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こんにちは、翼祈(たすき)です。
今回は私が毎日お世話になっている牛乳が大量廃棄の危機にあり、支援の輪が広がっているという、この身近な話題について綴らせて頂きます。
生乳が大規模廃棄の危機、JA全農が消費呼びかけ
年末年始にかけて、生乳が酪農家の間で大幅に残っており、生乳のほとんどが大規模廃棄される恐れがあることが、牛乳の業界団体が行った試算で判りました。学校も冬休みで牛乳の需要減が見込まれ、乳業メーカーや酪農家の業界団体の「Jミルク」は廃棄を避けるために牛乳の消費拡大を叫んでいます。
2015年のバター不足などを受け、生乳の増産に取り組んできましたが、今年は夏場の気温が低かった分だけ、乳が多く出て今年2021年度の生産量は昨年2020年度より17万トン余り多くなる見通しです。
一方、新型コロナウイルスの感染拡大以降、バターや脱脂粉乳の需要が減少し、過去最高の在庫を抱えています。年末年始に5000トンもの生乳が廃棄される可能性が現段階であるということです。
牛乳の消費の低迷からおよそ900トンの生乳が廃棄された現実がありますが、仮にこれだけの量が廃棄されれば、過去に例のない異常事態ということです。牛乳の大量廃棄を防ごうと、団体では、酪農家に対し2021年の年末年始に牛乳の出荷抑制を求め、協力した酪農家には助成金を支給することを会議で決定したほか、
牛乳の消費拡大に向けてPR活動や宣伝などに力を入れています。
在庫量が過去最高水準まで増加
「Jミルク」の理事は、「仮に牛乳が大量に廃棄されることになれば、経済的損失だけではなく、酪農家が不安から生乳の減産に向かう可能性もあるので、必死に取り組んでいます」と語っていました。また全国の生産者団体などが加盟する「中央酪農会議」によりますと、生乳の廃棄という事態にならないよう、メーカーに対し、年末年始の工場の稼働を働きかけているということです。一般的な牛乳より高温で殺菌処理することで常温で長く保存できる「ロングライフ牛乳」の製造を呼びかけていて、年末年始は例年休業するメーカーの中でも、2021年の年末年始は稼働するところもあるということです。
中央酪農会議の担当者によれば、「万が一、大量の牛乳の廃棄となれば生産者の意欲の低下につながり業界全体で積極的に取り組まなければならない危機的な状況だ。消費者にもこの状況を知ってもらい協力をお願いしたい」と話しています。
企業も危機感を募らせる
中央製乳では、生乳に関しては今までは1億円くらいの在庫を抱えて毎年12月を迎え、新しい年に迎える現状を維持して来ましたが、今は在庫が2億8000万円を超えているそうです。
お菓子やチョコレートに使用する粉乳の在庫量は、現段階で25キロの袋が約1万袋以上にもなり、そのほとんどが倉庫に保管されています。全国の乳製品工場でもお菓子などの加工品も作られず、全粉乳の原料乳が余ってしまう緊急事態となりました。一方でこの12月から全粉乳の使用品を作っても、原価割れした商品をもちろん販売はできないので、難しい現状のようです。
参考:「とにかく飲んでほしい」大量の牛乳が廃棄の恐れ 過去にない在庫量を抱える生産者 メ〜テレ(名古屋テレビ) (2021年)
JA全農 消費拡大へ新商品開発
牛乳の消費拡大につなげようと、JA全農は牛乳をたっぷり使った新商品を開発に挑戦しました。
それが、ひと缶275グラムのうち国産の牛乳を50%以上使ったJA全農のロゴ入りのボトル缶入りのミルクティー。牛乳の「濃さ」は一般的なミルクティーの5倍ほどだといいます。
今月から販売を始めると、SNS上では、「絶対おいしい」「牛乳好きにはたまらん」などと反響があり、売れ行き大変喜ばしいということです。
すでに現在までに12万本を販売しましたが、牛乳の需要が落ち込む2021年の年末年始にはさらに12万本を製造する予定です。
ただ、JA全農によりますと、牛乳が50%以上の量のミルクティーをつくっても使用する牛乳は40トンほどで、根本的な解決にはつながりません。
この商品の販売は、直接的な消費だけでなく、今の窮地の現状を消費者に知ってもらうことで牛乳の消費拡大につなげるねらいにもあるといいます。
この牛乳が50%以上のルクティーを開発したJA全農酪農部の牛塚耕治課長によると、「酪農家が苦労してつくった牛乳を1滴たりとも廃棄させずむだにしたくないというのが私たちの切な思いです。この状況を多くの人に牛乳が大量廃棄の危機にあることを知ってもらい、少しでも牛乳の消費拡大に貢献できれば」と話していました。
北海道 消費拡大へ “牛乳券”の無料配布も
酪農が盛んな北海道では、消費者への牛乳や乳製品の消費購入拡大につなげようと、さまざまな動きが出ています。
