引きこもり支援や新たな働き方。実態調査で見えた引きこもりの原因とは? 

引きこもり 支援

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

引きこもりとは、仕事や学校などで外出をせず、家に引きこもっている人のことを指し、全国に約115万人いるとされます。一般的には若者や子どもに多いイメージがありますが、近年は高年齢の人の引きこもりが社会問題化しています。

私もかつて長い間引きこもりで、完全に脱して働くまでに約10年かかりました。最後の感想には私が引きこもりから脱したきっかけも書きました。今回は引きこもりの人の実態と、一部の地域ではありますが支援の輪も綴らせて頂きました。

引きこもりの人が引きこもりになったきっかけ

コロナ禍前の2019年のデータで少し古いですが、どうして引きこもりに至ったのか理解出来るデータになっていると思います。驚くことに、回答者の7人に1人はご自身、もしくは家族が引きこもりの経験者でした。

この度、ゼネラルリサーチ株式会社(本社:東京都渋谷区)は、「引きこもり」に関する意識調査を全国の10代~60代の男女を対象に実施いたしました。

「引きこもりとなった方は元々どのような方でしたか?」と質問したところ、「おとなしく目立たない」-43.4%という回答が多く、次いで、「優しくて親切」-22.7%、「明るく活発」-22.0%、「リーダー的な存在」-5.2%、と続きます。「おとなしく目立たない」という回答が多いものの、全体の6割近くを元々社交的だった方が占めていることから、何らかのきっかけがあって社会との関わりを絶ってしまうという方が多いようです。

画像・引用:【8050問題】引きこもりの方の6割近くは、もともと「内向的<社交的」という結果に。しかし、引きこもりの原因1位は「対人関係」。受け皿となるのは家族か、企業か、社会か。 PR  TIMES(2019年)

引きこもりの理由では、実際に「働くのが面倒くさい」といった回答はごく少数に留まり、多くの方は世の中のコミュニティで対人トラブルがあり、それが原因となって社会とのつながりを絶ったという傾向が多く見られました。

ここからは引きこもりの支援をしている団体や県などを幾つかご紹介させて頂きます。

引きこもりの支援団体in兵庫県

不登校のお子さんや引きこもりの人をサポートしたいと、兵庫県三木市内の支援団体や市社会福祉協議会などが提携を結び、『三木市不登校・ひきこもり支援ネットワーク ほっぷ☆すてっぷ』を開設しました。2022年4月にはホームページを公開し、イベントや相談先、ホッと出来る居場所情報提供などを記載しています。

ホームページには三木市内を拠点を置く、▽アクティブ美輝▽三木イキイキ親の会▽NPO法人あすてる▽S-BASE▽ボランタリー活動プラザみき(三木市社協)▽市福祉課が協力。三木市社協が提唱し、課題となっていた引きこもりの当事者やその家族へ情報発信に関して、2021年から月1程度で支援への議論を積み重ねて来ました。

引きこもり当事者は明るい時間帯に外に行くことへの罪悪感や、学校を卒業した後の支援体制に心配を抱えており、現状の課題をデータ化し、支援するための方法を練りました。「社会や地域に足を運びたいと思う人が見つけ出せるように」とホームページの立ち上げに至りました。

気持ちを軽くして閲覧して欲しいと、三木市の団体紹介などは必要最低限の紹介にし、引きこもり当事者や家族の相談先と居場所案内と範囲を狭めました。カレンダー形式で三木市の各団体のイベントをまとめて案内しています。ホームページ名は「社会と交わる機会の提案と、1人で歩ける『ジャンプ』までを持続して欲しい」との願いを込め、「ほっぷ☆すてっぷ」に決めました。

参考:不登校やひきこもり、多様な生き方尊重へ HPに居場所や相談先掲載 三木市内の団体が協力 神戸新聞NEXT(2022年)

ボランタリー活動プラザみきの所長の女性は「学校に行きづらい、地域と接点を持ちづらいという状況になっても、支えられるように。多様な生き方を尊重する世の中にしていきたい」と話しています。

引きこもりの支援LINE、ダイヤルin神奈川県

神奈川県は2022年4月より、引きこもりの人やその家族のサービス提供で「ひきこもり相談LINE」を立ち上げました。これまでの相談窓口に記載のあった「子ども」「若者」の言葉をなくした訳には、若い年代だけでなく、中高年の相談者の支援も提案したいとの意向が見受けられます。

神奈川県青少年課によれば、神奈川県内の引きこもりの当事者は推計で約8万7千人。今まで、引きこもりに適応したLINEでの相談窓口は「かながわ子ども・若者総合相談LINE」が担っていました。同神奈川県青少年課によれば、子どもや若者のみに絞っていたわけではないそうですが、中高年の引きこもりの人にも情報が行き届く様に、新たなアカウント名でLINEを立ち上げました。

LINE相談とは差別化して、県立青少年センター(神奈川県横浜市)は電話相談も承っており、医療機関や市町村の生活支援窓口を案内するサービスを実施しています。県立青少年センターの相談員の男性は、中高年の引きこもりの人については高齢のご両親からの相談が大多数だということです。「『8050問題をニュースで認識した』など、危機感を持って電話して来る、引きこもり当事者の高齢のご両親からの相談が多くを占めている」と切迫した表情で言いました。

