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こんにちは、翼祈(たすき)です。
まだまだ働く女性が少ない、職種によっては男性が少ないなど、世の中の仕事には男女の偏りが沢山あります。日本女性のCEOの少なさや、仕事におけるジェンダーバランスの偏り、男女間の賃金格差などは、世界でも最下位の水準です。
今回はそんなジェンダーギャップの問題について記事を通して考えていきたい思います。
職場でジェンダーギャップを感じる時
まずは、働く女性が職場でジェンダーギャップをどのくらい感じているかについて下記の資料をもとに考えていきたいと思います。
株式会社Dai(所在地:京都市中京区)が運営するフランチャイズビジネス情報サイト「フランチャイズWEBリポート」は、「ジェンダーギャップ」に関するアンケート調査を実施したので、その結果をお知らせします。
20代から50代までの働く女性4200名に「女性であることを不利に感じた瞬間はありますか?」ときいた質問では、「よくある」「たまにある」「あまりない」と回答した人が89.2%と、約9割以上が働く上で不利に感じる瞬間があったことを回答しました。
画像・引用:【ジェンダーギャップ調査】働く女性の9割が不利に感じると回答。うち起業検討者の多くが男女不平等解消に意欲 PR TIMES(2021年)
ご覧の通り、9割もの女性が、働く上で女性であるということを不利に感じなければならず、起業を考えている女性の約7割の女性がよくある、たまにあるという回答をしています。
また、ジェンダーギャップを感じる場面として、業務については補助的な業務や雑務を任されたり、希望の職種につけなかったり、発言しづらいという意見が寄せられています。
昇進・昇格もしづらく、給与も男性と比べて低く上がりにくい、これに加えて子育てや女性特有の体調不良についても理解されないという意見も出ていたそうです。
業務や昇進、子育てや体調、給料など、これらは仕事におけるほぼすべての場面と言っても差し支えないでしょう。これにさらにセクハラや子育てによるキャリアの停滞という悩みも付きまといます。
このような土壌で女性の社会進出や平等な労働環境というのは実現が難しいと思います。
ここからは世界から見た日本のジェンダーギャップについての評価についてです。
日本、ジェンダー平等でアジア地域最下位
アジア太平洋地域の上場企業を対象としたジェンダー平等推進度の評価で、日本が最下位でした。
集計した笹川平和財団と調査機関のエクイリープ社によれば、日本、シンガポール、香港、ニュージーランド、オーストラリアの1181の上場企業、2300万人が対象となりジェンダー平等取り組み度合いを評価し、2022年6月16日に統計結果を発表しました。
ジェンダー平等取り組み度合いは、報酬の男女での平等性、男女間のジェンダーバランスなどの観点から分析したものです。
ジェンダー平等推進度を国と地域ごとに統計すると、1位のオーストラリアは46%、2位のニュージーランド、シンガポールは40%、4位の香港は30%、5位の日本は28%と集計され、日本は最下位の水準でした。
そして、5つの国と地域の統計は33%で、世界各地の同規模の経済圏の平均である37%を大幅に下回りました。世界の水準と比較してもジェンダー平等の取り組みがかなり遅れているアジア太平洋地域。その遅れているアジア太平洋地域の中でも、とりわけ日本が最下位水準となった形です。
日本企業の最下位へと順位を引き下げた原因は大きく2つに絞られます。1つ目は、ジェンダーバランスの男女間の傾きです。取締役、役員、管理職、労働者の4つの等級に分けて企業の女性比率を集計した結果、日本は全ての等級において、オーストラリア、シンガポール、ニュージーランド、香港の5か国・地域中最低水準でした。全ての等級で女性比率が30%に満たなかったのは、同じ経済ベースである世界中の他の国々と比べても日本だけでした。
女性比率が最も高かった等級は労働者で28%、最も低かった等級は役員でたったの4%となり、1位のシンガポール、ニュージーランドの7分の1にしかなりませんでした。リーダーシップ層の女性比率のレベルは特に赤信号で、CEOが女性の企業は1位のシンガポールで14%だったのですが、最下位の日本では1%にも満たなかったのです。
