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こんにちは、改めましてM. Jです。
この記事をご覧の皆さんは、「これから10年以上後の自分の目(眼)の状態について」イメージすることができていますか?
目も身体の一部ですので、年齢を重ねていけば機能が衰えます。
ある程度の年齢になった時「さまざまな病気が出現!」という状態になります。
眼科でも「将来の自分自身の目」について教えていただくことも少ないようです。
どうにかして目の状態を維持していかないと、身体と同様に筋力低下やバランス能力低下を起こし、「フレイル」という「虚弱な状態」に陥ってしまいます。
「フレイル」自体がまだまだ浸透しているとはいえませんが、これが「目」となると更に「何ですか?」という声があちこちから聞こえてきます。
目のフレイルを簡単にいうと「加齢による目の病気」のことを指します。
つまり「白内障・緑内障・加齢黄斑変性」といった目の病気になりやすい状態のことです。
これらの病気は「ADL(=日常生活動作)」に支障を来たしてしまうので厄介です。
今回は、これらの3つの病気を中心に、M.Jと共に学んでいきましょう!
以下の項目に沿って「目のフレイル」について書きます。
- 目の構造・目のフレイルとは
- 白内障
- 緑内障
- 加齢黄斑変性症
- 現代人が受けている過剰すぎる目への刺激
- 10年後、今のままの目の状態に・・・
目の構造・目のフレイルとは
最初に「目の構造」について書きます。
【目の構造】→詳しくは下記の文献に記載しています。
画像引用:千寿製薬:目のしくみと涙のしくみ
次に「フレイル」とは、どのような状態のことをいうのでしょうか? 【フレイルとは】→詳しくは下記の文献に記載しています。 「疲れやすくなる」「活動量が少なくなる」「筋力が低下する」「動作が遅くなる」「体重が減る」 ◎フレイルの状態を「放置」すると「体調の悪化・活動能力の低下」が起こり生命に関わる 参考:厚生労働省:フレイル対策を中心とした保健事業(PDF) 目の構造は、いろんな膜などがあり意外と複雑です。 目の外側に近い部分は、外部からの刺激を保護している器官が多いです。 目という組織は外部からの刺激を「眼球の部分で分散して守っている」のかもしれません。 主に、物を見るために重要な部分の「網膜・黄斑・硝子体」などの器官は目の内部にあります。 これらに加えて、脳の神経の一部である「視神経」も存在しています。 目の病気の多くは「眼球の内側(奥のほう)」の異常によって起こると考えられています。 年齢を重ねてかかる「目の病気」には、どのようなものがあるのでしょうか? 次の項では、白内障について書きます。 【白内障とは】→詳しくは下記の文献に記載しています。 【白内障になる原因】 「加齢」「糖尿病」「ステロイド薬の服用」など 【白内障の症状】 《初期症状》➖自覚症状は少ない ◎重症化すると以下の症状が出現する 【老眼との違い】 【治療】 新宿東口眼科医院:白内障ってどんな病気か知っていますか(PDF) 年齢を重ねてかかる病気でよく耳にする病気は「白内障」です。 この病気では「目の前が真っ白になる」と訴える方が多いようです。 老眼とは違い「メガネをかけても目の状態が改善しない」というのが大事な要素です。 現在は眼科において「日帰り手術」をしているところも多く、白内障の手術後、充実した日常生活を送っている方も多いようです。 ただし、目の病気はこれだけではありませんので、軽く考えないでいただきたいです。 中には「失明する」「完全には治らない」病気もあります。 まず、日本の中で失明者が最も多い「緑内障」ですが、どのような病気でしょうか? 次の項では、緑内障について書きます。 【緑内障とは】→詳しくは下記の文献に記載しています。 【症状】 《初期症状》➖自覚症状は少ない ◎重症化すると以下の症状が出現し、ADL(=日常生活動作)に支障を来たす! ①視界がかすむ・ぼやける ②見える範囲が狭くなる ③視力低下 【緑内障のタイプ】 ①原発緑内障・・・原因が特定できない緑内障 《1》閉塞性隅角緑内障(急性) ◎ほかの診療科で薬の「使用禁忌」と書いてあるタイプの緑内障 《2》開放性隅角緑内障(慢性) 《水の出口付近の構造を隅角という→隅角が広いタイプ(開放性)》 ②続発緑内障・・・病気・外傷・薬が原因となって眼圧が上昇する 《重度の白内障・ブドウ膜炎・糖尿病性網膜症など》 ◎原因となる病気の治療を優先する ③正常眼圧緑内障 《他のタイプと同様、眼圧を下げると視野障害の進行を予防できる》 《1》閉塞隅角緑内障(急性)・・・過労・暴飲暴食・散瞳など 《2》開放隅角緑内障(慢性)・・・遺伝・加齢・高度近視など ◎加齢によるものが多いが、20歳〜30歳でかかることもある ◎眼圧上昇によって視神経が圧迫されることで発症 ◎最近の調査で眼圧が正常であっても視神経が弱体化していると発症することもあると判明。
白内障
緑内障
【治療】
《1》薬物療法
- 眼圧を下げる薬の服用
- 薬の種類:3〜4種類→それ以上は「レーザー療法」「手術」を検討
《2》レーザー治療
- レーザー線維柱帯形成術
- レーザー虹彩切開術
《3》手術:レーザー治療で効果が薄い場合に行なう
- 房水の排出路を新たに形成する手術
- 防水の排出口を再開通させる手術
- 白内障の手術時にチューブを埋め込む手術
【基本的なこと】
◎「早期発見」「早期治療」が大事!
