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こんにちは、翼祈(たすき)です。
令和6年能登半島地震の発生を受けて、2024年1月24日現在でも1万5000人超の方が、避難所に身を寄せています。
総務省消防庁によれば、能登半島地震で断水が続いている地域では消火栓が使用不可能だけではなく、貯水しておく防火水槽は破損している可能性がある上に、防火水槽の水だけでは足りない恐れがあります。
このため、全国の消防から派遣し構成されている緊急消防援助隊がメーンとなって、2024年1月16日から、断水が続いている地域では学校のプールを防火水槽として活用し、地震の被害を免れた輪島市内の浄水場から調達し、利用するための作業をスタートしました。
また、石川県珠洲市の宿泊施設「日置ハウス」に、薪を燃やして湯を沸かすドラム缶風呂が常設で開設されました。
その他、被災地に災害救援専門のNPOなどボランティア団体が現地入りし、ダンプカー2台、パワーショベル2台、バギー1台を使って、倒木やがれきの撤去や警察や自衛隊のサポートなど、最新鋭の装備品を駆使した「技術系」の団体が存在感を見せています。
この様に様々な支援が進んでいますが、この記事では、災害が起こる前に備えておきたい非常用持ち出し袋について、あると良いものなど例を挙げながら紹介したいと思います。
▽災害備蓄で必要なもの
◉備蓄品
・食べ物
避難所の食事は、パンやおにぎりなど炭水化物に偏ってしまいます。
レトルト食品や、アルファ米、缶詰など、たんぱく質や菓子類、ビタミンが摂取できるものがあると良いでしょう。
非常食は、4人家族で1日3食なら84食分を、全て新しく購入する必要はありません。
最初の3日間は、冷蔵庫の食品で凌ぎます。
初日に食べる非常食以外は、保冷剤と一緒にクーラーボックスに移動させます。冷凍食品を保冷剤代わりに活用するのも1つの案です。こうすると、備蓄は残りは4日分で済みます。
・飲料水
避難所でも水分補給が行える様に、1リットル以上の飲料水を入れておくと安心できます。飲みやすさや衛生面を考慮すると、500ミリリットルのペットボトルを推奨します。
・衣服、靴下
・除菌ウェットティッシュや消毒液、除菌シートなどの衛生用品・救急用品
断水が継続すると、水を十分には使用できません。衛生的な環境を維持するためには、アルコール消毒液、使い捨てマスク、ウェットティッシュなどは大切なものです。
また、ケガをした時のために、包帯やばんそうこうもあると安心できます。
・携帯トイレ
東日本大震災で3日以内に仮設トイレが届いた自治体は34%、半分近くの自治体では1週間経過しても届きませんでした。最も日数を要したのは65日後でした。
食事は我慢したとしてもトイレは我慢してはいけません。
携帯トイレは必須アイテム、数日間分の備蓄があると安全です。
・給水車から水を貰うためのポリタンク
・LEDランタン・LEDヘッドライト
懐中電灯では片手が塞がり、夜間にトイレへ行く時や作業を行う時に不便なケースがあります。両手が空く様に、床に置けるLEDランタンやLEDヘッドライトを収納しておいて下さい。
・歯ブラシ、歯磨き粉セット
意外と忘れがちになるのが、歯ブラシ、歯磨きの「歯磨きグッズ」です。
避難所で歯磨きができないと誤嚥性肺炎や感染症を発症するリスクが上がります。
断水で水が使用できない場合に備えて「歯磨きシート」もあると便利なアイテムです。
・レインコートや使い捨てカイロなど季節グッズ
季節に応じて非常用持ち出し袋の中身を入れ替えることも重要です。
冬の季節だと防寒具や使い捨てカイロ、夏の季節では汗をかきやすいことからタオルを多めに入れておきたいです。雨に備えてレインコートも入れておくと安心できます。
・下着(着圧ソックス・使い捨て下着)
避難所では洗濯した下着が断水で洗濯ができなかったり、人目に付く場所で干しにくかったりする恐れもあります。
衛生環境の維持のためにも、使い捨てできる紙の下着などがあると便利なアイテムです。
避難所や車中泊では、身体を動かす頻度が減り、エコノミークラス症候群を発症するリスクが上がります。着圧ソックスを履いて、ふくらはぎに圧をかけると、深部静脈の血流速度が増加します。血栓を作らないためには血流を良くすることが大切です。
