションに付いていけない人は「ノリが悪い」「付き合いが悪い」とのけ者にされたり、職場が融通の利かない堅いところだと、マイペースで仕事をこなす人や社交的な人が、排除の対象になります。
3.スキル
中途採用で入ってきた社員に対して、ベテラン社員が仕事を教えなかったり、異動していきた上司に必要な情報を渡さなかったりするのもパワハラです。
パワハラの被害を訴える人は6対4で女性が少し多いですが、男性のパワハラも深刻です。子どもや家を持ったりすると、なかなか辞めずらいところに付け込み「俺のいうことが聞けないんだったら、辞めてもらってもいいんだよ」という嫌がらせが多いのも問題になっています。
3.パワハラをする心理
パワハラ加害者の心理を調べてみると、加害者は心の問題を抱えていると言われています。
・他人とのコミュニケーションが取れない ・気が小さく自分に自信がない ・周囲の人間が自分のいうことを聞いてくれない ・自分がリーダーの器じゃないとどこかで感じている ・圧力を掛けないと人は動かないと思い込んでいる ・会社での自分の存在意義を見出せない などの様々な問題を抱えている人が多いです。
このような心の問題を抱えてしまう背景には、物事を深刻に受け止めすぎてしまう傾向があります。本来ならば他人はいうことを聞いてくれないもの、として考えれば深刻にはならずに、どうやったら他人を上手に動かせるかと、柔軟に考えられるようになるはずが、そうはならずにパワハラをやってしまうのです。
つまりパワハラ加害者は考え方に柔軟性がなく、物事を深刻に受け止めやすい人なのです。
後もう1つの特徴は仕事人間が多い傾向もあります。他の世界が無く、趣味などを持たないことから、ストレスを溜めてしまい解消にハラスメントをしてしまうという人が多いのです。
ターゲットになりやすい被害者の方も特徴があります。比較的真面目で自責的な人が多く、「自分が悪いのかもしれない」と思いこんでしまいそこを狙われてしまいます。被害者も悪いということではなく、相手もターゲットを選んでるということを知っておいてほしいということです。
4.対処法は熊を想像すると分かりやすい?
私が子どもの頃は熊に出会うと「死んだふり」という対処の仕方がありましたが、大人になって考えると「なんだそりゃ」と思いますよね。もしかしたら1番危険な対処ではないでしょうか? なぜ熊が出てきたかというと、そんなパワハラ人間を「人間」と思わずに、「森で出会ってしまった熊」と思って対処しようという、ちょっと変わった切り口での方法を見つけたので紹介しようと思います。
ステップ1・威嚇の鈴を鳴らしてみる
熊という動物は人間を襲いたいわけではなく、熊も人間が怖くて襲っているのです。なので熊が出没しやすいとこでは、鈴を鳴らしながら歩きます。「人間が来たよ」という風に知らせてあげれば、熊も近寄ってきません。逆に「死んだふり」をやってしまうと、食べられるようなものです。
これをパワハラ上司に置き換えると、まずはターゲットになる前、もしくはなったばかりの時に威嚇の鈴を鳴らしましょう。「人格否定や怒鳴り声の指導は受け付けません」という自己防衛のブランディングを、持っておくことが大事なことなのです。
先ほども書いたのですが、自責的な人がターゲットになりやすいため、「私が悪いんだ」なんて思ったら相手の思うツボで、それこそ「死んだふり」と同じでやられてしまいます。自分を守る意味での「威嚇」をしましょう。
ステップ2・ターゲットにされてしまったら爆竹を鳴らす
鈴の効果も不発に終わり、もしも熊と出会ってしまった時は、大きな音を出せる爆竹などで対処すると効果的です。高いところに逃げたり木などに登るという行為は、むしろ危険な判断なのです。
パワハラ上司に出会ってターゲットにされた場合、転職を考えてひっそりと解決しようとすることも頭によぎるでしょう。しかし実際には、転職活動もある程度の期間が必要だったりで、なかなか難しいと思います。なので、転職をする前にまずはしかるべきところに相談をしてみましょう。
話しやすい先輩などでもいいですが、それよりもパワハラ上司を放っておけない、見逃してはいけない立場の人間に掛け合ってみましょう。会社によっては、ハラスメント相談口や社外相談口などを利用するのも良いと思います。
これは個人の問題ではなく、組織の問題と考えましょう。組織に出没した熊を放っておくには会社としても、マイナスなので泣き寝入りはもったいないです。
ステップ3・鉈を振り下ろすべし
爆竹も効かない場合は鉈で一撃を与えるといいみたいですが、そもそも普段から鉈を持っていないし、熊に果たして鉈を振りかぶれるのか……? という細かいことは置いといて、いわゆる「肉を切らせて骨を断つ」という意味合いの方が強いのでしょう。
勇気を持ってパワハラを受けていると報告したのに、ハラスメントのほとんどが密室で行われ、パワハラ上司は優秀で頑張り屋な人が多い傾向もあるのでなかなか信じてもらえなかったりします。
そういう時はボイスレコーダーなどの証拠を集めましょう。ニュースでもパワハラ〇〇の音声を公開とかいって、ボイスレコーダーに取ってるのを流したりしています。これは最終手段ですが、やはり「論より証拠」というように証拠とは大事な武器となりえるでしょう。
音声もそうですが、ハラスメント日記を付けるのも効果的なので、準備しておくと良いでしょう。ハラスメント相談口などは、被害者の話に一貫性があるかを重要視します。時系列、ハラスメント上司の言動などを、箇条書きでもいいのでまとめておきましょう。
まとめ・「世界に誇れる協調性」がハラスメントを生んでいるかもしれない
この記事を見てみると日本だけではなく世界に目を向けてみると、ハラスメントを受けた割合は26%の3位となっています。なぜここまで増えてしまったんでしょうか? すべてはいきすぎた日本独自の協調性なのかもしれません。
日本では労働者の立場が弱く、個々の力が強くありません。というより強くならないようにしているのでしょう。企業の大半が面接の時は黒髪にしなければいけなかったり、残業は当たり前で、スーツを着て仕事をしなければなりません。全ては協調性を持たせるためだと考えられます。
協調性を大事にするということは、逆にいうと物事の長所を見ずに短所ばかり見てしまうということになってしまいます。だからこそ批判文化なんてものが出来てしまい、いじめやハラスメントなどが生まれてしまいます。
なにも協調性の全て悪いと言っているワケではなく、大事なことでもあります。ですが人間は自分が受けてきた、体験してきたことを人に強要しがちで「私は出来たのになぜ、あなたはできないの?」と苛立ちパワハラへと移行してしまうのだと、調べていてそう思いました。人間の数だけ色んな生き方があり、学び方があります。横並びに同じ意見を持つ必要もありませんし、同じ人生なんてもっぱらです。
おそらく現在もハラスメントで悩んでいる方は大勢いらっしゃると思いますが、ちょっとの勇気を持って相談口を見つけて、話してみましょう。会社だけではなく、社外相談口もたくさんあります。決してあなただけが悪いワケではなく、悩むこともありません。自分にあった方法で、解決へと導いていきましょう。
参考・ひろげよう人権 社員のための労働相談マニュアル 7ドリーム 東京都人権啓発センター リクナビNEXTジャーナル
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