ただ、電話窓口には専用ダイアルはなく「かながわ子ども・若者総合相談センター」との共用運営です。電話をかけると、相談員が「子ども・若者総合相談センターです」と返します。神奈川県によれば将来的には、県立青少年センター内に引きこもり相談専用のダイヤルを分離して開設する指針に向かっています。県立青少年センターの担当者は「相談へ壁を下げ、引きこもりの人に寄り添ったサービスを提供していくことが重要課題だ」としています。

参考:ひきこもり、中高年も相談して 県が当事者・家族向けにLINE開設 朝日新聞デジタル(2022年)

LINEの相談時間は毎週火、木、土曜日の14時~21時(祝日、年末年始を除く)。無料、匿名で相談可能。県立青少年センターのひきこもり相談窓口(電話045・242・8201)は年末年始と月曜を除く毎日午前9時~正午、13時~16時。いずれも、当事者やその家族からの相談を受け付けています。

引きこもりを支援する働き口in愛知県

引きこもりや不登校の当事者に働きやすい場をサポートしようと、最短で「15分」働いただけで給料が支払われる極めて画期的なカフェが2022年春、愛知県春日井市に開店されました。

内閣府の調査によると、引きこもりの当事者は働いている過程で引きこもりに陥ることが多いと認識されていおます。15分という短さも相まって、精神的な壁を取り除く効果が期待が可能だとし、専門家も関心を持っています。

春日井市のJR勝川駅から徒歩約10分。住宅街に構えるカフェ「ワンぽてぃと」の店内で2022年夏、従業員の男性が淡々とお皿を洗っています。勤務表は存在しません。気が向く時にカフェに赴き、最短15分から勤務可能な上、15分単位で勤務時間を増加出来ます。給料は愛知県の最低賃金(時給955円)をベースに、15分につき239円扱いです。

男性は「『気軽に来てもいいよ。心を無理して来なくてもいいから』というカフェの意向が、気持ちを軽くしてくれた」といいます。就労支援事業所から「ワンぽてぃと」を紹介され、オープン当初から週に1回勤務し、2〜3時間ずつ勤務をしていきました。接客は不得意であるため、厨房で仕込みや皿洗いを担当しています。少しずつ働く時間を拡充し、現在は多い場合で週3日、4〜5時間ずつ勤務しています。

「ワンぽてぃと」では、この男性を入れた3人を「15分雇用」で勤務させ、タイムカードで労働時間を把握しています。それ以外にも通常のパート従業員が3人働いており、その中で1人と経営者の女性の計2人が常勤して、15分雇用の3人がのびのびと働ける体制作りをしています。

さらに不登校の中学生4人を「職場体験」として採用していて、同じく15分単位で職場体験が可能で、時間に合った分の図書券とカフェの割引券を給料として手渡ししています。

参考:「15分だけ」でもOK、気楽に働けるカフェ ひきこもりや不登校の若者に働きやすい場所を提供 東京新聞(2022年)

引きこもり支援が専門の愛知教育大の准教授の男性によれば、「15分という短い時間から雇用するケースは極めて異例。引きこもりの当事者が職業訓練を経験して一般企業に就職出来ても、フルタイムが会社からの雇用の条件だと果てしない道のりだと感じると思う。もし途中で退職すると『また失敗した』という考えに陥る事例も起こる。15分刻みなら、そこまで緊張せずに勤務出来る上、『頑張って働けた』という自信が持ちやすくなる非常に良い試みだ」と言いました。

引きこもり当事者だった私の思い。

引きこもり当事者だった私から言わせて貰うと、私は大学中退して、その後2年間一般就労を目指していましたが、面接に落ち続け、完全に引きこもりになりました。ずっと家で寝てばかりでした。

面接に落ち続けた結果、あの頃は他人を酷く恨んでいて、通院で電車に乗る時、無意識に視線を感じて「あの人、私のこと睨んでる。嫌い、皆大嫌い!」と、私のそばにいる大人、私がかつて通学した高校の在校生、全ての人が嫌いで、ずっと眉間にシワを寄せて乗っていました。後幸せそうに見える人も嫌いでした。(今はそういう感情は全くないですよ)

引きこもりの中でも、SNSはずっと続けていました。Twitter歴は今年12年目に入りました。そんな時、流れて来るイベントの案内。「サイン会!握手会!!舞台挨拶!!!ライブ!!!!舞台!!!!!福岡で開催。福岡市で開催かぁ。1回も行った所のない全く知らない会場だなぁ…でも行きたい!!!!!!」と思い、そこから外にちょっとずつ行ける様になりました。

そういうエンタメに行く様になってから、1人でバスにも乗れる様になりました。それまで1人でバスに乗った事も一度もありませんでした。完全に引きこもりから脱したのは、1ヵ所目のA型に行く様になってからですね。

今でも一般の人が怖くて苦手ですし、でも漫画家の先生とか芸能人の方に会う時は全く緊張せず、よくイベントで喋ります。今でも一般の人から話しかけられたら、力が入り構えちゃいます。

我ながら安易な考えで引きこもりから脱しましたが、そういう「近くの本屋さん、食事に行きたい。エンタメ観に行きたい」とか、安易な理由でもいいと思うんですよ。引きこもり当事者だった私の経験上、一度嫌な事が原因とかがあり引きこもりになると、外の世界が怖くて、家から一歩も出れない状況に陥ります。それ位一度社会から離れると、社会へ戻れるまでの過程を踏む事がとても難しいのです…

今はコロナ禍で基礎疾患があってエンタメは3年以上何も行っていないですが、今引きこもりという方は、何かに興味を持つ事が出来たら、そこから外に行ける様になるかもしれませんよ。

以上引きこもり当事者だった私の呟きでした。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。