◎ただし、視神経を修復することはできないので、視野や視力が回復することはない!
◎緑内障は放置すると悪化する!最終的に「失明」する!
前述した「白内障」とは違い「緑内障」は、悪化すると失明してADLに支障を来たします。
「手術をすれば完全に治る」というわけではないので厄介です。
初期症状がハッキリしないため「いつの間にか悪化が進んでいる」ということが多いです。
以前は「眼圧が高い」ことが原因と言われていましたが、最近では「眼圧が正常」でも「緑内障」になる危険性があるようです。
脳神経の1つである「視神経の異常」によって起こるので、修復は困難といえます。
「早期発見」や「早期治療」で「予防」していくしかなさそうです!
「定期的な眼科受診」や「生活面の改善」が必要不可欠です!
「悪化が進む前に手を打つ」ことが最も重要です!
ただ、目の病気は白内障と緑内障だけではありません。
最近、日本でも罹患者数が増えてきている目の病気があります。
それは「加齢黄斑変性症」です。
著しい「視野の障害」が見られ、「失明」する危険性があります。
どのような病気なのか、次の項でまとめていきたいと思います。
加齢黄斑変性症
【加齢黄斑変性症とは】→詳しくは下記の文献に記載しています。
- 視力に関わる大切な部分である「黄斑」に障害が生じ、視力低下を引き起こす病気
- 年齢を重ねると黄斑に老廃物が溜まり、組織や血管にダメージが残る
- 視野障害が起こることによってADLに支障を来たす
- 加齢黄斑変性症は自然に治らないため、放置すると「状態の悪化」が進行する
- 加齢黄斑変性症は、最終的に「失明」するため危険!
- 完全に治すことはできないため、「早期発見」「早期治療」が大事!
【加齢黄斑変性症のタイプ】
①浸出型
- 網膜や脈絡膜に新生血管が発生する
- 新生血管から血液や血液成分が漏れ出し、黄斑が出血や浮腫(むくみ)を起こす
- 漏れ出た血液などの影響で視力が低下する
②萎縮型
- 細胞の萎縮によって黄斑が機能しなくなる
- ただし、中心窩が萎縮しない限り視力低下は起こらない》
- 新生血管の発生はないが、浸出型に変化する場合があるので注意!
- 喫煙:タバコは血管に悪影響を及ぼす《最大のリスク要因》
- 肥満:食生活の欧米化による体重増加
- 高血圧:血管に影響
- 高コレステロール:脂肪の蓄積によって血管に影響
- 心臓の病気
- 遺伝性
【加齢黄斑変性症の症状】
《初期症状》➖視野の中心部がゆがむ
《1》物がゆがんで見える 《2》物がぼやけて見える
《3》注視する部分が暗い 《4》注視する部分が欠けて見えない
◎加齢黄斑変性の前触れとして「ドルーゼン」という状態があります。
ドルーゼンについては以下の文献に記載しています。ご覧いただけると有り難いです。
◎重症化すると以下の症状が出現し、ADL(=日常生活動作)に支障を来たす!
①視野の中心部分が真っ暗になる
②物を見分けることが困難
③文字を読むことが困難
④視力低下
【治療】
①浸出型
◎黄斑変性症自体は完治しない!
◎状態が悪化しやすく危険!
◎病気の状態に合わせた治療を実施する
《1》硝子体への注射
目的:新生血管の成長を抑える
《2》光線力学療法:光に反応する薬を点滴して弱いレーザーを当てる
目的:新生血管の閉塞を促す。薬剤注射と併用して行なう
《3》レーザー療法:新生血管に強いレーザーを照射して凝固させる
目的:新生血管の発生を抑える・発生した血管を小さくする
《4》硝子体手術:レーザー療法が難しい場合に実施する
②萎縮型
◎萎縮型の治療法はない!