・手回し充電式などの携帯ラジオ
災害発生時、頼りになるのが携帯ラジオです。通信や停電が途絶えると、インターネットやテレビを見ることができなくなる可能性があります。
被災を経験した人の中には、給水所の場所や営業しているガソリンスタンド、食料品店のこと、病院の状況など、生活に欠かせない情報は携帯ラジオから獲得していたという人が沢山いました。
携帯ラジオには電池式の機種以外に、太陽光を活用するソーラー充電式のものや、手回し充電式のタイプもあります。
・毛布
・タオル
・体温計
・携帯電話充電器
・マスク
・治療薬
◉冬の災害に備えて
・使い捨てカイロ
身体を温めることができる『加温』グッズは非常用持ち出し袋の中に用意しておいて下さい。
手足の先よりも、脇の下や首の後ろなど血管が集まっている場所を保温しましょう。
低温やけどを起こす可能性もあることから、使い捨てカイロは直接肌に当てないことです。寝る時には使わないで下さい。
・上履き
避難所が体育館だと、床の温度が0℃近くになる場合もあります。
・マスク
感染症対策以外にも、顔の保温効果もあります。
・防寒着、オーバーズボン
・避難時の服装について
ニット帽などの帽子や手袋、マフラー、あったかい靴下まで厚手のものを身に着け、頭からつま先まで、熱が逃げる場所を無くす様に『保温』を意識して下さい。
・冬用寝袋、毛布
冬の避難所は寒く、防寒対策が不十分ですと、夜は眠れず、不眠になる恐れがあります。
寝袋は温かい冬用のものを準備しておいて下さい。
◉女性が必要なもの
・生理用ナプキン
災害発生でのストレスやショックなどで生理不順になる場合もあります。
まだ生理は来ないはず、と油断せずに生理用ナプキンを用意しておくと安心できます。
・中身が見えないゴミ袋やポリ袋
・ヘアゴム
・おりものシート
下着を着替えられない状況でも、汚れを防いで清潔に維持できます。
・身体拭きシート
・尿取りパッド
いつもと違う避難生活で、尿漏れや失禁が起こりやすくなる場合もあります。
・アイマスク
・化粧水・クレンジングシート
プライベート空間が少ない避難スペースでは、メイクができることは心を保つ大切なことです。クレンジングシートは水が使用できない時でも役に立ちます。
・防犯ブザー(笛)
◉乳幼児に必要なもの
・授乳ケープ
・哺乳瓶、スティックタイプの粉ミルク
・割り箸、紙コップ
・紙おむつ、お尻ふき
・離乳食
・おもちゃ、ぬいぐるみ
◉高齢者に必要なもの
・おかゆなど軟らかい食品
・薬手帳
・治療薬、処方薬
・介護用品の口腔ケア用ウェットティッシュ、ウェットタオル
参考サイト
非常用持ち出し袋チェックリスト 地震や水害で避難する際に女性や乳幼児に必要な中身は? NHK NEWS WEB(2022年)
非常用持ち出し袋 水害や地震や津波で避難する際に あなたや家族、ペットに必要なものは? NHK NEWS WEB(2023年)
ローリングストック
覚えておきたいのが、備蓄する食料は災害時専用にするのではなく、日常から多めに買って、少しずつ食べては買い足す「ローリングストック」という備蓄方法です。
普段から気付いたら消費期限切れ、という無駄を防げます。
災害時は食欲が落ちます。
普段の暮らしで口にする好みの食べ物なら、抵抗なく食事を受け入れられます。
備蓄といえば、乾パンや缶詰など長期で保管可能なものを想像しがちですが、「消費期限は1年で十分です」だと専門家はいいます。
1人12食の4日分の場合では、毎月1食分を食べて買い替えをします。そうすると、1年で12食分がまるまる入れ替わります。防災対策が専門の、NPO法人プラス・アーツ理事長で、防災プロデューサーの永田宏和さんは、「レトルト食品などで自分好みのものを揃えて下さい。災害発生時であっても、単調な味ではない食事を楽しむことができます」。
温かい食事を摂取するためには、カセットボンベとコンロが必要となります。1ヵ月分として一般的なサイズのカセットボンベを15本程度買っておくと安心できます。
参考:災害時、しのぐ備えは 覚えたい「ローリングストック」 朝日新聞デジタル(2018年)
