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こんにちは、改めましてM. Jです。
「どっこいしょ!いつまで続くの、この介護負担!」
と嘆いておられる中高年の方は比較的多いのではないでしょうか?
家族を介護されている方の中には「親孝行のために介護に集中しよう!」「介護をしないといけないので、仕事を辞めなけらばならない!」と思っている方もいると思います!
「ちょっと待ったあーー!」
そのような考え方をしている方には「自分自身をもっと大切にしてください!」というメッセージを送りたいと思います。
家族などの身内の介護は、皆さんが思っている以上に「苦痛」を伴います。
それに加えて「仕事を辞めて介護だけをする生活」は、あまりオススメできません。
介護だけをする生活は「介護する家族」にとって、デメリットが比較的多いようです。
介護の問題を全体として見ると「介護をしている家族に対するサポート」は、著しく不足しています。
その理由として、介護保険制度は「要介護者・要支援者に対するサービスはあるが、介護をしている家族へのサポートはない!」という制度だからです。
「第三者の力を借りにくい状況」というのも日本の社会問題ですが、「介護問題では、借りれるところは大いに第三者の力を借りる」「身内の介護を1人で抱え込まない」という視点で見ていくことが必要だと私は思います。
この記事をご覧の皆さん、M.Jと共に「介護家族のこと」について考えてみませんか?
今回は以下の項目に沿って、介護離職を防ぐことについて書きます。
- 介護離職とは・介護離職の状況
- 介護離職のデメリット
- 公的な制度(介護をする人へのサポート)
- 今後・介護する人に対して必要なサポートについての提言
- 家族本人が自力でできること
- 介護のストレスを軽減する考え方
- 1人で抱え込まないことを宣言しよう!
介護離職とは・介護離職の状況
【介護離職とは】
・・・家族の介護をするために「現在の仕事を退職すること」をいう。
【介護離職する理由】
- 体力的に両立が難しい
- 先が読めず、仕事との両立が困難
- 自分以外に家族の介護を担う人がいない
- 介護によって仕事の責任を果たせない
- もっと長く介護に時間を割きたい
【介護離職者数の推移】
- 2010年:約5万人
- 2013年〜2017年:約9万人前後
- 2018年〜2019年:約10万人を超える
【介護離職者の年齢】
- 女性のほうが介護離職率が高い。
- 女性の介護離職者:55歳〜59歳で急増し、65歳以上で最多になっている。
- 男性の介護離職者:65歳以上が最多、次いで35歳〜39歳となっている。
【要介護又は要支援の認定者数】→65歳以上全体の認定率
- 65歳〜69歳: 3%
- 75歳〜79歳:14%
- 85歳〜89歳:50%
- 95歳以上 :84%
下記の文献は、「介護離職者数の増加」「介護をする人の勤務状況」などについて詳しく書いてあります。ご覧いただけると有り難いです。
介護離職の問題、介護を要する家族のことを考えていくと「深く考えてしまう難しい問題」です。
介護離職の背景には以下のことが考えられます。
- 仕事をしているので早朝と夜間しか「介護の時間」が取れない。
- 仕事から帰ってきた後に介護をするのは「心身の負担」が大きくなる。
- 介護せずに「放置」することはできない
- やむを得ず「仕事を辞めて、介護に専念する」
今後、要介護(または要支援)の認定をされる方が多くなり、それに伴って介護離職をする方も多くなっていく感じがします。
そうなると労働者が減少し、日本経済が活性化せず、負のスパイラルに陥ってしまいます。
これに加え、介護を担っている本人にとっての「デメリット」は意外と多いです。
次の項では、介護離職のデメリットについて書きます。
介護離職のデメリット
家族が介護を要する状態になると、仕事をしているかたにとって、大きな負担になります。
「介護に多くの時間を取りたいので、仕事を辞めたい」というかたもいると思います。
確かに、介護の時間は取れるかもしれません。
しかし、介護離職は皆さんが思っている以上に「デメリット」が多いことも事実です!
どのようなデメリットがあるのでしょうか?
