人工乳房。乳がん手術を受けた人の選択肢の1つ。助成をする自治体も広がる。 

人工乳房

この記事は約 7 分で読むことができます。

こんにちは、翼祈(たすき)です。

人工乳房とは、乳がんを患って、温存手術、全摘出手術などで失った胸のラインを

整える選択の1つです。

温存手術を受けた後の身体の変形に悩んでいる人や、乳房再建手術が叶わず失った状態の人に向けて、切除した胸に着けるシリコン製の乳房となり、気軽に取り外しができます。

今回は、人工乳房の販売に取り組んでいる新潟県の「レリエンスメディケア」と、

人工乳房の助成をしている都道府県について、お知らせします。

新潟県の「レリエンスメディケア」

乳がんの手術を受けて、乳房を摘出した女性への装着式【人工乳房】のオンライン販売を、新潟県新潟市の医療用品販売会社『レリエンスメディケア』がスタートしました。

乳房を摘出した後では、腰痛や肩こりなどの体調不良以外にも、外見の違いを気にして外出を限りなくしなくなる女性もいます。手術で乳房再建を受ける人もいますが、再度身体にメスを入れることを躊躇し、装着式の【人工乳房】を選択する人もいます。

「レリエンスメディケア」はがん患者への医療用ウィッグを販売していましたが、2014年からは地肌に直接貼って着けるシリコン製の【人工乳房】の販売をスタートしました。オーダーメイドの高価な【人工乳房】が多いといいますが、同「レリエンスメディケア」の代表の男性は、本物に見える見た目を追求しながらも1つ15万円からという低価格でのアイテム化に成功しました。

温泉にもこの【人工乳房】を身に着けて行ける様に肌の色を調整したアイテムもあって、1年間で70~80個ほどが売れています。コロナ禍後、同「レリエンスメディケア」の代表の男性は、オンライン販売に乗り出すことを決定し、開発を始めました。オンライン販売では、形やサイズなどの細かな調整は困難ですが、下着の下に着ける用途に特化したアイテムを新しく開発しました。今までの販売データを参考に、MとLの2種類のサイズを揃えました。

製造を委託している茨城県かすみがうら市にある工房と、シリコンの配合を変えるといった微調整をしました。貼り付け部分がブラジャーからはみ出ない大きさで、どんな形状にもフィットする柔らかさを追い求めました。

価格は両サイズとも9万9千円(税込み)となります。1~2年程度使うことが可能だとします。乳がんの手術後のくぼみがある時や粘着力が弱くなった時用にシリコン製の接着剤も取り扱っています。

同「レリエンスメディケア」の代表の男性は「乳がんの手術した後で、喪失感に悩む女性や社会復帰する女性が元気になるアイテム。ぜひ触ってみて下さい」と説明しました。

注文は販売サイト(https://relience.official.ec/)から。問い合わせは電話(025・278・9123)、LINE(@tqb2782o)で。

参考:人工乳房をネット販売 乳がん経験者の社会復帰を後押し 朝日新聞デジタル(2020年)

人工乳房の助成を出す自治体

▽兵庫県

兵庫県三木市は乳がん患者を対象に人工乳房などの購入費用を助成する「がん患者アピアランスサポート事業」をスタートしました。1人最大10万円までサポートします。

兵庫県三木市に住民登録があり、2022年4月1日以降に人工乳房などを購入した人が対象です。2021年の所得が400万円未満(2022年1~5月に申請したケースは2020年)の所得制限を設けています。助成上限額は医療用ウィッグが5万円、人工乳房5万円、補正下着1万円までとなります。補正下着と人工乳房の助成はどちらか1つのみです。補正下着は上限額までの購入でしたら枚数制限は設けていません。

参考:がん患者の外出、仕事復帰後押しへ ウィッグや人工乳房購入に最大10万円支援 三木市 神戸新聞NEXT(2022年)

▽千葉県

がん患者が利用する人工乳房などに関して、千葉県は2022年12月2日、購入費の補助制度を創設する方針を公表しました。千葉県内では一部の市がオリジナルで助成をスタートしていて、千葉県は2023年度の制度化を掲げています。

千葉県は2022年10月、補助制度について千葉県内54市町村へ実態調査をしました。千葉、流山、成田、袖ケ浦、浦安の5市が2020年度以降に助成制度(医療用ウィッグ購入費の2分の1・上限額3万円など)を導入が済んでいて、それ以外の4市が2023年度からの導入することを検討中でした。また、16自治体は千葉県の補助があると、助成を検討すると回答しました。千葉県ではこれから先、補助額などの具体的な制度設計の検討を加速させます。

参考:千葉県、医療用ウィッグや人工乳房の購入費補助へ がん患者を支援 朝日新聞デジタル(2022年)

▽長野県

乳がんの治療による外見の変化戸惑う女性たちをサポートしようと、長野県は市町村と共同で乳がんの患者の人工乳房などを購入する費用の一部を助成する制度を、現在38市町村が2024年度中の導入を予定していて、長野県に住む女性の8割以上が助成を受けられます。

対象となるのは、人工乳房や医療用ウイッグ、温泉などで患者が着ける入浴着など以外にも、手術などで鼻や指など体の一部を失った人が身に着ける「エピテーゼ」と呼ばれる人工の器具も含まれています。

購入費用の助成は長野県の各市町村が窓口となって導入し、長野県は市町村が助成した金額の半分、1人につき1万円を上限として助成します。

参考:医療用ウイッグや胸パッドなど購入費用の一部助成へ 長野県 信州 NEWS WEB(2023年)

大阪府でも、

大阪府大阪市北区にある「グローウィング」の人工乳房はオーダーメイドとなり、胸部を#Dスキャナーと呼ばれる機器で測定して作ります。オリジナルに配合した特殊なシリコン素材を使用していることで、接着剤を使わなくても肌に密着します。

依頼者の肌色に適用して着色し、ほくろや血管も忠実に再現しています。プールなどで運動しても外れません。同「グローウィング」の直営店をやって来るのはほとんどが乳がんの患者で、「総合的にも悩みを支援可能だ」と、2021年11月に企業化しました。

同「グローウィング」の社長の男性は「人工乳房と医療用ウイッグのどちらの相談が可能で、がん患者らの心身の負担軽減に結び付くのではないかと思っています。乳房の再建手術以外にも人工乳房という1つの選択肢があることを理解して頂ければ」と述べました。

乳がんは10人に1人が罹患する、女性を代表する疾患です。人工乳房に然り、医療用ウィッグに然り、助成ももっと進むと女性にとってとても助かることだと思います。全国の広い地域で、もっと助成が進んで欲しいと、そう、思いました。

関連記事

乳がん術後「支えたい」 ウイッグ会社が人工乳房開発 産経新聞(2022年)

女性社長率いる乳がん経験者たちが作る「オーダーメイド人工乳房」で術前の日常を取り戻す「ブレストケア京都」株式投資型クラウドファンディングを開始 PR TIMES(2022年)

noteでも書いています。よければ読んでください。

→HOME

人工乳房

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。