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こんにちは、翼祈(たすき)です。
聴覚障害者を表すマークと言えば、“耳マーク”ですね。2022年8月30日よりローソンで、“耳マーク”を用いた接客が始まったのも、記憶に新しいのではないでしょうか。
そんな“耳マーク”の浸透が更に深まりそうなのが、2022年冬発売予定の新しい商品「ノートラブル」という筆談器です。「ノートラブル」の開発は、1人の女子大生の方が、アルバイトで聴覚障害を抱える方に接客し、上手く対応出来なかったことへの後悔がきっかけでした。その後同じゼミの人と3人で、「ノートラブル」の開発を進めて来ました。
今回はその「ノートラブル」の使い方、どんな商品なのか?、開発までの経緯などをお話ししていきたいと思います。
「ノートラブル」の使い方
セット内容
使い方
まず最初に指差しシートの欄に普段から使用する言葉を書き出します。飲食店など接客のケースで、お客様とコミュケーションを図るシーンを想像しましょう。聴覚に障害を抱えている方が来店された時、接客前に普段から使用している言葉を記入した指差しシートを見せて使うことで、お客様が商品を受け取るまでのスムーズな接客を行うことも可能です。
2枚目の指差しシートの一番下のピンク色の行に関しては、「ありがとうございます」といったお客様への感謝を伝える言葉を書き込んでおきましょう。お客様にお伝えしたい大切な言葉は忘れずに書き込んでいて下さい。
言葉を書き込んで並べた後、本体に貼付すると、自分だけの指差しシート「ノートラブル」の出来上がりです。
画像引用・参考:【飲食店必見】大学生のアイデアを商品化!聴覚障害者と健聴者をつなぐクラウドファンディング〈締切までラスト1週間〉 PR TIMES(2022年)
公式Instagram
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「ノートラブル」、商品発売に向けて目下開発中。
和歌山大学の3人の学生が、飲食店などの接客サービス向けで、聴覚に障害を抱えている人とのやり取りを円滑に進められる様に筆談具を開発されました。
この度完成した筆談具の名称は「ノートラブル」。約15cm四方の卓上カレンダー式となっており、表紙以外にも3枚の台紙がセットとなっています。
台紙に店のメニューの名前や接客でよく使用する言葉、「ありがとう」などの言葉などを書き込んだ小ぶりのカードを沢山貼付し、レジの近くなどに設置すれば完成します。表紙には聴覚に障害を抱える人への配慮を示した“耳マーク”をデザインしました。
飲食店側が「ご注文はいかがなさいますか?」などの接客で使用する言葉やメニューを書き込んだシールを台紙に貼付し、店内にも設置します。スタッフと聴覚に障害を抱える人がお互いにシールに指を差すと、簡単にコミュニケーションが可能なシステムです。台紙の1枚はホワイトボードとなっており、自由に言葉を記入することで難しいコミュニケーションにも応じられます。
開発者の3人の学生は和歌山県中途失聴・難聴者協会の会長の女性からアドバイスを頂き、和歌山県障害福祉課の担当者も合流して商品開発に励んで来ました。
発案者である女性Aさんのアルバイト先で聴覚に障害を抱える人とのコミュニケーションに苦労した体験をもとに、事前に想像される店内での会話を指指しで言葉を伝えられるよう工夫を凝らしています。2022年冬に販売される予定で、障害者団体関係者からは「コミュニケーションを諦めなくて良くなる」と太鼓判で、開発メンバーは「聞こえない人とそうではない人とを結んで、筆談具を用意する過程で聴覚に障害を抱える人への理解が加速すれば」との願いを込めます。
参考:聴覚障害者と指さしで会話 大学生、接客用筆談具を開発 日本経済新聞(2022年)
開発者の男性は「『ノートラブル』を店内に設置することで、接客側が聴覚に障害を抱える人を理解を深める機会が出来るのではないか」と期待を込めます。和歌山県中途失聴・難聴者協会の会長の女性は「音声認識など機械を介した補助アイテムも販売されていますが、飲食店側が工夫を凝らした手書きの文字には、温かみを感じられる」と伝えました。
「ノートラブル」開発の経緯
「ノートラブル」を生み出したのは、和歌山大経済学部4年生の女性Aさんと男性、 女性Bさんです。
女性Aさんは2021年5月に、アルバイト先の飲食店で聴覚に障害を抱える人の接客を担当しました。しかし、手の身振り手振りでのコミュニケーションが上手に出来ず、注文を完了させるのに時間が要し、来店の感謝の言葉を伝えることも叶いませんでした。「お客様をガッカリさせたのでは」と後悔をした女性Aさんは、「二度と同じことが起こらない様にしたい」と同じ様な体験をしたり関心を持った、同じゼミの男性と女性Bさんに自身の体験を話し、3人で新しい筆談具を開発することを決めました。
新しい筆談器を開発するために、聴覚に障害を抱える人約10人に意見を求めたところ、「筆談をお願いしたら他の客に聞こえる様な、大きな声で言われた」「頼んだ商品と間違えたものが運ばれて来ましたが、店員さんに話せなかった」などとそれぞれが悩みを持っていました。
半年をかけ改良を加速させる中で、あえて台紙の部分を白紙にする考えが浮かびました。「店員さんにどんな言葉を記入するかを対話を重ねていくことで、聴覚に障害を抱える人の心の理解を深めてもらいたいです」と思ったからです。
開発者の3人は2021年12月、全国の大学が出場する商品企画大会に「ノートラブル」を出品。印刷部門で見事優勝を果たし、商品化する権利を獲ました。2022年5月以降は和歌山県内の銀行や病院など28ヵ所で実証実験を実行し、「コミュニケーションが円滑に可能だ」「『優しい店でまた来たいです』とお客様から伝えられた」を反響も大きかったといいます。
2022年9月8日に支援募集を終えた制作費の寄付を集めるクラウドファンディングでは、約80万円の寄付が寄せられ、2022年内に和歌山県内の文房具店などに販売のため置いて頂ける見込みが出来ました。「ノートラブル」の開発者の3人は「より沢山のお店で『ノートラブル』を使って頂き、聴覚に障害を抱える人との円滑なやり取りの課題解決に結び付けて欲しいです」と言いました。
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ローソンの取り組みも良いと感じましたが、
ローソンが“耳マーク”を接客で取り入れたことは、とても良い取り組みだと記事を読んでいて思いました。私も右耳は聴こえますが、左耳は聴こえない訳で、聴いた音が左側からだとよく聴こえませんし、私も“耳マーク”を使って、コミュニケーションを取りたいなとか、よく思います。
今回は「ノートラブル」という筆談器の記事を書いた訳ですが、開発した女性の方の悔しかった経験から生み出された、画期的な商品、本当に素晴らしいと思います‼︎ノートやペンも日常生活にあるもの。それを聴覚に障害を抱えている方への筆談器に開発してしまうなんて、本当に素敵なアイデアです。商品販売は2022年冬だそうですが、この画期的なアイテムは、多くの聴覚に障害を抱えている方の生活を、より豊かに出来るものだと思いました。私も早くこの目で、「ノートラブル」を、この記事を書いて、観たくなりました。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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