【介護離職のデメリット】
《1》収入の減少が激しくなる・経済的に不安定になる
- 「収入源」を失い、介護費用を出すために「貯蓄を切り崩す」ことが欠かせなくなる
- 親の年金での生活を強いられる→「厳しい生活」となる
- ほかの仕事に再就職したとしても「年収が著しく低下」する
- 退職することで将来「介護費用が払えなくなる」ことがほとんど
《2》築いてきたキャリアを失う
- 管理職の場合は「役職手当」を失う
- 再就職の場合はキャリアを失い「収入が減少」する
《3》再就職が難しい
- 年齢が高くなると「正規雇用での再就職が困難」となる
- 年齢制限で転職できる可能性が低下する
- 身体機能低下・体力低下などによって「できる業務が減少」する
- 離職期間が長くなると「再就職が困難」となる
《4》精神的なダメージが大きい
- 要介護者(又は要支援者)との「人間関係のトラブル」が問題となる
- 介護は「忍耐力」が必要なため「悪いストレス」が蓄積する
- 社会との「交流が減少」してしまう
- 外部との人間関係が少なくなるので「精神状態が悪化」する
- 要介護者との関係などによって「精神の病気」になりやすい
《5》将来への不安が出現する
- 介護は「長期戦」になることが多く「負担が大きい」
- 介護する人の「将来の生活」が苦しくなる
- 介護費用が「生活の圧迫」を強めてしまう
【補足:家族の思い】
ただし「家族・親族の介護を・・・」という思いは、下記の様に親世代と子世代では違うようです。
介護をされる親➖子どもから介護を受けたい:約26%
介護をする子➖親の介護をしたい:約57%
下記の文献は、介護離職問題について国から企業への指示などを記載しています。
詳しく書いてありますので、ご覧いただけると有り難いです。
参考:NHK:介護離職防止へ企業に支援制度の周知➖義務づける方針
上記のように、介護離職は「デメリット」がものすごく多いです。
「介護をする側の人の収入がなくなる」ことによって、さまざまな悪影響を及ぼします。
一旦、退職してしまうと、介護費用が不足しても「補うことができない」という大きな問題が発生します。それなりの年齢となるので「再就職が困難になる」ことが考えられます。
また、介護が中心の生活になると「精神状態の悪化」は避けられない場合も多いです。
多くのデメリットがあるので、何とか「介護離職を踏みとどまって!」という思いです。
まずは公的な制度を使いながら「落ち着いた対応」をしていただきたいと思います!
次の項では、介護をする人をサポートする公的な制度について書きます。
公的な制度(介護をする人へのサポート)
【公的な制度:介護をする人へのサポート】→詳しくは後に記載しています
- 介護休業
- 介護休暇
- 所定外労働の制限→残業免除
- 深夜業の制限
介護を担う人に対するサポートはあるのですが、認知されているとはいえず「利用していない人」も多いようです。
これを利用したとしても「介護に対する負担の軽減にはならない」という感じがします。
皆さんが想像される以上に「介護家族の負担は大きい」のです。
介護をする人に対して「今、不足しているサービス」はどのようなものでしょうか?
次の項では、介護をする人に対するサポートについて提言しようと思います。
今後・介護する人に対して必要なサポートについての提言
介護離職を防ぐ方法は「公的な制度」で「介護休暇・介護休業」などありますが、これだけでは介護をする人の負担は軽減することができません!
皆さんが想像する以上に「介護負担が重い」からです。
介護をする人に対しての「サポートの手段が不足」しています。多様性がないのです!
今後「介護をする人に対してのサポート」として以下の方法を実現してほしいです。
①介護をする人向けの「パック旅行」
目的:高齢者や障がい者に対して介護をする方々への精神的なケア
◎フォローの手段:カウンセリング、マッサージ、スポーツまたは身体を動かすゲーム
②「ピアサポート」の活用
ピアサポート:同じ立場・経験などを共にする人同士が集まる場
◎ピアサポートでは介護の体験と共に「対人援助の知識」を持っている人が関わる
◎ピアサポートの場合、幅広い領域で対象となる
◎「仲間と対等な立ち位置であること!」「指導や押しつけはしないこと!」
◎ピアサポートの概念➖「上下関係はない!」
◎理念:多様性を尊重して「幅広く助け合うこと!」
【ピアサポートを活用したほうが良い理由】
以下の4つの要素が挙げられます。
《1》所属感:私はここにいても良い
《2》信頼感:周りを信頼できる
《3》自己重要感:ありのままの私でも良い
《4》貢献感:私は役に立てる
◎上記の4つの要素は「個人として存在する」ために重要です!
◎介護を必要とする多くの病気に対応できるのは「ピアサポート方式」です!
介護保険だけでは、要介護(又は要支援)の家族を介護している人を支えることはできません!
介護をしている人に対して「十分なサポートをする」ためには、上記で挙げた「介護をする人向けのパック旅行」や「ピアサポート」が必須となります!
また補足として、同じような集まりに「家族会」というものがあります。
こちらは身内に介護を要する方の家族の集まりです。
精神疾患や知的障害、認知症やアルコール依存者の家族など、症状ごとに区切られており、ここでも介護の体験やその時の気持ちなどを共有できます。
しかし、私自身今後必要なのは「ピアサポート」だと思います。
その理由は、「多様性のある集まり(=介護をしている人であれば参加ができる集まり)であること」かつ「精神科の知識を持った人からのフォローがある」というところです。
このように、より多くの介護をしている家族が精神的に充実した生活を目指すためには、「気晴らし的な要素」は欠かせません。
何とかして「介護をしている家族など」に対するサポートの創設を願っています!
