原因不明の小児肝炎が日本国内で初確認。〜アデノウイルスと、パンデミックによる免疫力の低下が原因?〜 

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

イギリスを中心に12ヵ国で拡がっている、原因不明の小児肝炎。ヨーロッパの感染が多かったのですが、先日日本でもこの小児肝炎に感染したと思われる症例が出て来ました。この原因不明の小児肝炎とはどういうものなのか?何故罹患するのか?

現段階で判明している範囲で、この原因不明の小児肝炎の情報についてお伝えしています。

 

原因不明の小児肝炎、日本で初確認。

ヨーロッパを中心に感染の報告が相次いでいる原因不明の子どもの急性肝炎に関して、厚生労働省は2022年4月25日夜、この小児肝炎の疑いのある患者1人が日本国内で初めて確認されたと発表しました。

厚生労働省によると、この原因不明の小児肝炎に感染したと疑われる患者は16歳以下の子どもで、肝移植は受けていないということです。詳しい年齢や居住地、性別などは明らかにされていません。現在、入院しているといいます。

この小児肝炎の感染はイギリスなどを中心に報告されていますが、患者から熱は出ないことが多く、急性肝炎の一般的な原因である、従来のA~E型肝炎ウイルスは検出されておらず、イギリス保健安全庁(UKHSA)の見解では、通称「F41」と言われるアデノウイルスが原因になっている可能性が高いと考えており、イギリスの保健当局は一般的なウイルスや新型コロナウイルスとの関連性の他、感染症、環境要因などが原因となった可能性を調査していますが、原因はまだ分かっていません。

WHO(世界保健機関)によると、2022年4月21日までに12カ国で少なくとも169例が報告されていて、1人が亡くなっています。

参考:原因不明の小児肝炎か…国内で初確認 欧米で報告相次ぐ FNNプライムオンライン(2022年)

WHOの発表によると、患者は生後1カ月から16歳まで。この中には肝移植が必要になった子ども17人が含まれます。

その後、

欧米で幼い子どもを中心に相次いで報告されている原因不明の肝炎について、厚生労働省は国内で新たに16歳以下の子ども2人が同様の症状で入院したことを明らかにしました。国内で確認された原因不明の肝炎の可能性がある患者は3人になりました。

この3人の関連性は明らかにしていません。

引用:原因不明の肝炎か 新たに16歳以下の子ども2人が入院 計3人に NHK NEWS WEB(2022年)

2人の詳しい症状を厚労省は公表していません。肝移植は受けておらず、関与が疑われるアデノウイルスのPCR検査の結果待ちだといいます。

関連記事

原因不明の子どもの急性肝炎、新たに2人…海外で急増・12か国で169人報告 読売新聞(2022年)

原因不明の小児肝炎が起こったとされる仮説

ここからは、原因不明の小児肝炎が起こった原因の仮説として出ている意見を紹介します。

仮説①パンデミックによる免疫力の低下

可能性として新型コロナウイルスのパンデミックによって、幼い子ども達が生活の中でアデノウイルスに感染する反応が遅くなり、免疫反応が「より凶暴」になっていることも指摘します。

イギリスのリヴァプール大学の感染症専門家の教授によれば、「新型ウイルスのアウトブレイクで人と人の交流が減少した時、アデノウイルスは潜在的に世の中から姿を消していましたが、今では急激に世の中に戻ってきた模様だ」と話しました。「子ども達がかかるべき感染症に、ロックダウンなどで感染してこなかった」と語り、子ども達の免疫力が危険な推移にまで低下していると警告しました。

参考:謎の小児肝炎、アデノウイルスが原因の可能性 BBC NEWS(2022年)

仮説②アデノウイルス

イギリスでは今年2022年1月以降、原因不明の急性肝炎を感染する子どもが世界で最も多い114人確認され、北部スコットランドで発生し、うち10人は肝移植が必要な位重篤な状態でした。アイルランドでは5人未満の感染例や疑い例を確認。スペインでも3人の感染が確認されました。アメリカのCDC=疾病対策センターによれば南部アラバマ州保健当局が、1~6歳の子供の症例9件が報告されたと発表。うち2件では肝臓移植が必要でした。WHOは今後数日内にさらに多くの症例が報告されると予想しています。

イギリス保健当局によれば原因不明の小児肝炎の患者の多くが5歳以下で、およそ8割から風邪に似ている症状を引き起こすアデノウイルスが検出されたと伝えています。

アデノウイルスには80を超える型が存在し、アデノウイルスによる肝炎は比較的まれであるものの、免疫が著しく低下している患者などで発症し、通常、健康な子どもがアデノウイルスで重篤化することは非常にまれだということです。

参考:原因不明小児肝炎 ロックダウン原因か テレ朝news(2022年)

この肝炎に感染している子どもの大半は5歳以下で、下痢や吐き気、腹痛といった胃腸炎など消化器症状を起こした後、肝酵素の血中濃度上昇や皮膚と目が黄色くなる黄疸(おうだん)が出て来ます。これが、肝臓に異変のある兆候だといいます。

関連記事:アデノウイルス 感染対策コンシェルジュ

仮説③新型コロナウイルス感染との併発

さらにイギリスのリヴァプール大学の感染症専門家の教授の話によれば、直近の新型コロナウイルス感染がアデノウイルスと同化し肝臓に異常を重篤化へと引き起こす原因になっていないかなど、他の仮説も検討されていると語りました。

