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こんにちは、翼祈(たすき)です。
障害を抱える人や高齢者が外でも不安なく、トイレを使える様にー。と、神奈川県大和市のコンビニで、トイレを公共化する取り組みが2022年から始まりました。何故コンビニのトイレを公共化するのか?それには、公園などの公衆トイレに防犯カメラが付いていても、利用しづらいなどが背景にありました。
今回はそんなコンビニの公共トイレについてお伝えしていきます。
神奈川県大和市のコンビニを公共トイレに。
神奈川県大和市は2022年1月14日、市民にコンビニのトイレを『公共トイレ』として広く活用して頂くサービスを導入すると発表しました。2022年2月から大和市内にあるコンビニ110店超の中から『公共トイレ』としての参加する協力店を募集をスタートさせます。『公共トイレ』として大和市の取り組みに賛同するコンビニには『公共トイレ“です”』の目印ステッカーとトイレットペーパー(5月と11月の年2回、1回100ロールの計200ロール)を配布します。
神奈川県内では大磯町が同様の取り組みをしています。
参考:神奈川県大和市、コンビニ協力店に「公共トイレ」 日本経済新聞(2022年)
東京でも一部が導入
ただ、新たな設置は費用がかかる。増やす策を考えていたところ、隣接する東京都町田市が商業施設などのトイレを公共トイレとして利用してもらう事業を行っていることを知り、現地を視察して参考にした。町田市では2010年10月から事業を始め、現在、コンビニを中心に協力店が71店、寺社も協力して11カ所が公共トイレになっている。
大和市の担当者は「地域に住む市民から『公共トイレを増加して頂きたい』という要望もよせられます。ですが、確保出来るいい土地は余りない上に予算もかかります。地域に置きたい場所にコンビニがあるという点においてもコンビニ営業の原点です」と語りました。
コンビニが公共トイレとして必要な理由
内閣府が全国60歳以上の高齢者に実施した意識調査で「外で借りようにもトイレが少ない、利用しづらい」ことが出かける時の障壁の1つであるとの結果をまとめ、大和市は安心して自由に利用出来るトイレの数を増加させることが、高齢者の出かける事への支援に結びつくと考えました。
大和市内にはいつでも使える公衆トイレがつきみ野駅前に1カ所、使用の協定を結び、いつでも使えるトイレが大和駅前に2カ所あります。また29カ所の公園に公衆トイレが設置されています。ただ公園は夜間など人のいない時間帯もあり、大和市は2020年度に公衆トイレのある公園29カ所すべてに計58台の防犯カメラが設置されたものの、公衆トイレが使用しにくいデメリットを抱えていました。
そこで目星を立てたのが大和市内に約110店舗あるコンビニでした。多くが24時間営業で立っている所も駅前や住宅地など使い勝手が良い場所が多く、営業時間中はどの時間帯も店員がいるので、安心してコンビニに入ることが可能です。
参考:大和市 公共トイレ増に協力求む タウンニュース(2022年)
登録を希望店舗は2022年2月1日以降ホームページなどから申し込めます。大和市では50店ほどの協力を見込んでおり、早ければ2月中に登録書とステッカーを配布するといいます。
コンビニオーナーと利用者の声
「これまでもコンビニのトイレは貸し出して来ましたし、使用する人が増減しても、私たちコンビニがすることは変化しません。よりフラッと活用して頂き、地域にお住まいの皆さんのお役に立てるのならと申し込みしました」
神奈川県大和市が2022年2月1日から募集をスタートしたコンビニに呼びかける「公共のトイレ協力店登録事業」に応えた「ローソン大和南林間五条通り店」のオーナーの男性はこう言いました。
総菜を買った近所に住む60代の女性は「通常の公共トイレは周りに誰もいなくて、恐怖を感じるからほぼ使用しない。コンビニならいつでも人がいるから使い勝手が良いですね」と話し、会社から帰宅途中の男性会社員も「普段から使うことが出来るというイメージが定着している。そういう時に、コンビニトイレの公共化は助かります」と述べました。
コンビニが公共化する事で、
賛同しないコンビニでは防犯カメラがトイレ内に設置出来ない事で万引きの引き金になったり、スタッフのトイレ掃除が朝、昼、夜になったりと清潔を保つ上でのデメリットもあります。公衆トイレと同じイメージと持たれるのが嫌だという声もあります。
又この取り組みに賛同したコンビニからは、「トイレを借りるだけではお客様はしないと思うから、利用して商品を買ってくれる相乗効果がある」と期待しているお店もあります。やっぱり人の考えは人それぞれだなと考え方の違いを実感した瞬間でした。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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