「就労パスポート」と「配慮事項」を書くメリット・デメリットについて

机の上に置かれたパソコンとコーヒーと紙とペン

この記事は約 9 分で読むことができます。

最近、一般就労の就活に向けて頑張っています。

それで自分の特性を振り返ったり、企業に自分のことを知ってもらうきっかけになる「就労パスポート」と企業に配慮してほしいことを書く「配慮事項」というものを作ってみました。

今回の記事では「就労パスポート」と「配慮事項」について、実際に私が書いたものを交えつつ、どんなものなのか説明していきます。

障害を抱えながら「障害者雇用」での就活を頑張っている皆さんは、よかったら参考にしてくださいね。

「就労パスポート」とは?

 茶色い背景の就労パスポートとは?と書かれた画像

まずは「就労パスポート」について。
「就労パスポート」という言葉。
知らなかった方の方が多いと思います。
実際、私も知りませんでした。

就労パスポートとはどのようなものなのでしょうか。

厚生労働省はこのように説明しています。

障害のある方が、働く上での自分の特徴やアピールポイント、希望する配慮などを
就労支援機関と一緒に整理し、就職や職場定着に向け、職場や支援機関と必要な支援
について話し合う際に活用できる情報共有ツール

引用元:就労パスポートについて

就労パスポートのフォーマットはこちらからダウンロードすることができるため、よかったらダウンロードして見てみてくださいね。(後ろの方に載っています。)

就労パスポート |厚生労働省

就労パスポートは採用選考の時のための必須書類ではありません。
しかし、就労パスポートを書くことによって、就職時に、企業が本人に対しての体調への配慮、指示の仕方などの参考にすることができます。

参照元:就労パスポート 活用の手引き

「就労パスポート」のメリット2つ

スケッチブックに何かを書こうとしている人の手元

就労パスポートを書くことのメリットをお伝えします。

1、自分の特性を改めて知ることができる

自分のことを振り返りながら書くことができる「就労パスポート」。

知らなかった自分の一面や、思ってもいなかった自分の苦手なことなどを知れるきっかけになるというのはメリットです。

自分を知ることで、少し生きやすくなるかもしれません。

2、企業側に自分のことを知ってもらえるチャンスになる

就労パスポートを作ることは、企業側に自分の特性や苦手なこと、こう対応してほしいなどのことを知ってもらえるチャンスに繋がります。

実際に障害者の方からのこのような声もあります。

採用面接の時や、職場で環境が変わる時(上司の異動時など)に、就労パスポート の内容を伝えることで、自分のことをよりわかってもらいやすくなると思います。

引用元:就労パスポート |厚生労働省

「就労パスポート」のデメリット4つ

1、体調を崩す恐れがある

メリットだけでないのが就労パスポート。

頭に入れてほしいのが、就労パスポートのデメリットについてです。

まず一つ目は、書いている途中に、体調を崩す恐れがあるということ。

就労パスポートを書く際は、どうしても「自身の苦手なこと」なども書かなければならず、辛いことにも向き合う必要があります。

この作業、人によっては「かなり苦痛」かもしれません。

最悪、就労パスポートを作っている最中に体調を崩す可能性もあります。

2、セキュリティの問題

就労パスポートは、きちんと管理をしなければ、思ってもいなかった人に閲覧される可能性があります。

知っておいてほしいのは、就労パスポートは見せることを求められても、見せたくないのであれば見せなくても構わないということです。

また、障害者本人が知らない間に、就労パスポートを共有することは個人情報保護法違反にあたります。

でも、思ってもいなかった人に閲覧されるリスクがあるのは、就労パスポートのデメリットと言えるでしょう。

参照元:就労パスポートとは? 使い方とメリット・デメリット | 障がい者としごとマガジン

3、作成に時間がかかる

就労パスポートは「作成に時間がかかること」もデメリットとして挙げられます。

本人も負担に思うでしょうし、書くことを支援する支援機関にとっても大変な作業です。

私の場合は、ライターをしていたこともあったり、ライターをする中で自分と向き合っていたので、割と時間はかからず書けました。

でも、普段自分と向き合う時間がない人にとっては、難しい作業だし、時間もかかるだろうなと思いました。

4、企業側も全てを見ることは大変

受取手である企業側も、就労パスポートを全てに目を通すことは大変なことです。

忙しい企業側にとっては、しっかり目を通す余裕もなく、さらっと目を通して、おしまいなんてこともあるかもしれません。

つまり、就労パスポートを渡した=自分のことを100%理解してくれた、ということではないことを頭に入れておいた方がいいでしょう。

せっかく就労パスポートを作っても、相手が理解してくれるかどうかはまた別問題ということは就労パスポートのデメリットと言えます。

参照元:就労パスポートとは?メリットはあるけどデメリットも|あなたは使う?

私が「就労パスポート」を書いてみての感想

私は、Excelで書き込みました。

こちらからダウンロードしたものに書き込みました。

就労パスポート |厚生労働省

書いた時は、結構項目があって大変だな、と思いました。
自分で振り返るのは大変でしたし、自分ではわからないところもあったので、支援員さんに質問しながら書いていきました。

書くことは大変でしたので、このサイトを参考にしたりしました。
書き方が書いてありますので、すごく参考になりました。
ぜひ皆さんが書かれる時も、参考にしてください。

事業主向け活用ガイドライン 就労パスポート

「配慮事項」とは?

