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こんにちは、改めましてM. Jです。
この記事をご覧の皆さんは、何らかの「アレルギー」を持っていますでしょうか?
アレルギーとは「免疫的な機序によって身体に症状が引き起こされること」です。
人体に「害のないもの」に対して「過剰反応」するということの怖さを感じます。
アレルギーというと「子どもの病気のイメージ」を持つかたもいると思いますが、アレルギーは「簡単には治らない」「長期的な治療を必要とする」ため、大人になっても「向き合っていかないといけない病気」でもあります。
春になれば「花粉症」、冬になれば「喘息」の患者さんが多くなります。
また「アトピー性皮膚炎」という、非常に強いかゆみを伴うものもあり、こうした症状によって「QOL(生活の質)」の低下を招くおそれもあります。
アレルギーに対する治療は「根気強くやっていかないといけない」方法がほとんどで、患者さんに対する負担が大きい一方、アレルギーに対しての薬物療法は強い「副作用」によって日常生活に大きな支障を来たしている人が多いです。
アレルギーの病気に悩んでいる人にとっては「切実な問題」です。
もっと「負担の少ない治療の方法はないだろうか?」と常に思っています。
この分野こそ「多様性が必要だ!」と思うのは私だけでしょうか?
この記事をご覧の皆さん、一緒に「アレルギーに対する医療」について考えてみましょう!
今回は、患者さんの数が比較的多いといわれる「アレルギー」について以下の項目に沿って書きます。
- アレルギーとは(概念)
- 一般的なアレルギー
- アレルギーに対する治療:対症療法
- アレルギーに対する治療:根治療法
- アレルギーに対する治療の問題点
- アレルギー治療に多様性を・・・
アレルギーとは(概念)
多くの人の「QOL(生活の質)」に大きな支障をきたすアレルギーですが、「アレルギー反応」とは一体どのようなものでしょうか?
【アレルギー反応とは】
- 私たちの身体には、病気を引き起こす異物から「身体を守る仕組み=免疫」がある。
- 「免疫」は、体内に入ってきた「ウイルス・細菌」などの「有害物質」を排除する。
- アレルギー反応は「免疫」が過剰に反応して、引き起こされるもの。
- 何らかの原因で「人体に害のないもの(食べ物・手袋など)」に反応して症状を引き起こしている。
【アレルギーの病気の特徴】
◎アレルギーの病気は「年齢によって発症しやすいアレルギーが異なる」という特徴がある。
◎場合によっては「成人から発症するアレルギー」もあるので注意!
次の項では、一般的なアレルギーについて書きます。
一般的なアレルギーの種類
【一般的なアレルギーの種類】※詳細な内容は文献をご覧ください。
①花粉症→飛散した植物の「花粉」が粘膜に触れることで、「くしゃみ・鼻水・目のかゆみ」などが出現する病気。
- スギ花粉→2月〜4月に多い
- ヒノキ花粉→3月〜5月に多い
②喘息→空気の通り道である気道が炎症を起こすことで、「激しい咳が出る」「呼吸困難になる」病気で、原因は気温の変化(特に、寒冷)、副流煙(タバコの煙)、過激な運動など。
③アトピー性皮膚炎→かゆみのある湿疹(しっしん)が慢性的に、繰り返し出る病気。
④金属アレルギー
⑤動物アレルギー
いろんな種類のアレルギーがありますが、その中でも「花粉症」「喘息」「アトピー性皮膚炎」は、患者さんの数が多いようです。
一般的なアレルギーへの対応として「警戒しておかなければならない時期」「警戒すべき場所」などがあります。この対応をしっかりしておかないと「苦しく・長い病気との付き合い」になります。
例えば次のような時期や場所が要注意です。
◎花粉症は、春の時期はもちろん春になる前の「対応(意識づけ)」がものすごく重要です。
◎喘息は「季節の変わり目」が要注意で、「副流煙(タバコの煙)・工場付近」を避ける必要性があります。過度の「運動」でもひどい発作が出現してきますので、注意を要します。
◎アトピー性皮膚炎は、原因が不明なので「難しい病気」といっても過言ではありません。
しかし、これらのアレルギーには治療の方法があります。
次の項では、アレルギーに対する対症療法について書きます。
アレルギー(花粉症)に対する治療:対症療法
ここでは主に「花粉症」に対する治療(対症療法)について書きます。
【アレルギーの治療:対症療法】
①飲み薬
- 抗アレルギー薬:効果が現れるまで2週間以上時間がかかる。
- 抗ヒスタミン薬:強い副作用が出現する。→特に、眠気・便秘が強い。
- ステロイド配合の薬:免疫の働きを抑えてしまう。
→血糖値の上昇・むくみなどさまざまな症状が出現する。
◎長期の服用は、危険性が高い。重症の場合に一時的に使う。
②点鼻薬
- ステロイド点鼻薬:効果が現れるまで2週間以上かかる。
- 点鼻用血管収縮薬:使い続けると「鼻づまり」を起こすので注意が必要!