とは言っても、これらのことが実現するには時間を要するので「家族本人が自力でストレスを軽減すること」が必要となってきます。
次の項では、家族本人が自力でできるストレス軽減について書きます。
家族本人が自力でできること
現在、家族など介護をする人に対するサポートはものすごく不足しています。
「自力でストレスを軽減すること」も必要となってきます。
どのようにすれば「ストレスを軽減すること」ができるのでしょうか?
【ストレスと上手に付き合う方法】
①リラクゼーションの方法を身につける
- 腹式呼吸や筋弛緩法など
②気軽に話せる相手をつくる
- 自分の話を「否定しない人」と会話をする
- 話をすることで「考えの整理」ができる
③日常生活に笑いをとり入れる
- できれば、自然な笑いが良い
- 笑いによって免疫力の向上が図れる
- 前向きな感じになるようにする
④落ち着ける時間と環境をつくる
- 介護のことを「考えない時間」をつくる
- 音楽を聴くなど「ほかの刺激」を入れる
⑤趣味をもつ(考え過ぎなくてもできるもの)
- 心が豊かになれる趣味が良い
- 考え過ぎず、没頭できるもの、気分転換を促す趣味が良い
⑥自然を親しむ機会をもつ
- 自然を感じたり、自然のほうに意識を集中するようにする
⑦ストレス解消を酒やタバコに頼らない
- 酒やタバコは健康に悪影響を及ぼすので、それ以外の方法に切り替える
以下の文献に、①の腹式呼吸と筋弛緩法についてわかりやすく記載しています。
ご覧いただけると有り難いです。
介護生活において「気分転換」や、「介護のことを考えない時間」はものすごく大事です!
介護をする人の「身体の状態・精神の状態」は、要介護者(又は要支援者)の生活に大きな影響を及ぼします。
ただ、一時的にストレスを軽減するだけでは不十分です。
「介護に対しての考え方」は、更に大事なことです!
どのような考え方をすれば「介護のストレス」を乗り切ることができるのでしょうか?
次の項では、介護のストレスを軽減する考え方について書きます。
介護のストレスを軽減する考え方
①「親の介護は子どもの努め」と思わず、「1人で抱え込まない」こと
②介護についての相談機関を明確に決める
③介護サービスを積極的に利用する
④職場の制度を利用する
⑤介護の負担を役割分担する
家族などの介護をするために最も重要なことは「1人で抱え込まない!」という「強い決意」をすることです!
介護をする人自身が「助けを求める」ことをしない限り、ほかの人が「サポートを行なう」ことができないのです!
「第三者の力を借りれる部分は借りていく」ことが必要不可欠です!
1人で抱え込んでしまうと「介護をする人の精神状態の悪化」は避けられません!
役割分担などで「負担を軽減する」ことができれば、介護をする人の「充実した生活」が成り立ちます。
考え方の切り替えをしてみませんか?
1人で抱え込まないことを宣言しよう!
以上、介護離職を防ごう!でした。
現在の社会「介護をする人の生活について考えられている」とはとても思えない状態です。
介護保険の理念として「介護を社会で支えていく」というのがありますが、理念どおりにはいっていません。
その理由として、今回の記事で挙げた「介護をする家族などのフォローを実践していく」という視点が不足しているのです。
「介護離職をしないで過ごしていける社会に!」をスローガンとして、今後「介護をする家族などに注目していくこと」が必要不可欠です!
何とかして、介護家族の負担を軽減していきましょう!
介護をしているかたは「1人で抱え込まない!」ことを徹底していきましょう!
記事をご覧いただき、どうもありがとうございました!
今回の記事は、以下の文献を参考にしました。
HR NOTE:介護離職は従業員だけだはなく企業にもデメリット
下記は、厚生労働省や介護者を支援する団体が出している文献です。
詳しく書いてありますので、ご覧いただけると有り難いです。
以前、介護についてほかのライターが書いた素敵な記事です。ご覧いただけると有り難いです。
以前、私が書いた介護家族へのサポートに関する記事です。ご覧いただけると有り難いです。
今後について
興味があることや、今後書いていきたい記事のテーマとして、目のフレイルについて−白内障・緑内障・加齢黄斑変性症を発症しないための「目のケア」–、目の健康に良い生活について、感じのいい人になろう!:さまざまな人から学ぶ、があります。
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今後ともよろしくお願いします!
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