2つ目は、賃金格差です。データとして男女の賃金格差を公表している企業数は、1位のオーストラリアは23%、2位のシンガポールは22%、3位のニュージーランドは16%、4位の香港は6%、5位の日本は4%となっており、日本企業は男女の賃金格差の情報開示が遅延していることが判明しました。男女の賃金格差を公表している企業が4%と最少だったことも低評価に結び付きました。
参考:女性の扱い“最低” 日本の上場企業がジェンダー平等で最下位に 日テレNEWS(2022年)
笹川平和財団は、企業のジェンダー平等推進度は世界的に重要な投資の基準になりつつあるため「ジェンダー平等を進めない企業には資本が流れて来づらくなる可能性がある」と指摘しています。
投資における企業の女性活躍情報の重要性
こちらは内閣府の男女共同参画局がジェンダー投資に取り組む資本市場関係者の先進的な取り組みを調査してまとめて紹介している資料になります。
こちらによると、実際に投資家の60%以上の方は企業の女性活躍情報を参考にして投資先を決めているそうです。理由については、女性の活躍を推進しているかについて長期的には影響があると考えているからだそうです。
具体的には女性役員の人数や比率などのデータや、将来の目標を明示しているか、会社の成長のストーリーの中で開示しているかなどを参考にしているそうなのですが、その情報開示自体が日本企業、特に中小企業で進んでいません。
画像・引用:ジェンダー投資に関する調査研究
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女性の地位、また…ジェンダー平等で日本最下位 日テレNEWS(2022年)
世界でも最下位の水準をどう改善していくか
企業の男女間のジェンダーギャップが世界の中でもかなり格差があると警鐘を鳴らされている日本ですが、企業はいよいよ、本気の対応を求められています。1つは「男女の地位の均等」です。内閣府が国民の意識について職種ごとに質問した結果、均等と答えた割合が「学校教育の場」では61.2%でしたが、「職場」ではその半分の30.7%という結果でした。
もう1つが「ジェンダー・ギャップ指数」です。スイスの非営利財団・世界経済フォーラムが公表した2021年の指数で、調査の対象だった世界156カ国中、日本は120位でした。内閣府によれば「『健康』と『教育』の分野の数値は世界トップクラスでしたが、『経済』と『政治』の分野の数値がかなり低い」と指摘されてされています。
内閣府によれば、日本企業の女性管理職の比率は、2020年時点で、部長相当職が8.5%、課長相当職が11.5%と、世界的に見ても低いのが現状です。このため政府は、「企業の管理職や役員など指導的地位に占める女性の割合を2020年代の可能なかぎり早期に30%程度にする」という目標を掲げています。
ジェンダーギャップ解消のために求められるものとその取り組みの例
女性起業家が考えるこうしたジェンダーギャップ解消のための案として、下記の資料の中で一番多く挙がっていたのが、「性別でなく実力で評価する」というものでした。いかに性別の枠の中に入れられてきたかがここからもよく分かります。
また「男女間の給料の格差をなくすこと」、「体調や子育てに寄り添う」、「平等な業務を与える」、という意見や、「女性だけでなく男性社員にも子育てしやすい環境を整えたい」という回答もあったそうです。
機会の均等、社員のスキルアップや子育てによるキャリアの機会を中断させないための取り組みも今後企業には求められていき、そうした企業がこれから残っていくものと思われます。
参考:【ジェンダーギャップ調査】働く女性の9割が不利に感じると回答。うち起業検討者の多くが男女不平等解消に意欲
私の勤務する会社では、
私が所属している部署はライターとデザイナーのいる部署で、男性もいますが、女性も多い職場です。育休とかではないですが、体調によって休みを頂けたり、在宅勤務も取り入れていたり、色々配慮して頂いたり、働きやすい職場です。
一般の会社の事は私には分からないのですが、育休にしろ皆さんが働きやすい職場になる社会になれば良いですね。
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noteでも書いています。よければ読んでください。
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