新型ウイルスワクチンとこの小児肝炎との関連はありません。イギリスで感染が確認された10歳以下の原因不明の小児肝炎患者は、新型コロナウイルスワクチンを接種していませんでした。患者の問診結果からは飲食物や習慣の共通点はなかったとみています。現時点で最も可能性の高い原因は感染症だと話します。WHOも原因不明の小児肝炎と新型コロナウイルスとの因果関係に関心を持っていて、さらなる調査が求められています。

参考:謎の小児肝炎、アデノウイルスが原因の可能性 BBC NEWS(2022年)

WHOに報告された169例のうち74例でアデノウイルスが検出されていますが、この原因不明の小児肝炎の原因かどうかは分かっていません。今回、日本国内で初報告された患者は、アデノウイルスの検査は陰性、PCR検査も陰性だったということです。

2025年1月、

2024年夏以降、関東エリアで、誕生して1ヵ月も経たない新生児3人が急性肝不全などを罹患して亡くなり、風邪を引く原因となる一種の「エコーウイルス11型」が検出されたことが明らかとなりました。

国立感染症研究所などによれば、2024年8月〜11月、東京にある病院で、黄疸、嘔吐などの症状が出現したり、上手に母乳が飲めなかったりしたことで入院して治療を受けて、暫くして急性肝不全などを罹患し、亡くなったケースが、厚生労働省へと報告されました。

その反面、神戸市にある2つの病院からは、国立感染症研究所に感染物を送り、「エコーウイルス11型」との結果が届いた4人の新生児のデータが厚生労働省に報告され、みんなが退院できました。

神戸市にある病院の結果を受けて、東京にある病院などで亡くなった3人の新生児の検体を解析した結果、「エコーウイルス11型」が検出されました。

「エコーウイルス11型」というウイルスに関して簡単に述べると、感染しても無症状のケースも多いですが、風邪症状や、ごくたまに無菌性髄膜炎、心筋炎、脳炎など重度の症状が出現する時があります。排泄物などの糞口感染や飛沫感染、接触感染を介して新生児へと感染します。

ごくたまに死に至るケースもあります。

日本の感染状況は法律で厚生労働省へのウイルス発生の報告対象になっていないので、詳細は判明していなくて、国立感染症研究所によれば、髄膜炎の検査で発見されたケースなど2024年は軽症も合わせて90例以上が厚生労働省へと報告されてきました。

ですが、過去7年間で亡くなったケースが複数報告されたのは2024年だけで、国はそれ以外にも重症や亡くなったケースが有るのか無いのか、全国調査を行います。

この「エコーウイルス11型」は、主に2022年からヨーロッパで感染した新生児が急性肝不全などを罹患して、亡くなるケースが次々と報告されました。フランスでは2022~2023年、急性肝不全などを伴った9例(その中で7例が亡くなりました、2023年5月5日現在)が報告されています。スペイン、イタリアなどでも重症例の報告が続きました。新しい変異株の出現も確認されています。

WHOは、一般市民への公衆衛生上のリスクは低いと評価しましたが、各国へ症例を監視することを推奨してきました。

厚生労働省は「エコーウイルス11型」の症状や重症度はほとんど解明されていなくて、それ以上の情報収集が必要とされ、重症や亡くなったケースの実態を解析していく指針を示し、全国調査では、誕生してから3ヵ月以下の新生児が急性肝炎や髄膜炎、敗血症などを罹患して入院し、治療を受け、

「エコーウイルス11型」の感染が疑われる事例に関して、2025年2月6日には自治体や医者に対して保健所に届け出を提出する様に要請しました。保健所が「エコーウイルス11型」の感染経路を追跡し、地方衛生研究所が検体を総括します。

調査期間は2026年3月までで、2024年1月まで遡って報告することができる様にしました。結果は公表する予定です。

参考サイト

赤ちゃん3人死亡「エコーウイルス11型」検出 国が調査へ NHK NEWS WEB(2025年)

「エコーウイルス11型」を全国調査へ 厚労省、感染の新生児3人が急性肝不全などで死亡 産経新聞(2025年)

原因は何だろうか?

最初このニュースを観た時に、「怖いな」と思いました。あの時はまだヨーロッパで拡がっているという話だったので、日本には多分影響が少ないだろうと思っていました。

ただ日本でも初確認らしき症例が出て来て、こういう感染症は何処に住んでいる人が罹患しているのか分からないので、渡航歴がないのなら、日本ではロックダウンは実施されていないことを考えると、アデノウイルスが原因か?と思いました。

ワクチンは関係ないにしろ、コロナの併発の可能性もまだあると言われていますし、これからもどちらにもかからないように対策を続けないといけないですね。

子ども世代は年齢的にもワクチン接種が始まったばかりで、非常に今後の推移が気になる疾患の1つだと思います。罹患した方の回復をお祈り致します。

関連記事

国内初の謎の子ども肝炎か 欧米など12カ国で相次ぐ FNNプライムオンライン(2022年)

原因不明の「小児肝炎」アメリカで初の死亡例か テレ朝news(2022年)

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、高眼圧症、脂漏性皮膚炎、右手人差し指に汗疱、軽く両膝の軟骨すり減り、軽度に近いすべり症、坐骨神経痛などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。