大坂選手のうつ病告白でスポーツ選手のメンタルヘルスは見直されるか?

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こんにちは、金次郎です。

 野球やサッカーは、日本国内にもプロチームが存在し応援しているチームも有りますので、テレビでもよく試合中継を見ていますが、テニスに関しては私はあまり気に留めていませんでした。
 せいぜいニュース番組のスポーツコーナーで、結果報告を見るくらいでした。
 しかし、今回プロテニスプレーヤーの大坂なおみ選手が、参加していた全仏オープンを途中棄権しテニス協会から罰金まで課せられた事を受け、ワイドショーでも取り上げていたので見ていたら、自身のツイッターでうつ病で苦しんでいた事まで告白し一躍注目を集めました。

大坂なおみと言う選手

 1997年大阪府生まれですが、父親がアメリカ人なので日米両方の国籍を持っていました。
 苗字の「大坂」は母親由来です。
 4歳の時にアメリカに移住し、22歳の誕生日を迎えるに当り、国籍は日本を選択しましたので選手登録は日本人です。
 14歳からプロツアーに参加し始め、2016年の東レ・パンパシフィックで準優勝して世界ランキング47位になります。
 2018年にはグランドスラムで優勝し、世界ランキングを7位にまで上げます。
 そして翌2019年には四大大会の1つ全豪オープンで初優勝し、世界ランキング1位に昇り詰めました(2021年現在、世界ランキングは2位です)。
 またアメリカでの、黒人に対する人種差別撤廃を訴える黒人差別抗議活動(BLM)にも熱心に取り組んでおり、全米オープン大会期間中に起きた黒人襲撃事件に抗議する意味を込めて、殺害された黒人の名前を書いた黒いマスクを着用して記者会見に臨むなど話題になりました

私自身は、態度が悪い選手と思っていた 

 彼女のプレイスタイルは豪快なパワープレイで、サービスエースで得点するなど対戦相手も彼女の打つ球を返せない事が多くありました。
 豪快な性格ゆえに感情の表し方も大胆で、ミスショットを打ったり球を拾えなかったりすると、ラケットをコートに叩きつけて捨てるなどして、審判がら態度を注意される事も有り、私もテレビでその場面を見て「マナーが悪い人だなぁ」なんて思っていました。
 また、試合後の記者会見でも、記者から気に入らない質問をされると「バイ!バイ!」と言って記者会見会場から出て行くなど、素行の悪い面ばかり目だっていました。

全仏オープン途中棄権と、うつ病告白

 そして今年2021年の全仏オープンでは、試合が始まる前に「記者会見出席しない宣言」をし、1回戦の終了後に本当に記者会見を欠席してしまい、テニス協会から罰金1万5000ドル(約160万円)を課せられました。
 この直後に自身のツイッターで、2018年のグランドスラム制覇以降「うつ病」で苦しんでいる事を打ち明けました 

告白を称賛し、応援するテニス仲間やスポンサー

 先ず先輩プレーヤーの錦織圭選手はうつ病は誰にでも起こり得る病気。私にはメンタルケアの先生がついているので、それで救われている。」と述べ「少し、テニスから離れなさい。」と助言しました。
 ライバルのセリーナ・ウィリアムズ選手(アメリカ)も「抱きしめてあげたい」と病気の告白と潔く棄権した事に共感を示しました。
 元陸上競技のウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)やバスケットボールのカイリー・アービング選手(アメリカ)など、テニス以外のスポーツ選手からも応援のコメントが寄せられています。
 また、大阪選手をスポンサードしている、スポーツ用品メーカーのナイキは「自身の心の健康状態を告白した勇気を認める。」と、いち早く応援メッセージを出すと、他のスポンサーもナイキに続いて「彼女の棄権と言う決断は、個人の健康と幸福を優先する事が、いかに重要かを示した。」とか「勝利した時だけでなく、厳しい時期も彼女を支える。」と表明しています

テニス界の現状

 大坂なおみ選手が会見を拒否したり競技を途中棄権した事で、試合後に必ず会見を行う文化や、会見が選手の心の健康に与える影響について、テニス界で議論が巻き起こっています。
 イギリスの元テニス選手の母親が創設した財団のコンサルタントによると「負けた選手(特に女性選手)にとって記者会見の場は、質問の仕方が威圧的な男性記者が多く、負けた理由を根掘り葉掘り聞いてくるので、選手にとって苦痛でしかないです。」と語っており「協会が、選手のメンタル面の保護に十分な対策を講じて来なかったのが原因です。」と言っています

終わりに

 今回、大坂なおみ選手の一件で、スポーツ選手のメンタルヘルス(心の健康管理)をどうするか?と言う事が議論される様になりました。
 スポーツ選手は、肉体面では一般人より頑丈な身体で体調管理はしっかりしていますが、精神面の心の健康までは、管理して来なかった事が今回の事件の発端だと思います。
 スポーツ選手は試合に出て勝つ事で、生活していますから「試合に負けて収入が減ったらどうしよう?」と、負けた時の精神的な負担は大きいと思います。
 今回をきっかけに、スポーツ選手のメンタル面のサポートが、重要視される様になる事を願っています。

参考元

錦織圭「誰しもなり得る」 うつ告白の大坂なおみ気遣う (毎日新聞)
 https://mainichi.jp/articles/20210603/k00/00m/050/014000c

・セリーナ、大坂選手を「抱きしめてあげたい」 大会棄権に反響(CNN)
   https://www.cnn.co.jp/showbiz/35171689.html

・米ナイキ、全仏棄権の大坂なおみを支持 他のスポンサーも (CNN)
 https://www.cnn.co.jp/showbiz/35171646-2.html

・大坂選手の失敗、テニス界のメンタルヘルス対応の不十分さ浮き彫りに (CNN)
 https://www.cnn.co.jp/showbiz/35171710.html

 

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