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こんにちは、金次郎です。
この記事を読んでいる人で社会人の方は、自分の初任給の額を覚えていますか?
私は覚えていますよ。
私が大学を卒業したのは、1986年(昭和61年)で、とある電機メーカーの子会社に入社しましたが、当時の大卒初任給は14万2000円でした。
子会社ですが、初任給や給料のベースアップ額は親会社に準じており、親会社と同じ金額のお給料をもらっていました。
あの時代の電機メーカーは、どこも同じ様な給与額でして、お給料の少なさを長時間の残業代でカバーしていた感じです。
参考に、私が働いていた会社のHPを見てみたら、今年は大卒初任給23万円で新卒募集をしています。
そんな中、初任給30万円などと言う会社が現れTVニュースでも取り上げられています。
大胆な給料ベースアップのファーストリテイリング社
カジュアル衣料店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング社。
この度、給与改定で3月より賃金を40%上げると発表しました。
例えば
・新卒初任給 25万5000円 ⇒ 30万円
・新人店長 29万円 ⇒ 39万円
と言う感じです。
何故、この様な大胆なベースアップをするのでしょう?
ファーストリテイリング社によると
「賃金の底上げしないと人材確保で劣勢に立たされてしまい、グローバル企業として持続的な成長が困難になる。
また、物価高が社員の生活に与える影響も考慮しました。」との事です。
ファーストリテイリング社は、去年2022年にパートやアルバイトの時給を平均2割上げており、地域正社員らの賃上げも実施する方針でして、最終的には国内全体の約5万6000人まで広げる見通しです。
他の大企業も追随できるか?
このファーストリテイリング社の大胆な賃上げは、他の大企業の賃上げにも今後影響を及ぼすかも知れません。
東京商工リサーチによると、2021年度の上場企業3213社の平均年収は605万円ですが、ファーストリテイリング社は959万円と350万円ほど他社年収を上回ります。
しかし、ファーストリテイリング社は20以上の国・地域に進出している世界3位のアパレル大手で、売上高の半分程度を海外事業が占めます。
なので人材獲得でライバルとなる海外のコンサルタント会社やIT大手に比べて報酬が見劣りするため、危機感を持っていました。
今年の日本企業のベースアップ予定
・大和証券グループ 4%(検討中)
・サントリーホールディングス 6%
・日本生命 7%
社会人や中小企業経営者は、ため息もらす
このファーストリテイリング社の大胆な昇給について、街角の社会人や中小企業経営者に聞いて見た映像も映していました。
・メーカー勤務の23歳の方は
「羨まし過ぎます、私もユニクロに就職すれば良かった(笑)」
・小売業の26歳の方は
「やる気が無茶苦茶上がりますよね、それこそ寝る間も惜しんで働きますよ」
などと答えていました。
しかし、中小企業の経営者などは
「無理無理、そんな給料あげたら会社が倒産しちゃいますよ」とか
「お給料を上げてやりたいけど、原材料が高騰している今は難しいです」
と、経営の苦しさを語っていました。
終わりに
今回のファーストリテイリング社の大胆なベースアップは、政府も歓迎しています。
松野博一官房長官は1月11日の記者会見で「企業の積極的な賃上げ方針を前向きに評価したい」と歓迎する意向を示しました。
去年2022年の消費者物価指数は3.6%の上昇と、これは第二次オイルショックの影響が残る1982年2月以来40年8カ月ぶりの伸び率です。
食料品も再値上げどころか、再々値上げと留まるところ知らずで値上げされており「今後も値上げを予定している」と言っている食料品会社もあります。
これは、ロシアによるウクライナ侵攻に対する制裁措置として、日本をはじめ各国がロシア生産の穀物取引を止めたのに加えて、アメリカの穀倉地帯での不作が重なっているからです。
それ以外にも、色々な物の値段が上がっている現在。
ファーストリテイリング社は、人材確保と言う面だけでなく社員の生活を守るためと言って、会社の利益オンリーでは無く、大胆に給料をあげるのは凄い事だと思いました。
参考
(日テレnews)ユニクロ“賃上げ”最大4割アップ・初任給30万円 街の人の反応は…中小企業「異次元…」と驚き
(JIJI.com)ファーストリテ、成長へ人材確保 賃上げ、大手に波及へ
(nippon.com)消費者物価3.6%上昇、40年8カ月ぶり伸び率 : 円安で食料、エネルギーの値上げ拍車
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