③点眼薬
- 抗アレルギー点眼薬:効果が現れるまで2週間以上かかる。
- ステロイド点眼薬:眼圧上昇の危険性が高いので注意が必要!
④レーザー治療
- 飲み薬で効果が薄い人に適応。
- 手術1回の費用は1万円。手術後、2年しか効果が持続しない。
- 血液をサラサラにする薬を服用している人、高血圧、緑内障の人には適応できない!
花粉が飛ぶ前に「病院に行って薬を服用しないといけない」それは苦痛でしかありません!
2週間以上前から準備するので、花粉の飛ぶ時期を事前に予測しなければなりません!
これに加えて「薬の副作用が強い(詳しくは後述)」ということで「QOL(生活の質)」が著しく低下してしまいます。
「レーザー治療」も費用が高い割には、2年しか効果が持続しない「ハイリスク・ローリターン」な治療法です。
ほかのアレルギーも「対症療法」が主なものとなってきます。
アトピー性皮膚炎は「原因が不明」ですので、ものすごく強い「かゆみ」を抑えるしか方法が見当たらないです。
とにかく、アレルギーを「スッキリさせる方法」はないのでしょうか!
次の項では、アレルギーに対する根治療法について書きます。
アレルギーに対する治療:根治療法
【アレルギーの治療:根治療法】
①減感作療法(SCIT)
- WHO(世界保健機関)は「アレルギー疾患に対する根治療法は減感作療法のみ」と表明している。
- WHOは、減感作療法のことを「アレルゲン免疫療法」と提唱した。
- 治療は、前腕部(肘から手首の間)に「少しずつ抗原を注射」していく。
→「アレルギーを遮断する別のIgG抗体」がつくられる。抗原と特異的IgE抗体が「結びつくことを遮断する」ので「アレルギー反応」を起こさなくなる。
《対象の病気》
●花粉症 ●アレルギー性鼻炎
●気管支喘息 ●ハチ毒アレルギー
●そのほかのアレルギーについては研究中。
②舌下免疫療法(SLIT)
- 100年以上前から行われている治療法。基本的に皮下免疫療法が行われていた。
→皮下免疫療法:アレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する方法。
- アレルゲンを少量から徐々に増やして体内に取り入れていく。
- 近年では、舌の下に投与できる治療薬がある。
《対象の病気》
●スギ花粉症 ●ヒノキ花粉症
アレルギーに対する「根治療法」WHOの見解でも「減感作療法」しかないのはものすごく残念なことです。対象の病気も花粉症など4つの病気にしか「使えない」のです。
実際の治療も少しずつ注射していくしかないなど、細かく通院する必要もあります。
以上のことからアレルギーは「根治が難しく・厳しい病気」と言えるのではないでしょうか!
今後、もう少し「根治できる方法」が増えていくことを願っています!
次の項では、アレルギーに対する治療の問題点について書きます。
アレルギーに対する治療の問題点
アレルギーに対する治療薬ですが「副作用が強い」ことが「最大の問題点」です!
これが「アレルギーの患者さんの「QOL(生活の質)を下げている」といっても過言ではありません!
【アレルギーの薬の副作用】
①眠気→これが「代表的な症状」で、ものすごく強い!
◎集中力が低下し、日常生活に大きな支障が出現する!
②便秘
③吐き気
④喉の渇き
【アレルギーの薬:服用後の注意】
◎服用後(以下、薬を飲んだ後)は、自動車の運転など「危険を伴う動作」には注意が必要!
◎薬を飲んだ後は、自動車の運転など「危険を伴う動作」「機械の操作」はさせないこと!
アレルギーの治療の問題点の筆頭にくるのは、副作用である「眠気」ではないでしょうか!