配慮事項とは?と書かれた文字

障害者雇用では、合理的配慮を受けることができます。
「配慮」とはこのようなものです。

障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。

引用元:障害者の権利に関する条約

そのため、企業はよく「配慮してほしいことはありますか?」と面接の時に聞いてきます。
その時のためにも、用意すべきものが「配慮事項」です。
また、配慮事項を用意することで企業とのミスマッチを防ぐことにも繋がります。

「配慮事項」のメリット

配慮事項には以下のメリットがあります。

1、自分の配慮してほしいことを伝えることができる

たとえ、企業の面接で緊張してうまく伝わったか不安だ…という時でも、配慮事項を渡しておけば、自分の特性や配慮してほしいことをうまく伝えることができます。

参照元:配慮事項のまとめ方ご存じですか?

「これ書いたら不利になるのでは?」と思う方もいるかも?
でも、「こう配慮してほしい!」という申し出により不採用になることはないため、安心して書きましょう。

参照元:合理的配慮とわがままの違いは?10の実例を交えてポイントを解説 | ミラトレノート

2、企業も対応しやすい

配慮事項は企業にもメリットを与えます。

どんな配慮が必要かについて、知ることができるため、円滑に配慮することができます。

「配慮事項」のデメリット

「配慮事項」を相手に提出することのデメリットは、書き方を間違えた場合、「配慮」ではなく「わがままを言っている」と捉えられる可能性があるということです。

なのであくまで「配慮」という点を意識して書く必要があるでしょう。

このことについては詳しく後述します。

私が書いた「配慮事項」

私が書いた「配慮事項」は以下のようなものです。

まずは、特性と、それに対する自己対応を書きました。

特性(3)一度に複数の指示を受けると、混乱しやすい。

自己対応(3)メモしたことを復唱し、自分の認識が合っているかどうか確認する。

その上で配慮してほしいことを書きます。

・メモをして、リスト化して指差し確認を行って、ミスを減らす

などの自己対応を行っていますが、自己対応のみでは難しい下記に対して、ご配慮いただきたく存じます。

これを書いた上で、

配慮(1)通院配慮:二週間に一度、通院のためのお休みをいただけますと幸いです。
配慮(2)相談環境:業務で悩む場合など相談しやすい環境があると、スムーズな業務対応ができます。

などを書きました。

「配慮」と「わがまま」は違う。気をつけなければならないこと

私が「配慮事項」を書くときに、特に注意したことでもありますが、「配慮」と「わがまま」は違うということに気をつけましょう。

配慮とわがままの違いがわからない!という方は、こちらのサイトに配慮とわがままの違いが具体的に表記されていますから、ぜひ覗いてみましょう。

合理的配慮とわがままの違いは?10の実例を交えてポイントを解説 | ミラトレノート

たとえば…

「具合が悪くなったら早退させてほしいです。」

これは「わがまま」です。

「就労の最初の方は体調を崩しやすいため、短時間からの勤務をしたいです。」

これは「配慮」を相手に上手に求めていると言えるでしょう。

参照元:合理的配慮とわがままの違いは?10の実例を交えてポイントを解説 | ミラトレノート

「わがまま」のつもりではなくても、書き方によっては「わがまま」と思われる可能性もあるため、ここは難しいところですね。

自分ひとりで書くのは難しい場合は、周囲の支援してくれる人に確認してもらいましょう。

まとめ

ここまで「就労パスポート」と「配慮事項」についての説明を書いてきました。

みなさん、少し理解することができたでしょうか。

就労パスポートは自分の振り返りができたり、就職先に自分のことを知ってもらうきっかけにもなります。
しかし一方で、書いている途中に具合が悪くなってしまったり、企業側もじっくり全てを理解して見るわけではないので100%の理解に繋がる確証はありません。
デメリットもあるということを知っておきましょう。

配慮事項については、企業が自分に配慮しやすい環境を作るきっかけになってくれます。
しかし、「配慮」と「わがまま」は違うということをよく頭に入れて、作成する必要があります。

よかったら、参考にしてください。

私も頑張ります!!

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4 件のコメント

  • 久々の記事を読ませていただきました。
    一般就労で働くために必要なことを書かれていて、確かにそうだなぁ!と思います。理解ある企業ならば安心できますね。一般でも就労支援でも理解ができない企業もあるので気をつけなくてはならないところもあるでしょう。夢に向かって頑張ってください。

    • パグさん、コメントありがとうございます。
      コメントのおかげで、これからも頑張ろう!って思えました。
      本当、いつもありがとうございます!

  • いつもお疲れ様です。記事読ませていただいて、
    「今後の参考になるなぁ。」
    と思いました。(語彙力なくて申し訳ないです)
    就職中々大変でしょうがガンバです!!
    陰ながら応援しております|ω’)b

    • 動画制作班のMさん!コメント嬉しいです〜😄参考になるならこれほど嬉しいことはありません!こちらこそ応援しております。コメント送ってくれて、ありがとうございました!😁

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    ABOUTこの記事をかいた人

    発達障害と双極性障害を持っています。20代女。 趣味:おしゃれ全般、資格取得、ネットサーフィン、文章を書くこと。 🤍noteも書いているよっ!