3つの時期に合わせて非常用持ち出し袋
どんな防災備蓄をしておくと良いのか、日本災害食学会顧問である奥田和子さんに質問をしました。
災害が発生してから時間経過で、人間の欲求や食事を取り巻く環境は日々変化します。
大きく3つの時期に分けて適切な防災備蓄をすることが重要だと主張します。
①地震が発生した直後
初めは、地震が発生した直後です。電気・水道・ガスが止まり、周囲の人は大混乱だと思いますが、奥田さんは、「食べ物に時間をかける時間はありません。包装を開けて手間をかけずに、すぐ摂取できるものを非常用持ち出し袋に入れておいて準備して下さい」と述べます。
選ぶ基準は3つ。
- 缶ジュースやミネラルウォーターなど水分を補給できる「飲み物」
- ビスケットやレトルトのおかゆなど「腹の足しになる食べ物」
- チョコレートや缶詰のフルーツなど、ストレスが蓄積される環境で生活する自分を癒してくれる様な「心の足しになる食べ物」
「非常用持ち出し袋にカップ麺という話も聞きますが、水を調達できる状況下ではないので、オススメできません」。
離乳食や介護食、アレルギー対応食など中身を吟味しておくべきだといいます。
②混乱期(1週間以上経過)
次の段階に入ると、落ち着きをやや取り戻す時期に差し掛かります。
ライフラインの一部が復旧し、自分の家で避難をする「在宅避難」ができる様になります。奥田さんは、「水道の復旧がまだ完了していないのであれば、食器は洗えません。簡単に食べられるレトルト食品や缶詰を最低1週間分、自宅に事前に防災備蓄しておいて下さい」と語ります。
阪神・淡路大震災や東日本大震災では野菜不足で、口内炎や便秘などの症状を訴える被災者が多い傾向でした。奥田さんは「試しに主食、野菜、肉野菜、デザートに分けて、朝・昼・夜の献立を缶詰やレトルト食品などで入れる様にしましょう」とアドバイスしています。
③ライフラインの復旧が遅れたら「共助」
物流は回復し始めて来たけど、ライフラインの復旧がだいぶ遅れてしまった時、自宅での料理は依然困難です。「共に助け合う」の出番です。
「炊き出しで野菜たっぷりの汁物とご飯を作り、元気を取り戻していきましょう」。
自治会などで大釜といったガスボンベや調理器具などの熱源を準備しておくことを想定したいといいます。
「普段から会話を図り、災害前に訓練をしておくことが鍵となります」と説明します。
参考:三つの時期に分けた災害食 好きな物、食べながら蓄えて 朝日新聞デジタル(2018年)
災害発生時に重宝されるものは、水分を加えるだけで、柔らかいご飯になるアルファ化米です。災害発生時に救援物資として送られて来ますが、湯や水がない時、どうして炊けば良いのでしょうか?
奥田さんは「考え方をガラッと変えて、フルーツジュースや野菜ジュース、お茶など、手頃な飲み物を加えてみて」とアドバイスしています。
特に野菜ジュースを加えたアルファ化米は、ケチャップライスのような味になるだけではなく、災害発生時に不足しがちとなる野菜の栄養素を補完できます。
奥田さんは「有事の時の食べ物は、ストレスや不安にさらされた心を癒すものとなります。食べ慣れたものや好物を自分でしっかり把握して、手元に備蓄するのが基本的な考え方です」と言いました。
災害関連の記事を書いて来ましたが、
私の家では防災備蓄という備蓄はしていません。
防災備蓄をする程、精神的な面などで余裕がないからです。
最近で言うなら、母が手術するために入院、リハビリをしていて、私は毎日仕事と家事をこなすのに手一杯で、備蓄をするといった他のことが考えられません。
とりあえず今は母がリハビリを終えて、元気で退院して帰って来る、その後にしか考えられません。
母には、「退院して帰って来たら、まずは少しずつだけど、防災備蓄をしていきたいと思う。いつ、何が起こるか分からないから」とは、やり取りしました。
防災備蓄は本当に初心者マークですが、この記事をまとめて、何が必要か理解できたので、それを参考に、防災備蓄を始めようと思います。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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