明らかに「QOL(生活の質)」を低下させる「厄介な」作用といっても過言ではありません!
アレルギーの病気になっている人から話を聴くことがあるのですが「薬の副作用が強い!」「眠気が強くて、仕事にならない」という言葉がものすごく多いです。
仕事の中で、例えば「送迎などの運転中に利用者が負傷した」「工場で生産ラインを何度も止めてしまった、ほかの職員にケガをさせてしまった」など大きな問題に発展する「危険性」があるので、眠気を侮ることはできません!
アレルギーの治療、本当にどうにかならないものでしょうか!
アレルギーの病気になっている「患者さんの身体の負担」が重すぎます!
アレルギー医療に多様性を・・・
以上、アレルギー:「治療に多様性を」についてでした。
今後のアレルギーに対しての医療には「どのような課題」があるのでしょうか?
【現在のアレルギー医療の状況】
①アレルギーが「全身の病気である」という認識になっていない!
②一般的なアレルギーの治療の方法はあるものの、「副作用・費用」の問題がある。
③アレルギーに対する「しっかりした医療」が確立されていない!
④「ラテックスアレルギー」「薬物アレルギー」「食物アレルギー」の治療法が確立されていない!
現在、一般的なアレルギーに対する医療は「耳鼻咽喉科・皮膚科・呼吸器科」にて行われています。しかし、アレルギーの病気自体「全身の病気である」という認識にはなっていません。
特に、患者さんの「QOL(生活の質)」の観点からみていくと、「苦しい症状との長い付き合い」があるため「日常生活」や「仕事などの社会活動」に大きな支障を来しています。
その割には治療の方法が「対症療法が中心」「種類が少ない」というのは、「大きな問題」だと思います。
治療に「多様性」がなく、患者さんの「身体的・金銭的負担が大きい」ことは確かです!
今後のアレルギー治療は以下のようになることを願っています。
【今後、導入されると良いアレルギー治療】
◎副作用が少ないとされる「漢方薬」
◎がんの治療などで使われる「放射線治療」
◎全身を調整する「新たな治療法(iPS細胞によるものなど)」
現行の治療法が上記のように「多様性のあるもの」になっていき、治療法の選択肢が広がればいいと思います!
そうすれば、アレルギー患者さんの「負担」は大きく「軽減」するのではないでしょうか!
記事をご覧いただき、どうもありがとうございました。
今回の記事は、以下の文献を参考にしました。
横浜高明寺呼吸器内科クリニック:アレルギーの原因・種類・治療
横浜高明寺呼吸器内科クリニック:花粉症の治療→対症・根治療法
eーHealth Clinic:花粉症の抗ヒスタミン薬の効果・特徴とは?
厚生労働省:アレルギー疾患対策→今後に期待すること(PDF)
アレルギーについてはこちらの文献にわかりやすく書いてあります。ご覧いただけると有り難いです。
現在、アレルギーの専門的な治療をしているクリニックが出している文献です。ご覧いただけると有り難いです。
アレルギーについてほかのライターさんが書かれている記事があります。素敵な記事ですので、ご覧いただけると有り難いです。
もう一つの、M.Jのアレルギーについての記事はこちらになります。ご覧いただけると有り難いです。
今後について
興味があることや、今後書いていきたい記事のテーマとして、M.Jの成長に欠かせない失敗学、脳卒中への対応:くも膜下出血について、忘年会、約8割が参加しない意思!今後への提案!があります。
皆さんに役立つ情報を届けていければと考えています。
今後ともよろしくお願いします!
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記事を読ませていただきました。アレルギーといってもたくさんあることを書かれて、当時よりも詳しく進化していることに驚きを感じています。役に立つ記事を楽しみにしています。
にわとり様、素敵なメッセージどうもありがとうございます。おっしゃる通り、10年前よりもアレルギーの種類自体の発見は進んでいます。危険なものまで発見されるような時代になりました。しかし、アレルギーに対する医療は病気の発見からはかなり遅れていると思います。「治療法の少なさ」に加え、「内科のアレルギー専門医が少ない」「危険なアレルギーの医療については明らかに不十分」など充実しているとはいえない部分が多いです。これについては、次回の記事に詳しく記載していますので、ご覧になっていただけるといいと思います!今後も、よろしくお願い致します!