乳がんの最初の遺伝子変異は10代の頃の思春期!世界初となる発見、京都大学ら発表。 

乳がん 遺伝子変異 思春期

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

乳がんで亡くなる人が年々増えているそうです。

日本では年間約9万8000人が乳がんと診断され、約1万5000人が亡くなります。

女性では最も頻度が高いがんで、発症する人も亡くなる人も年々増加しています。

どうして女性は乳がんにかかりやすいのか?

その原因を突き止めた研究が、今回ご紹介したい研究成果となります。

今回は最初の乳がんへの遺伝子変異が起こる年齢など、世界初となる大発見を紹介したいと思います。

乳がんの原因は「若い時の遺伝子変異」によるもの

 

女性のがんで最も患者の多い乳がんで、そのおよそ2割を占めるタイプでは、乳がんだと診断される数十年前、当事者が10代前後の時点で、がんのベースになる最初の遺伝子変異が起こっていたとされることがゲノム解析で判明したと、京都大学や慶應大学、東京医科歯科大学などの研究グループが2023年7月27日、明らかにしました。

最初の遺伝子変異が起きた後、新たな変異が徐々に蓄積していき、数十年後に乳がんを発症しました。世界で初めて原因を突き止め、乳がんの早期発見や治療に結び付く可能性があると注目を集め、論文はイギリスの科学誌[ネイチャー]電子版に掲載されました。

どうして乳がんに遺伝子変異するのか?その謎解明。

がんは、正常な細胞の遺伝子に変異が段々と蓄積していってがん細胞が出現し、がん細胞が増殖して発症すると想定されています。ですが、がんのベースとなる遺伝子の変異がいつごろ見られ、どんな経過を辿っていき最終的にがんだと診断されるか、がんに至るまでの発症のメカニズムは詳しく解明されていませんでした。

がんとなる原因遺伝子を親から受け継ぐ遺伝性のタイプが5~10%を占めますが、残りの2割に関しては最初の遺伝子変異がいつ起きるか分かっていませんでした。23対ある染色体の1番目と16番目の間で異常が生み出されたタイプとなり、乳がんの患者さんの2割の原因でした。

京都大学大学院医学研究科の小川誠司教授などで構成された研究グループは、遺伝性でない、特定の遺伝子変異が原因で発症したとされる41歳から48歳の閉経前の乳がんの患者さん9人の乳腺の細胞を採取し、ゲノムを詳細に解析することで、がん化に結び付く遺伝子変異が最初に発生した時期を分析しました。がん化した細胞と周りの細胞を比較して、遺伝子変異がどの様に蓄積していくのかを時系列で分析していきました。

遺伝子変異は細胞が分裂・増殖していく中で引き継がれていくことから、同じ遺伝子変異を発見することで起源を辿ることが可能です。遺伝子の変異数と蓄積の速度から、個々の遺伝子変異がいつ頃に発生したか、順番も推定も可能です。

その結果、最初の乳がんになる遺伝子変異は4.4歳から16.9歳(平均10.6歳)という初潮のある非常に早い段階で発生していたことが明らかになりました。そして、数十年かけて遺伝子変異が少しずつ積み重なって一部の細胞ががん化し、乳がんを発症することが明らかとなりました。

研究グループでは、乳腺細胞の遺伝子変異に、第2次性徴以降に増加していく女性ホルモンが影響を与えている可能性があると考えています。

遺伝子変異が起きた細胞は、月経の開始で乳腺が発達するのに伴い増殖して遺伝子変異が拡大し、新たな遺伝子変異も徐々に蓄積していきます。30歳前後までにがん細胞になる一歩手前の細胞の遺伝子変異が複数確認できていたとも推定されました。患者さんは41~48歳の時に乳がんだと診断されました。閉経した後は女性ホルモンが減ることから、新たな遺伝子変異が起きづらくなっていきます。

その上で、この様な遺伝子変異は出産を1回経験する毎に55個減少する計算になったということで、研究グループでは、「妊娠や出産を終えると、乳腺にある幹細胞から新しい細胞ができて、遺伝子変異が以前から蓄積していた古い細胞が脱落していく中で、新しい乳腺の細胞ががんにならず置き換わることが影響を与えている可能性がある」と推測しています。

分子病理学が専門の京都大学の小川教授は「発がんの詳細な歴史が判明しました。これをきっかけに、乳がん発症の仕組みの解明に取り組みます。妊娠と出産を経験した女性は乳がんになりにくいというのは疫学調査で認知されていましたが、遺伝子変異の数が減少するからだと今回明らかとなりました。がんのベースになる最初の遺伝子変異が発生してから乳がんに至るまでの推移を今回初めて明らかにすることができました。血液検査など、がん化に至る遺伝子変異を早い段階で検出できれば、これから先乳がんの早期発見などに大いに貢献できるのではないかと考えています」と説明してます。

従来の研究は、がん化した細胞の遺伝子を解析するのがほとんどでした。今回は、がん化した細胞と正常な細胞の両方を分析しました。小川教授は「がん細胞のルーツを調査するには、がん以外の細胞の遺伝子も見る必要があります」と語りました。

今回明らかにした遺伝子変異が原因となる乳がんは全体のおよそ2割程度と言われており、研究グループでは残りの8割の乳がんとなる原因に関してもこの手法を応用しながら解析したいということです。

参考:乳がんの一部、思春期前後に遺伝子変異か…京大など患者のゲノム解析 読売新聞(2023年)

大阪大学のがんゲノムが専門の教授の男性は、「一見正常に思える細胞でも、がんのベースとなる遺伝子変異を持っていることが近年の研究で分かってきています。乳がんに関して、その遺伝子変異が初潮の頃に発生していることは驚くべき結果だといえます」と述べました。

乳がんは怖い

私は30歳になった頃、乳がん健診の案内が来て、健診を病院で受けました。その時に「マンモもしますか?した方が良いですよ」と言われていましたが、その前から何十年もずっと乳がんの健診を受けていた母から、「マンモはかなり痛いからね。胸を直に挟むからね」と聞いていたので、「今回は遠慮します」と言って受けませんでした。

病院からは「35歳になったらマンモは絶対に受けて下さいね」と言われて、健診を終えました。

乳がんというかがん自体がとても怖いものですよね。今回の乳がんは10代の思春期の頃からの遺伝子変異で起こるという研究データでしたが、遺伝子は生まれ持ったもので置き換えることができないですし、そんな置き換われないものががんに繋がるとなると、乳がんは太刀打ちできない怖いがんだと理解しました。

今回の研究成果は大発見と共に、誰にも起こり得る乳がんの原因とも知り、毎年多くの人が乳がんになる理由が分かった様な気もします。

抜本的な治療薬ができない限り、乳がんというものは女性にずっと一生付いて回る病気なんだと思うと、とても悲しくなりました。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎、右手人差し指に汗疱、軽く両膝の軟骨すり減り、軽度に近いすべり症、坐骨神経痛などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。