北海道にある人口およそ2500人の鶴居村は、地元・鶴居村産の牛乳などの消費拡大を図ろうと、2000円分の牛乳券をすべての鶴居村民に無料で配布することが決まり、12月10日郵送しました。村内の店で使うことができ、牛乳だけでなく、バターやチーズなどの乳製品もこの牛乳券で購入できます。
隣の北海道にある人口およそ7300人の標茶町も、1世帯あたり1000円分の牛乳の購入券を配ることが決定し、標茶町内すべてのおよそ3600世帯に郵送するということです。
JAしべちゃ代表理事組合長の鈴木重充さんによれば、「現状では牛乳に余剰が出れば廃棄せざるをえない状況だ。ほかの市町村もぜひ同じような取り組みをしてもらいたい」と話していました。
また、標茶町で酪農を営む倉戸秀之さんは「牛乳が余り、生産が抑制される流れの中で、消費者に少しでも牛乳を飲んでもらうすばらしい取り組みだ」と歓迎していました。一方、先行きについては、「まだ牛乳の生産抑制には入っていないので経営が厳しいという実感はないが、この先がどうなるのかという不安はある。牛乳の消費も含めて元の状況に戻ってくれるのがいちばんだ」と話していました。
このほか、釧路市では12月9日、若手の酪農家が医療従事者に日頃の感謝の気持ちを込めて、飲むタイプのヨーグルト、7200本を病院に贈りました。
この取り組みはクラウドファンディングで集めた寄付金を利用し購入したもので、牛乳の消費が落ち込んでいる現状を広く知ってもらい、消費者への牛乳の消費喚起にもつなげたい考えです。
JA阿寒青年部の浅野達彦部長は、「私達JAは酪農家が牛乳を廃棄しないために努力しているので、消費拡大に協力してほしい」と話していました。
金子農水相も牛乳消費の拡大を呼びかけ、鍋料理やシチューへの活用を提案をされたりもしています。
牛乳の活用法を企業や団体が拡散中!
こうした状況を受けて、様々な企業や団体が、牛乳の活用法やネット販売を後押しする取り組みを拡散しています!
DELISH KITCHEN
フードロスを減らすために、大人気レシピサイトの『DELISH KITCHEN』では牛乳の消費を促す様々なレシピの特集を始めています!スイーツはもちろん、パスタやリゾットなどの主食メニューに加え、おかずにも牛乳を活用してみてください。
画像引用・参考:『DELISH KITCHEN』も牛乳消費を応援!スイーツはもちろん、主菜や主食にも使える牛乳消費レシピの特集を開始|株式会社エブリーのプレスリリース (prtimes.jp)
食べチョク
⽣産者から直接⾷材やこだわりの製品を購⼊できる産直通販サイト『⾷べチョク』さんも、下記の画像のような農家さんの牛乳や乳製品を販売する特別ページを開設されています。食べチョクさんのユーザー数は50万人、登録⽣産者数は6,100軒を突破し、35,000点を超えるこだわりの逸品が出品されています。
画像引用・参考:食べチョクが「牛乳消費で酪農家さんを応援!特集」を開設。生乳5000トン廃棄の危機に、牛乳消費を促進。|(株)ビビッドガーデン/食べチョクのプレスリリース (prtimes.jp)
ローソン
コンビニ大手のローソンは、牛乳の消費に少しでも貢献しようと、12月31日と1月1日の2日間、「ホットミルク」を通常の半額の65円(税込み)で販売すると発表しました。対象は全国の約1万4000店です!(生鮮・格安コンビニ「ローソンストア100」を除く)。
参考:牛乳大量廃棄のピンチ ローソンがホットミルク半額の65円で支援 | 毎日新聞 (mainichi.jp)
料理研究家や老舗洋菓子店
人気料理研究家の方や、老舗洋菓子店の方も、牛乳を使ったレシピを公開し、牛乳の消費を促すなどしています。
生乳が大量廃棄の恐れ⇨老舗洋菓子店が人気プリンやホットチョコのレシピ公開「力になれれば」 | ハフポスト (huffingtonpost.jp)
私の家では、
私の家では買い物に行った時は、家族皆飲むので、毎回5本牛乳を買っています。私も昔から大好きな牛乳ですが、糖尿病になってしまってからは血糖値が牛乳を飲むと上がりやすくなるので、コーヒーと紅茶を飲む時に少し3分の1入れて飲むだけで、ほとんど他では飲まず、なかなか貢献出来ていないかもしれません。
乳牛は毎日搾らないと病気になると聞きましたし、多くの方がこの問題に関心を持ち、少しでもこの社会問題が解決します様に…
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noteでも書いています。よければ読んでください。
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