『手でみる絵』。視覚障害者が体験できる、触れる「モナリザ」などの立体的な絵画!

真珠の耳飾りの少女

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

皆さんは、絵を鑑賞することは好きですか?

私がを鑑賞するといえば、もっぱら漫画です。

私はコロナ禍前、よく漫画の原画展に足を運んでいました。

例えば読んだことない漫画であっても、原画の迫力を体感したいと思って、行きました。

原画展に行くと、必ずプログラムは買っていました。それは原画展でしか手に入らないものですし、ポストカードや、キャンバスアート?だったと思いますが、それを買う時もありました。

思い出に残っているものは色々ありますが、中でも篠原千絵先生の原画展が印象に残っています。

中学生の頃から好きだった、[天は赤い河のほとり]の原画には圧倒されました。

私は1日違いで、観に行った次の日に篠原先生が、好きな漫画の主人公の絵を描きに、サプライズで原画展に訪れたと知って、「先生と、生で描く絵を観たかった…」とショックでした。

大好きだった原画展はコロナ禍に入って、今までは障害者手帳があれば入場料は要らなかったことが、定員入れ替え制になって、入場料がどこも必要になったこと、開催は福岡市が多く、福岡市に行かなくなった私は、自然に足が遠のきました。

今では、好きな漫画であっても、開催日をだいぶ後から知ったり、開催自体を知らないことも増えて来ました。

それほど、そういうものにも疎くなりました。

この記事では、原画展ではありませんが、視覚障害を抱える人が提案したアート作品となります。

葛飾北斎作の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」。斜光線を当てると、荒々しい波の陰影がハッキリと浮かび上がりました。視覚障害を抱えている人にも、絵画のイメージをつかんでくれたらー。そんな想いを抱いて、平面の絵画を立体に置き換えた『手でみる絵』を、一人の男性が日本にも持ち込みました。

今回は、『手でみる絵』が日本でも始まった経緯について、特集します。

『手でみる絵』が日本でも取り入れられた経緯

東京都新宿区西早稲田にある『手でみる絵』の普及を進めている元盲学校教員の大内進さんの私設資料館【手と目でみる教材ライブラリー】には「ヴィーナスの誕生」や「モナリザ」など10種以上の作品が並んでいます。どれも描かれた対象が画面から浮き上がっており、手で触れることができます。

2001年頃に、大内さんが初めて、イタリア発祥の『手でみる絵』を知ったといいます。盲学校を退職した後、特別支援学校の教材を研究する特別支援教育総合研究所の所員として海外のケースを調べていた時でした。絵画を立体に置き換えることで、描かれたものの位置や空間の広がりなどを認識することができます。『手でみる絵』というアート作品は、大内さんにとって、目からウロコの技術でした。

「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は20年ほど前、大内さんがイタリアの彫刻家や学芸員、視覚障害を抱えている人たちなどから協力を得ながら、半年ほどかけて制作されました。『手でみる絵』の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は、石膏(せっこう)製で横76.4cm、縦51cm。大波の厚さは8cmにもなります。

置き換える情報の取捨選択や、平面から立体への置き換え方などプロセスは多岐に渡ります。【手と目でみる教材ライブラリー】を訪れた盲学生からは、「波、海、風の躍動感、激しさが直接指に伝わってきて、凄く心が惹かれました」「普段理解できないという理由で逃げてしまっていた絵画を身近に感じることができました」などの感想も寄せられています。

その反面、視覚障害を抱えている人たちはモチーフである船そのものを見たことがないこともあるので、また視覚的な遠近感の概念がないことや、和船の模型に触れて形状を知って頂くすることもあって、日本一高い富士山がなぜ小さく描かれるのかを理解するため、他の資料で情報を補完する必要があったり、起伏のある地図で海と富士山の位置関係を伝えたりします。

大内さんは、「絵画を触り、面の形や線、大きさなどの情報を得ることで、目の見える人とイメージを共有できて、コミュニケーションの間口が広がっていきます」と説明します。

参考:盛り上がる8センチの波 視覚障害あっても鑑賞できる「手でみる絵」 朝日新聞デジタル(2024年)

近年は美術館と大学が共同開発して『手でみる絵』を制作するケースもありますが、大内さんは「3Dプリンターの普及も進んで、『手でみる絵』を制作する環境は整い始めました」と、『手でみる絵』が広く普及することに期待を寄せています。

【手と目でみる教材ライブラリー】には『手でみる絵』以外にも、動物や建物の立体模型など1千種以上の資料が並んでいます。

【手と目でみる教材ライブラリー】の見学などの問い合わせ先は、大内さん(oouchi.nise@gmail.com)まで。

私と家族の絵画の思い出

私の家族の絵画エピソードは2つあります。

1つは、高校まで野球部に所属していた父は、大学時代サークルで、美術部に入部して、油絵を描いていたそうです。

絵は大学の時にしか描いてなかったそうですが、家を新築する前、私が小さい頃は、父が描いた絵を玄関に幾つも飾っていました。

小学生時代の夏休み、宿題で、先生から「絵を描いてくること」が出されました。私は、「花瓶に入っている千日紅を描きたい」と思いましたが、イメージできても、何かしっくり来ない。

それを観た父が、絵に油絵を使うことにしました。千日紅の花びらや、上の方に入れた文字の部分を、油絵にして、重ね塗りして、立体的な絵に仕上げました。

この宿題は、大学時代から絵を描いていなかった父が、張り切って、私以上に楽しそうに絵を描いていました。

2つ目は、2020年の話です。家の近所に住むご夫婦のご主人が、亡くなりました。そのお参りに母がご近所さんと行ったのですが、玄関にご主人が描いたという、恐らく家に咲いていた、コクテール(別名:カクテル)という、中心は黄色で、その周りは白、1番外側の花びらは赤い、小さな一重のつるバラの水彩画が飾っていて、バラが大好きな母は観た瞬間、「うわ〜凄く素敵‼︎」と言ったそうです。

家の中には数点、ご主人の描いた絵が飾ってあったといいますが、やはり玄関のコクテールの絵が、母は1番気に入ったと、家に帰ったら、そう言っていました。

「コクテールの絵が良すぎて、凄く奥さんに『素敵な絵ですね!』と、褒めたら、『ありがとうございます』ととても喜んでいたよ」とも、言いました。

『手でみる絵』も、海外から持ち込まれたというのが、凄く素敵なポイントで、同じく視覚障害を抱えている人向けの社会福祉ですと、2024年6月に掲載された、建長寺のさわる模型を作った、UniLeaf(ユニリーフ)さんも体感したとの記事も検索していてありました。

『手でみる絵』は絵だけではなく、人物や動物も立体的にしているところが良いですね。これからも新しい、『手でみる絵』が作られて欲しいなと思いました。

参考サイト

noteでも書いています。よければ読んでください。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎、右手人差し指に汗疱、軽く両膝の軟骨すり減り、軽度に近いすべり症、坐骨神経痛などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。