遠隔操作ロボット『OriHime』で在宅就労やバーチャル空間での接客、ツアー参加など可能性広がる。  

OriHime

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

重い障害がある、外に行けない、でも働きたいー、そんな障害者の願いを叶えて来た遠隔操作ロボット『OriHime』。最近はイベント会場や飲食店で、『OriHime』での接客を観たことがあるって方、多いのではないでしょうか?

2020年頃から浸透して来た『OriHime』ですが、最近は活動の幅が大河ドラマ館やバーチャル空間と、さらに広がって来ました。今では旅をする事も出来る様になりました。

今回はそんな『OriHime』の2022年度の最新情報についてお知らせします。

大河ドラマ館×遠隔操作ロボット。

神奈川県鎌倉市は、外出や就労が困難な障害を抱える人達が遠隔操作ロボット『OriHime』(オリヒメ)を使用し在宅ワークする実証実験をスタートしました。『OriHime』は鶴岡八幡宮境内(同鎌倉市雪ノ下)に2022年3月に開設された「鎌倉殿の13人 大河ドラマ館」に設置され、障害を抱える人達がパイロットとなって在宅ワークで操作し来館者をもてなします。市長は「鎌倉市として新たなチャレンジとなる。技術力で障害を抱える人達の就労を実現する明るい未来にしていきたい」と語りました。

鎌倉市は、障害を抱える人達が『OriHime』を介して来館者に「物販スペース」でオススメしたい商品をPRすることで、在宅ワークの可能性を探ります。現在は全国各地に住む20~50代の男女6人が、平日午後2時半~4時半、自宅にいながら交代で勤務に励んでいます。

「鎌倉殿の13人 大河ドラマ館」の勤務期間は2022年12月28日まで。今後の運営状況によって稼働時間が変化する場合もあるということです。障害を抱える人達のほか、在宅介護が必要となる子を持つ母親らが交代で『OruHime』の操作を担当しています。

共生社会を目指す鎌倉市は障害者雇用の促進を目標に掲げており、今回の実証実験では、より沢山の就労機会を障害を抱える人達に提供出来るかを配慮しています。

『OriHime』は今までにもテーマパークのレストランや県庁の受付などで実用されてきましたが、2022年4月18日には、鎌倉市と『OriHime』を開発したオリィ研究所(東京都)が、実証実験の実施と実験参加者の募集など呼びかけることを条項とした協定を締結。

その後、「鎌倉殿の13人 大河ドラマ館」で就労予定者が自宅でパソコンのマウスを使用してカメラとスピーカーを使って来館者と会話したり、『OriHime』の腕や首を動かしながら、「こちらの商品は湘南しらすのりです。個包装になっていて10食入りとなっております」「きんつばの詰め合わせには鎌倉殿の13人のタイトルロゴが使用されています」などと伝え、実際に商品をオススメしました。

初日となった今月2022年5月9日は、島根県在住の女性が自宅からパソコンを操作し、『OriHime 』を介して来館者にオススメの商品をPRしたり、会話を楽しんだりしていました。この日は、訪れた女性グループから「そちらの天気はどうですか?」「こちらのオススメ商品は何がありますか?」などと質問され会話をしました。『OriHime』を使用しての接客に女性は「商品の紹介を介してお客さんと会話が出来る。様々な働ける可能性を秘めていることを理解して下さったら嬉しいです」と話しました。

参考:遠隔操作のロボット使い、外出困難な人の在宅就労へ実証実験 鎌倉市 朝日新聞デジタル(2022年)

『OriHime』を開発した同オリィ研究所(東京都)の代表は「外出できなくても社会参加して知らない人と関わることで、就労者の自信につながってほしい。今後は操作する人を鎌倉市在住者にも広げていければ」と話しました。売店での『OriHime』の登場は2022年5月からを予定しています。

バーチャル空間×遠隔操作ロボット。

NTT(日本電信電話株式会社)と株式会社オリィ研究所は、2022年2月2日よりアバターによるバーチャル空間の案内サービスを開始します。バーチャル空間に訪れたユーザーは、障害者などの外出が困難なスタッフが操作するアバターを通してガイドを受けることができます。

本取り組みでは、NTTの情報やコンテンツを紹介する「DOOR バーチャルサロン」の案内業務を行います。オリィ研究所が提供する障がい者就労支援サービス「AVATAR GUILD」より派遣された障害者など外出困難なスタッフが、分身ロボット「OriHime-D」のアバターを操作し、DOOR利用者にコンテンツや操作方法等を紹介します。

これまでにもNTTはオリィ研究所と資本業務提携を実施し、ロボットの自然な遠隔操作を実現する通信制御技術の実証や、OriHime-Dによる受付業務の実施など、外出困難者の就労機会の拡大に取り組んできました。本取り組みは、その本格導入が実現した形となります。

引用:NTTとオリィ研究所、バーチャル空間での案内サービスを開始。障害者の就労支援や社会参画をサポート Movura VR(2022年)

NTTは「障害者など外出困難な方が、実空間だけでなくVR空間においても就労の機会を得ることが出来るだけでなく、DOOR利用者とのコミュニケーションを通じた社会参画が可能となります」とコメントしています。

OriHime-Dアバター

画像・引用:VR空間プラットフォーム「DOOR」におけるガイダンス業務の拡充について ~VR空間での障がい者活躍推進とアバターAIの活用~

下記はこの紹介記事の中に出てきた、障がい者就労支援サービス「AVATAR GUILD」と、案内業務を行う場所である「DOOR バーチャルサロン」、実際にOriHimeを使ってカフェで働く場所を提供している「分身ロボットカフェDAWN」のHPです。よければこちらも併せてご覧ください。

関連サイト:AVATAR GUILD

関連サイト:「DOOR」

関連サイト:分身ロボットカフェ DAWN ver.β

奄美ツアー参加×遠隔操作ロボット。

GW中の奄美大島。透明な海が眩しいビーチに一見変わった観光客の姿も見受けられました。

観光客が手に持っているのは大きさ20センチほどの『OriHime』。透明な海に漂着した軽石を映したり、海の波打ち際まで『OriHime』を近くに持って行くと、大喜びして腕を動かしています。

『OriHime』を操作していたのは、およそ400キロ離れた鹿児島県薩摩川内市に住む女の子です。女の子は、少し動かすことが可能な足の指でタブレットを使用し、『OriHime』を動かします。GW中、何度もツアーを重ねました。

参考:分身ロボで奄美ツアー!障害のある子どもたちの可能性に向けて NHK(2022年)

やっぱり働けるって楽しい。

私も一般就労に落ち続けてからその後長い間ずっと引きこもりだったので、正直仕事をしている自分があの頃は想像が付かなかったですし、もしかしたらこのままずっと引きこもりなのかな?とか色々考えながらも、その空間からなかなか出ることが出来ませんでした。

30代手前から働き出して、今はライターの仕事をしていますが、仕事をするってこんなに楽しい事なんだと、いつも感じます。20代の頃描けなかった自分が、今そこにいます。障害を抱えているとそれが障壁にもなりますが、やっぱり障害があっても働きたいと思う感情もあっても良いと思います。『OriHime』を使って仕事をしている人も、活き活きと仕事をされているのも、記事を読んでの感想ですがそう感じます。私も仕事をすることが生き甲斐となっています。これからも『OriHime』の更なる発展を期待しています。

関連記事

外出困難な障害者 埼玉しごとセンターで分身ロボ操作し接客業務 「仕事で世界広がり楽しい」 東京新聞(2022年)

こちらは以前OriHimeについて取り上げた記事です。よければこちらもご覧になってください。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。