「加齢黄斑変性症」も悪化すると失明して「ADL(=日常生活動作)」に支障を来たします。
介助を必要とする場合も多く、「QOL(=生活の質)」の低下も起こります。
「視野の真ん中が黒くなること」「物体の判別が困難になること」などがあり、できれば避けていきたい、放置してはいけない病気です。
原因として「喫煙」「高血圧などの生活習慣病」があるので、日常生活の見直しも必要不可欠です!
「緑内障」「加齢黄斑変性症」は、「ADL(=日常生活動作)」に支障を来たすので、若い頃からの「目に対する認識」「目に対するケア」は、ものすごく重要となってきます!
特に現代に生活している人たちは「目を酷使し続けている環境」に居ます。
かく言うM.Jも例外ではありません。
現在TANOSHIKA CREATIVEで仕事をしていますが「目の疲れ」を感じることが多くなりました。
現代人はどのような場面で「目を酷使している状態」になっているのでしょうか?
次の項では、現代人が受けている目への刺激について掘り下げていきたいと思います!
現代人が受けている過剰すぎる目への刺激
現代は「デジタルの時代」です。この時代に生活している人たちは以下のようなことで「目への刺激」を「過剰に与えてしまっている」といっても過言ではありません。
【日常生活での目に対する過剰な刺激】
《1》スマホ・PCの長時間使用
《2》テレビの長時間の視聴
《3》街中・病院・駅・空港にある「電光掲示板」
《4》デパートの著しく明るい「照明」
日常生活の至る所で、目に対して「過剰な刺激」を与えています。
現代人は「デジタル化」の影響を受けて「目の疲れ」が出やすくなっています。
この記事をご覧の皆さんも、下記の要素には思い当たる節があるのではないでしょうか?
- 令和4年度は全年代でテレビ・ネットの利用時間が平均で一日300分を超えている。
- 全年代で「動画投稿・共有サービスを見る」時間が平日は51.0分、休日は74.1分と最も長い。
- 休日の10代及び20代の「動画投稿・共有サービスを見る」、「ソーシャルメディアを見る・書く」の平均利用時間が長く、いずれも100分を超過。
参照:総務省:令和4年度情報通信メディアの利用時間(PDF)
上記のデータをご覧いただければ分かるように、平日・休日問わず、目を酷使しています。
なかなか「目のケアをする時間」を取ることを意識することができていないかたも多いと思います。年齢を重ねて白内障・緑内障・加齢黄斑変性症でADLに支障を来さないように、プライベートの時間や休日などは「目のケアをする時間」を「設定する必要性」がありそうです。
10年後、今のままの目の状態に・・・
以上、目のフレイルについてでした。
この記事をご覧の皆さん、少しでも「目をケアすること」について興味が出てきましたか?
今回書いた目の病気は「加齢に伴うもの」が多いです。
しかし、これは「デジタル化した生活をしていないかたのこと」です。
現代人の場合はより一層「目の病気」について認識しておくことが必要となります。
年齢を重ねてかかる病気が「若い頃に発症する」ことも十分に考えられます!
ちまたでは「若年性〇〇」といった病気もあるくらいです。
10年後に「白内障・緑内障・加齢黄斑変性症」を発症しないような「目のケア」をしていきたいものです。
次の記事では「目のケアをする方法」について掘り下げていきます。
ご覧になっていただいて「年齢を重ねても生活を充実させること」ができればと願っています!
最後に、私からメッセージを送ります。
「10年後、今のままの目の状態にしていきましょう!」
記事をご覧いただき、どうもありがとうございました!
今回の記事は、以下の文献を参考にしました。
以下の文献は、目のフレイルについてわかりやすくかつ詳しく書いてあります。ご覧いただけると有り難いです。
参考:日本眼科医会:気づきにくい目の病気「アイフレイル」(PDF)
以下の文献は、フレイル全体についてわかりやすく書いてあります。ご覧いただけると有り難いです。
以下は、目の病気についてほかのライターが書いた素敵な記事です。ご覧いただけると有り難いです。
今後について
興味があることや、今後書いていきたい記事のテーマとして、目の健康に良い生活について、感じのいい人になろう!:さまざまな人から学ぶ腎臓の病気は簡単ではない!-急性腎盂腎炎と腎不全の原因・症状・治療について、があります。
皆さんに役立つ情報を届けていければと考えています。
今後ともよろしくお願いします!
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