この記事は約 6 分で読むことができます。
こんにちは、翼祈(たすき)です。
65歳以上の高齢者の方には、住んでいる地域の市役所から、『肺炎球菌ワクチン』の接種の案内が届きます。高齢者の方は誤嚥性肺炎などで亡くなるケースも多く、今は新型コロナウイルスが蔓延している為、このワクチンの接種が更に重要視されています。
この『肺炎球菌ワクチン』には子供用と高齢者用と2つあるそうです。
今回は主に65歳以上の高齢者対象の『肺炎球菌ワクチン』と、ワクチンを打った私の身近な家族に起こった体験談についてお伝えしていこうと思います。
肺炎球菌ワクチンとは?
肺炎球菌ワクチンとは、細菌である肺炎レンサ球菌に対するワクチンです。このワクチンで肺炎、髄膜炎、敗血症の予防が出来ます。肺炎球菌ワクチンには二種類あり、1つは結合型ワクチン(PCV)で、もう1つは多糖体ワクチン(PPV)です。投与法は筋肉内注射または皮下注射です。
世界保健機関は、結合型ワクチンの子供への定期的予防接種を推奨しています。またHIV/エイズの人にも勧められています。3回から4回の投与による重度の症状の予防効果は71% – 93%です。多糖体ワクチンは健康な大人への投与が効果的であり、2歳未満の子供や免疫機能の低い人への投与の効果はありません。これらのワクチンは安全です。
参考サイト
症例
肺炎球菌感染症では、主に抵抗力の弱い赤ちゃんや高齢者に肺炎や髄膜炎など色んな状態を及ぼし、重症化すると亡くなるケースもあります。感染防止で、きちんと肺炎球菌ワクチンの接種をすることがとても大事です。
肺炎は日本人の死因(2017年時点)で5番目に多く、高齢者を中心に毎年10万人前後が亡くなっています。その原因の1つが肺炎球菌という細菌感染での肺炎です。
肺炎球菌は、外側を分厚い膜に覆われており、体内の異物を除去する免疫機能から逃げやすい構造を合わせ持ちます。主にせきやくしゃみなど、この肺炎球菌を含む飛沫を吸い込むと肺炎球菌感染症になります。
乳幼児の約半数、成人の3~5%には鼻や喉などに、肺炎球菌が常在しています。全ての保菌者が肺炎球菌に感染するのではなく、抵抗力が弱っている時などに肺炎が起こります。肺炎球菌感染に罹患しやすい人は免疫機能の弱い2歳未満の子どもや弱くなっている高齢者で、健康な若い人が重症化することは少ないです。
子どもでは菌血症や髄膜炎が悪化し、知的障害や難聴などの後遺症を引き起こし亡くなるケースがあります。高齢者はインフルエンザに感染した後、傷付いた気道から菌が体内に入って肺炎を引き起こし、亡くなるケースが非常に多いです。
肺炎球菌に感染した初期では風邪に似た症状で、症状が悪化して救急搬送された後、原因が肺炎球菌と判明することも珍しくない事です。早期にたんや尿の検査、血液培養検査などで肺炎球菌を特定し、症状が表れている臓器を見定めることが大変重要です。
治療法
治療には抗菌薬が有効で、点滴や飲み薬など様々な種類があります。
肺炎球菌では、薬が効かなくなる「耐性」を持つ菌が問題になっています。手持ちの抗菌薬を自己判断で飲むと、不完全な効き目が菌に及び、確定診断を妨げる恐れがあります。感染症に詳しい医療機関で適切な診断と治療を受ける必要があります。
参考:肺炎球菌感染症…重症化で死の危険も ヨミドクター(2019年)
肺炎球菌には、97種類の型(血清型)があり、予防には、ワクチン接種が有効です。高齢者は23の型に対応した23価ワクチンへの公費助成制度があります。心臓などに重い持病がある60~64歳、65歳から5歳刻みの年齢の人が助成対象となります。
公費助成は1回限りで、自己負担は市町村ごとに異なり、2000~4000円程度。2回目以降は自費で、5年ごとの追加接種が望ましいとされます。
肺炎球菌ワクチン市場、緩やかな成長傾向
株式会社グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「肺炎球菌ワクチンの世界市場:業界動向、成長、機会、規模、シェア、予測(2021年~2026年)」(IMARC Services Private Limited)の販売を2022年1月4日よりスタートしました。
肺炎球菌ワクチンの世界市場は、2015年から2020年に渡って約5%のCAGRで成長した市場です。肺炎球菌ワクチンは、免疫系を刺激し、重篤な感染症の起因である細菌株から守ることで、子どもから大人まで予防可能です。肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌感染の拡大を予防し、致死率を落とし、入院の必要性を防ぐことが可能で、世界中で幅広く使われています。
参考:肺炎球菌ワクチン市場、2021年から2026年にかけて緩やかな成長見込み PR TIMES(2022年)
新型コロナウイルスの感染拡大での、この肺炎球菌性疾患による肺感染症のリスクが増えることへの予防策で、肺炎球菌ワクチンを使うことが推奨されています。世界の肺炎球菌ワクチン市場は、これから5年間で緩やかな成長を示すと推定されています。
この記事を書いたきっかけ。
私がよく使う見出しですが、今回この肺炎球菌ワクチンの記事を書いたきっかけは、身近な母が去年接種した事からです。母はコロナワクチンを打っても、家族の中で1人だけ高熱も副反応も出ず、今回も大丈夫だろうと思って接種に行きました。
すると打った日から打った方の腕が上がらない、熱が徐々に出て来たので早く寝る。夜中寒気がし、次の日熱を測ったら38度を超え、食欲もない、相変わらず腕が上がらないと、コロナワクチンとは全く真逆の症状が出ました。
私が会社に行ったこの日も、ちょっとだけ朝ご飯食べて、すぐまた寝ていました。母が病院で貰って来た肺炎球菌ワクチンの案内の紙には、「副反応が出るのは、全人口の5%」と、その少なさの中に自分が入って驚いていました。
病院で「肺炎球菌ワクチンは5年間隔で打たないと効果ないですよ」と言われたと私に言って来て、私はライターなので真意を確かめるべく記事化して、本当にそれが書いてあって納得出来ました。2回目以降は自費なのですね。幾らかかるかそこまで分からなかったので、気になっています。
関連記事
「肺炎球菌」はなぜ、細菌の王?乳児と高齢者がワクチンを打つわけは 朝日新聞デジタル(2022年)
アステラス、肺炎球菌ワクチンの商業化権など米社に返上 75億円受領 ロイター(2022年)
アステラス、肺炎球菌ワクチン開発権を米社へ返還 日本経済新聞(2022年)noteでも書いています。よければ読んでください。
コメントを残す