質の良い睡眠で健康になろう!ー眠ったのに眠れてない?睡眠と自律神経の深い関係④

睡眠

この記事は約 5 分で読むことができます。

ここまで睡眠と自律神経の深い関係①~③で、「良い睡眠は重要」と述べてきましたが、まだ日本では睡眠が軽視されがちです。
それは良い睡眠の効果がまだ十分に理解されていないからでなないでしょうか。

質のよい睡眠によって、心身ともに充実した生活を送ることができます。
様々な効果を見ていきましょう。

疲れにくい体になる

疲れの中でも厄介なのは長期疲労です。
自律神経中枢の細胞にこびりついたさびが取れなくなっている状態で、数日休んでも回復は難しくなります。
そうならないために、質の良い睡眠で前の日の疲労を着実に解消していくことが非常に大切です。
続ければ、疲労ゼロで一日がスタートでき、夜はまた質の良い睡眠をとることができます。

免疫力が上がり、病気が防げる

良い睡眠をとると免疫力を上げることができます。
また、糖尿病や高血圧などの生活習慣病も、睡眠との関わりが深い病気です。
睡眠の質が良くなれば、悪化リスクは減っていきます。

また、良い睡眠は認知症にも効果を発揮すると考えられています。
アミロイドβ(ベータ)というタンパク質の蓄積が認知症の原因と考えられていますが、アミロイドβは質の良い睡眠をとることで短期間に分解されるのです。

脳内整理で記憶力アップ

寝ている間に頭の中で起こっている事のひとつに記憶の定着があります。
その日の出来事を脳が整理し、記憶として定着させているのです。
きちんと睡眠をとることで、結果として記憶力・学力がアップするのです。

記憶の整理で作業能率アップ

睡眠が十分でないと、注意力や作業能率が低下する、という傾向があります。
6時間睡眠を10日ほど続けると、徹夜明けと同じくらい認知機能が落ちてしまいます。
そのため作業効率のアップにも、質の良い睡眠を十分にとることが大切です。

2つのホルモン効果でダイエットできる

ダイエットには、食欲を増進させる「グレリン」と、満腹を感じさせる「レプチン」という2つのホルモンが関係しています。
睡眠不足や質の悪い睡眠が続くと、グレリンが増えて食欲が増すと同時に、レプチンが減って満腹感を得にくい状態になります。
食べ過ぎてしまうのは意志の弱さではなく、睡眠が良くないからかもしれません。

体のさびつきを抑え、美容効果を高める

眠り始めの3時間に分泌される成長ホルモンは、脳や体の細胞の修復を行い、肌の新陳代謝と肌細胞の生成を導いてくれます。
そして新陳代謝が促進されれば、メラニンは排出されシミが改善し、細胞が再生すればシワの改善にも役立ちます。
若さと美しさを保つためにも、睡眠は非常に大切なのです。

手続き記憶で運動能力が上がる

手続き記憶とは、自転車の漕ぎ方のように、身に付けたら意識せずに作業できるようになること。
繰り返し行うことで小脳が記憶し、作業効率が上がります。
質の良い睡眠をとることで、この手続き記憶も高められることが知られています。

たまったストレスを解消できる

強いストレスを感じた時に分泌される「コルチゾール」というホルモンは、分泌量が多いと免疫力が低下し、生活習慣病発症のリスクを高めてしまいます。
また、コルチゾールは錯覚のホルモンでもあり、いざ寝ようというときに分泌量が増えると、眠れなくなるという悪循環になってしまうのです。
規則正しい睡眠をとることで、コルチゾールの日内変動も安定し、朝の錯覚も促します。

セロトニンの効果で心が安定

良い眠りの後に分泌される「セロトニン」は、心を安定させる効果があり、分泌されて14~16時間後には眠りに導く「メラトニン」という睡眠ホルモンに変化します。
良い睡眠をとることで、セロトニンがきちんと分泌され、また、良い眠りをとれる好循環を得られるのです。

 

「良い睡眠をとることで、疲労が回復されて、さらに良い睡眠をとることができる」この好循環で心身共に充実した、健康的な生活を送ることが出来るようになります。
皆さんもぜひ質の良い睡眠をとれるようにしていきましょう。

 

おまけ~寝ても疲れがとれないのは慢性疲労症候群?~

睡眠は、疲れをとる唯一の手段です。
しかし、睡眠が改善したにもかかわらず、一向に疲れがとれないというひともいます。
そんな時は『慢性疲労症候群』という病気かもしれません。

よく「慢性疲労」と混同されがちですが、慢性疲労は今まで述べてきたように、自律神経中枢に疲労がたまって常態化していることです。
それに対し、慢性疲労症候群は、睡眠や食事を十分に取っていても、半年以上にわたって極度の疲労が続き、日常生活が営めなくなる病気です。
微熱や悪寒、喉の痛み、リンパ節の腫れ、筋力低下、過眠や不眠などが6ヶ月以上にわたり持続または繰り返し生じている場合は、この病気の可能性があります。

慢性疲労症候群は、睡眠で解消できる「生理的な疲れ」ではありません。
日常生活に著しく支障がでるような強い疲労感を起こす、れっきとした病気なのです。

もし、あなたや身の回りのひとが、このような症状を長期間感じていたら、すぐに病院へ行き、専門の医師に相談しましょう。

シリーズの過去の記事やおすすめ記事

眠ったのに眠れてない?睡眠と自律神経の深い関係①

7つの不眠タイプー眠ったのに眠れてない?睡眠と自律神経の深い関係②

今日からできる睡眠改善ー眠ったのに眠れてない?睡眠と自律神経の深い関係③

暮らしや健康に関する有益な情報を発信するWebライターichihimeのおすすめ記事

HOME

睡眠

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です