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こんにちは、翼祈(たすき)です。
最近、手話を取り入れたエンタメが多いことをご存知ですか?
2022年秋に大ヒットしたフジテレビ系ドラマ[silent]や、2023年冬から放送中のテレビ朝日系ドラマ[星降る夜に]でも、会話ツールとして手話が使われています。
今エンタメ界では、音楽の中のダンスにも手話が取り入れられています。手話は会話ツールだけではなく、ワールドワイドに飛び出しています。
そんな手話を取り入れたアニメ『しゅわわん!』が、2023年3月22日ー3月24日の午前9時30分にNHK-Eテレで放送されます。
2023年7月16日と2023年7月18日に、第1〜第3話再放送、2023年7月16日と2023年7月20日に第4〜第6話が放送されます。
今回はエンタメ界を取り巻く手話事情について、発信します。
『しゅわわん!』の概要
画像引用・参考:新作アニメ「ハートカクテル カラフル」「しゅわわん!」放送決定のおしらせ
NHKの新作アニメとして、3月末にEテレで「しゅわわん!」が放送されることが分かった。
「しゅわわん!」は、写真家・文筆家の齋藤陽道氏によるコミックエッセイ「育児まんが日記 せかいはことば」をもとにアニメ化。ろう者の齋藤氏と妻、聴者の2人の息子が手話を用いて家族の会話をする日常が描かれる。俳優の窪田正孝が、はるみち役の声を担当する。
各話5分の「しゅわわん!」は3月末に1~3話が放送される(「しゅわわん!」4話~は、4月以降放送)。
引用:NHK新作アニメ「ハートカクテル カラフル」「しゅわわん!」放送 亀梨和也、満島ひかり、窪田正孝らが声の出演 アニメハック(2023年)
ここからは世界でも輝くエンタメ界の手話事情についてお知らせします。
日本のエンタメ界も、手話を音楽でも取り入れる
音楽のライブイベントで、歌詞の中に手話通訳を導入するバンドが多く登場しています。海外の音楽フェスではかなりメジャーなことで、アメリカのヒップホップ界レジェンド・エミネムや、韓国のBTSも取り入れています。日本の音楽シーンではどんな時に手話を取り入れるのでしょうかー?
2022年10月中旬、岡山県で開催された音楽フェスで8人組ソウルバンド「思い出野郎Aチーム」の演奏が行われました。インディーレーベル「カクバリズム」に在籍し、連携の取れたチームプレーでギターやリズム隊に、ボーカルの男性のハスキーな歌声が特徴的で、金管楽器が場を盛り上げます。
そのステージに全身を使い手話を行う女性が立っていました。表情もワクワクし、手話もまるでコーラスする1人のようでした。人気曲のサビでは観客がその女性のする手話を覚えてダンスし、会場の雰囲気は高揚感に包まれました。
手話通訳を取り入れたのは今から1年前の2021年末。多くの海外アーティストがライブで手話を導入しているのをマネジャーが知って、提案を持ちかけたのが始まりでした。日本ではここ数年、演劇での手話通訳が取り入れられていますが、音楽ジャンルでは前例がほとんどない事でした。つてを辿っていき、以前違うロックバンドのライブで1回だけ通訳通訳をステージ上で行った手話通訳士の女性に依頼をしました。
「歌詞を手話に翻訳する時は、歌詞の狙いや作詞家が頭に思い浮かべる景色、歌詞の背景を理解していないとできないことです。そこが凄く難しいところ」と話す手話通訳士の女性。歌詞では、わざわざ解釈しないフレーズも併せ、きめ細かな説明が必要になります。
例を挙げると、「街路樹がコマ切れにする街のあかり」という一節。主人公が下から街路樹を見上げているのか、遠くから街路樹を眺めているのかー。主人公の視点が異なることで、手話も変化します。作詞担当のボーカルの男性と手話通訳士の女性は何度も解釈を積み重ね、1曲の手話翻訳に約20日も要しました。
そして、手話だからこその反響もありました。差別のない世界をーと唄う、[フラットなフロア]のサビで繰り返される「フラットなフロア」というフレーズ。「平らな床」と「差別が起こらない踊りやすい空間」を表す手話を交互に行うことで、メッセージ性を強められました。
リズムなどを取ることはできても、聴覚に障害を抱える人が音楽をライフスタイルで楽しむのにはまだまだ壁が高いのが現実です。それでも手話を取り入れた音楽を発信するのは、手話がライフスタイルの中で身近な存在になって欲しいとの想いの表れでした。「僕もかつてそうだった様に、実際には手話を身近に感じられるきっかけそのものがまだまだ余りないものですね」と話す作詞担当のボーカルの男性。ギタリストやベーシスト、コーラス隊が同じステージに立つ様に、手話通訳が当たり前に同じステージに立つ社会になればー、そんな思いでこれからもライブ活動を続けていきます。
参考:ギター、ベース、ドラム…手話通訳?! ライブで踊るように歌詞表現、バンド「思い出野郎Aチーム」 BTSも導入 神戸新聞NEXT(2022年)
音楽に手話を取り入れている記事に関しては、
ずっと書きたかった題材でした。ただ関連記事の1つとして紹介するより、何かきちんとした1つの記事で紹介したいなと思いました。エンタメ界で手話と言ったら以前は漫画の中でしか観たことがなかったですが、それを考えても随分日本のエンタメ界も変わったなと感じました。
齋藤陽道さんに関しては、[おかあさんといっしょ]に然り、その前からお名前を存じておりました。なぜ、齋藤さんの声をあの俳優さんが?という事にも、その前からの縁を知っていますので、なるほどな、と納得できました。
普段あんまりアニメを観ない私でも、5分間のアニメだと観やすそうだなと思います。イラストもほのぼのとして可愛いので、放送が始まったら、チェックしてみようかなと思いました。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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