急増している若者の難聴とリスクを低減する方法

この記事は約 7 分で読むことができます。

こんにちは、金次郎です。

 WHO(世界保健機関)が、今年の1月に「世界中の14億人以上の若者が、安全でない音の聴き方により、難聴の危険にさらされている」との報告書を発表しました。
 私自身も難聴で補聴器を着けている当事者として、下記の様な難聴に関する記事を色々と書いています。

ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)って、知っていますか?

誰にでも起こりうる、難聴

難聴の種類と補聴器の進化

 一番下の記事では、補聴器を着けて生活している日本の著名人を書いていますが、やはりミュージシャンが多いです。
 WHOの報告の参考にした記事には、難聴に悩むオーストラリア出身の俳優サイモン・ベイカーさんの事も書いており、彼も「もし過去に戻れるなら、音の聴き方を変えるし、音楽を聴くのに大音量は必要ないと気付くはずだ」とも言っており、聴覚の専門家も「音楽を楽しみながら耳を守る方法はある」と提言しています。

(BBC NEWS JAPAN)「耳を大切にするには」 若者14億人に難聴の危険性=WHO報告書

難聴のリスク低減をするために示したWHOの国際基準

 去年WHOが、世界聴聞会に先立ち「難聴とリスク低減の国際基準」と言う事で、コンサートやイベント会場等で安全に聴取するための新しい国際基準を発行しました。
 この規格は、増幅された楽器の音やBGM等が再生される場所や活動に適用されます。

難聴とリスク低減の国際基準

1・平均騒音レベルの最大値を100デシベルとする。
2・正しく調整された機器を用いて音量レベルのライブモニタリングと録音を行う。
3・心地よい音質と負担にならないリスニングのために、会場の音響と音響システムを最適化
  する。
4・聴覚を保護する個人用器具を観客に提供し、その使用方法を説明する。
5・耳を休ませ、聴覚障害のリスクを低減するための静寂な空間の利用。
6・スタッフに対する教育と情報提供。

 大きな音にさらされると、一時的な難聴や耳鳴りが発生します。
 しかも、長期または繰り返しの視聴は、恒久的な聴覚障害につながり、回復困難な難聴につながる可能性があります。

 以下の方法で音楽等を聞く事で、聴覚をより適切に保護できます。
1・個人のオーディオ機器の音量を下げる
2・適切に使用し、可能ならノイズキャンセリングイヤホンやヘッドホンを使用する
3・騒がしい場所での耳栓の着用
4・定期的な聴力検査を受ける

 WHO は各国政府に対し、安全に聞くための法律を策定して施行し、難聴のリスクに対する意識を高めることを奨励しています。

(WHO)WHO が難聴の脅威の高まりに対処するための新しい基準を発表

なぜ世界中で若者の難聴が増えているのか?

 参考記事の写真の様に、現代は色々な場所でイヤホンを着けて音楽を聞いている人や、スマートフォンで動画を見たりゲームをしている人を見かけます。
 私が若い頃には、携帯カセットレコーダーが流行りヘッドホンをして聞いていましたが、当時のヘッドホンは、ボリュームを上げ過ぎると「チャカチャカ」と聞いている音楽が音漏れして、周りの人から注意されボリュームを下げると言う事をしていました。
 今のイヤホン型は密閉度が高く、ボリュームを上げても音漏れしませんので、いい気になってつい大音量で音楽を聞いてしまいます。

 耳に入った音は、鼓膜を通して音を感じるセンサーの役割を果たす有毛細胞の、先端にある「聴毛」が音の振動をキャッチして電気信号に変換し、脳に伝達することで音として認識します。
 この「聴毛」が非常に繊細で、大きな音に長時間さらされると抜け落ちたり、傷ついたりしまい
ます。
 そうすると音を感じ取りにくくなり、難聴を引き起こしてしまいます。

 WHOでは、80dB(大きな声や地下鉄の音)で1週間当たり40時間以上を難聴リスクとしています。(ちなみに、にぎやかな商店街の雑踏音は90dbで、お祭りの太鼓の音は100㏈です。)
 1日当たりに換算すると約5時間半。
 これはあくまで目安であり、5時間半以内だから絶対大丈夫、というわけではありません。
 耳への負担を考慮すれば、適切な音量で一定時間内を守ることが大切です。

(東洋経済ONLINE)【イヤホン難聴】音楽聴きっぱなしで若者に急増

一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)若者たちの耳が危ない! 世界で11億人もの若者が難聴のリスクを背負っている

更に年を取ってからの難聴は認知症にも注意が必

 年を取ると、体力と共に身体の色々な機能も衰えて来ます。
 それは、聴力も同じで高齢化と共に、音の聞こえ方が悪くなります。
 また、難聴になると認知症を併発する可能性が高くなって来ます。

 2017年7月に開催された「国際アルツハイマー病会議(AAIC)」において、ランセット国際委員会が「難聴」は「高血圧」・「肥満」・「糖尿病」などと共に認知症の危険因子の一つとして挙げました。
 更に、2020年には「予防可能な12の要因の中で、難聴は認知症の最も大きな危険因子」という指摘もなされ、ますます難聴と認知症の関連が注目されています。
 ただし、先天性難聴や一過性難聴はこの限りではありません。
 近年の研究では「難聴のために、音の刺激や脳に伝えられる情報量が少ない状態になると、脳の萎縮や、神経細胞の弱体化が進み、それらが認知症の発症に影響する」と言う事も明らかになってきています。  

(一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)難聴によって認知症のリスクが高くなる!?

終わりに 

 過去の記事で何回も書いている様に、私が難聴になったのは過重労働によるストレスからです。
 それは、下記参考記事にも「難聴・耳鳴りの最大原因はストレス」と書いて有ります。
 補聴器を着けて要れば会話は出来ますが、補聴器も機械ですからメンテナンスをしていても経年劣化して来ますので、定期的に買い替えなければいけません。
 現代は、補聴器の性能も上がり機能も色々付いていますが、それと共に値段も高額化しています。

 今も右耳の補聴器は修理中で、左耳は買い替えの最中です。
 で、店員さんから「電池式だと、どうしても電池ホルダーの隙間から汗やほこりが侵入して電子回路を傷つけてしまうので、電池交換の必要が無い完全密閉の充電式にしませんか?」と提案されまして、左耳は充電式補聴器を購入する事にしました。
 と言うのも、値段が高いため現在は片耳だけですが、自治体から補助が出ますので、思い切って充電式補聴器にしました。

 難聴にならなければ、この様な出費は無かったので、やはり身体の健康には注意しながら生活しなければいけないです。
 駅のホームや電車の中でも、ワイヤレスイヤホンを着けて皆さん何を一生懸命見ているのだろう?と思いながらスマートフォンをいじっている人達を見ています。
 けど皆さん、私みたいに補聴器装用者にならない様に耳は大切にして下さいね。

参考

(ニッポン放送 NEWS ONLINE)「耳鳴り」「難聴」に悩む人が急増 専門医が原因を調査し、解説                

HOME

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。