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こんにちは、翼祈(たすき)です。
今牛のゲップとおならからメタンガスが発生して、地球温暖化を加速させている、1つの社会問題に生じています。何故牛からそんなにメタンガスが発生するのか?それは牛には胃が4つあるという、元々の身体の構造にありました。
今回はメタンガス問題、それによる火災、新たな飼料、代替肉について綴っていきます。
牛のゲップやおならのメタンガス問題。
牛のおならとゲップによる地球温暖化が加速します--。突拍子もなく聞こえる説ですがこれは事実です。牛1頭がゲップやおならとして外に放出するメタンガスの量は、1日160~320リットルをも超えます。牛を飼育する農場経営者に牛からのメタンガス排出の削減を義務づける法律も日本でも登場したり、研究者たちは牛たちの「減メタンガス化」を達成すべく、海藻飼料から遺伝学まであらゆる可能性を今日までに研究し続けています。
地球上には約15億頭の牛が存在していると言われています。そのほとんどの牛の場合は肉牛や乳牛として繁殖させられたり、飼育されたりのケースです。牛は4つの胃をもつ動物ですが、最も大きい牛の胃はルーメンとも称される第1胃となります。大人の牛の場合、その胃の容量はおよそ150~200リットルにも及びます。
第1胃のルーメンには1g範囲に250億個という莫大な数の微生物が存在し、牧草など植物性繊維を牛が食べた後発酵分解しています。発酵の際には副産物として水素が同時に発生します。そして、第1胃のルーメンに常駐するメタン細菌と呼ばれる微生物群が、この水素をメタンに転換させるのです。
メタンはその後メタンガスへ変貌を遂げ、牛の口からはゲップとして、裏口からはおならとして外に放出されます。
参考:牛の「おなら」と「げっぷ」を退治せよ--科学者たちの大真面目な温暖化対策 産経新聞(2019年)
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世界に15億頭…牛のげっぷは地球温暖化の促進要因、世界が行う対策とは 日刊スポーツ(2021年)
2014年にはドイツで、牛から放出されたメタンガスが牛舎に充満して爆発し、屋根が損傷したほか牛1頭が軽いやけどを負う火災が起こりました。
牛のおならで火災が発生
また、牛に与える餌を代えて、温室効果ガスが従来の飼料を与えた場合に比べ、半減したアミノ酸飼料を与えた牛肉を「地球にやさしいお肉」として価格を2割ほど高く設定して販売しています。環境に配慮する消費者が注目し、売れ行きは順調だったといいます。
牛の餌をアミノ酸飼料に代え、温室効果ガス半減
農研機構は、アミノ酸を添加した配合飼料を牛に与えると、ふんから発生する温室効果ガスの一種・亜酸化窒素を半減できたとする研究成果を明らかにした。肉質や増体などにも影響がなかった。飼料の原料価格は従来飼料とほぼ同じと試算。ホルスタイン種の去勢牛では実用が可能とみる。利用する場合は同機構が研究データを飼料会社に提供する。
農水省の政策方針「みどりの食料システム戦略」は、畜産分野でも温室効果ガス排出量の削減を掲げる。この排出量を削減するため、同機構は発生要因となるタンパク質を抑えた配合飼料を設計した。タンパク質含有量が多い大豆かすの一部を、トウモロコシにアミノ酸のリジンとメチオニンを加えたものに置き換え。「アミノ酸バランス飼料」として試験生産した。
また、新たな発見で見つかったのは乳用牛の第1胃内の細菌。第1胃では微生物の働きで飼料を分解・発酵。この過程で、メタンや、牛のエネルギー源となる「プロピオン酸」という物質が発生します。プロピオン酸が多く作られると、メタンは抑えられる関係にあります。新たな細菌は、プロピオン酸の元となる物質を、今までに知られていた細菌より多く作る特徴がありました。
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牛げっぷ由来のメタン削減へ 乳牛の第1胃から細菌発見 栄養浪費も防ぐ 農研機構 日本農業新聞(2021年)
牛肉に変わる代替肉続々登場
環境問題などへの配慮が深まる中、ハンバーガーチェーン大手のマクドナルドは、2021年11月3日、アメリカのカルフォルニア州やテキサス州などのまだ一部の店舗でがありますが、牛肉などの肉を一切使用せず、大豆などの植物由来の原料で作った代替肉のハンバーガーの試験販売をスタートさせました。
代替肉の提供は、2021年2月に連携したカリフォルニア州のスタートアップ企業と共同開発したもので、エンドウ豆やコメ、ジャガイモなどから製造されています。
マクドナルドは、これまでオランダやスウェーデンなど一部の地域で代替肉の商品を提供していますが、ハンバーガーの本場、アメリカでの試験販売は初めての試みです。
代替肉に関しては、牛などに飼料を与えて育て、肉として食べるよりも温室効果ガスの排出が少ないと論文が出されているなど、環境問題への配慮の向上や健康志向を背景に、普及が加速しています。
参考:マクドナルド 肉使わないハンバーガー アメリカで試験販売開始 NHK NEWS WEB(2021年)
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私は地元で代替肉を観た事がなく、今の会社に入社したばかりの頃に、同僚の方が知り合いの方に頂いた大豆ミートを支援員さんが皆に配っていて、そこで初めて食べました。初めてでしたが、美味しいと思いました。
コロナ禍で「プラントベースミート」のニーズが高まっている理由 DIME(2021年)
牛のゲップがメタンガスを発生させるとは知っていましたが、
まさか牛のおならまでメタンガスを発生させ、その上火災が実際に起きていたという事実に非常に驚き、言葉を失いました。
アメリカではアメリカでの市場規模は18億ドル、日本円でおよそ2000億円と推計されていて、さらなる伸びが見込まれていて、多くの代替肉を食生活に取り入れる理由で「健康によいから」より、「環境への配慮が理由だ」と答えた人が多くなっているそうです。これからどんどん植物由来の代替肉の出番が増えそうですね。今までの牛のお肉も環境に配慮出来たら、体内の中身を作りますし食べていけたら良いですけど。
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明治と味の素、酪農の温室効果ガス削減に向け協業…乳牛用に新たな飼料を使用 読売新聞(2023年)
noteでも書いています。よければ読んでください。
記事を読ませていただきました。今回の記事は牛のゲップやおなら?で火災になるなんてはじめて知りました。与える餌に一工夫して地球に優しい取り組みなども必要になった時代がきたと勉強になりました。ありがとうございます。これからも記事を楽しみにしています。
ハリネズミさん。
コメントありがとうございます。
この話題は結構前に書いたものですが、最近はよくテレビのニュースでこの話題が取り上げられる様になりました。
この問題の解決の為に、牛の中でも農家の人にとって必要ではないのは、雄の子牛だそうです。最近の雄の子牛の運命は悲しいものです。この内容の深い話は敢えてここではしません。
これからも頑張って記事を書くので、また読みに来て下さい。